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ネコと子イヌ4【前編】

 朝。

「リンリンリンリン~」


 電話の音で目が覚めた。


「分かった。今から行くね」


 そう言うと、ご主人様は電話を切った。

どこかにお出かけするのかにゃ?

 

「ちょっと出かけてくるね。お留守番よろしく」


 ご主人様はそう言うと車に乗って出かけた。


二時間半後。

ご主人様が乗っている車の音がした。どうやら帰ってきたらしい。

そして、

「ワンワンワンワン」


外から鳴き声が聞こえた。もしかして、この鳴き声は……。

「ガチャ」


 玄関が開く音がして

「ワンワンワンワン」


更に鳴き声が大きくなった。

「肉まんー!」

「ゴツンッ」

 

 勢いよくぼくにぶつかってきた。

「痛いにゃん!」


えりかは子イヌで軽いのに、ぶつかると痛いのはいつもぼくの方だった。

「きょうは、肉まんのおうちでお泊りなんだって」


 えりかはうれしそうに言った。お出かけすることが大好きなえりかは、

ぼくのおうちに来るのがうれしいようだった。


 どうやら朝の電話は、えりかのご主人様のつとむ君からかかってきたらしい。

「明日の夕方まで、えりかを預かることになったから」


 ご主人様は言った。


つとむ君は、奥さんのゆいちゃんの実家へ行くことになったらしい。

ゆいちゃんのお母さんの具合が悪くなっちゃんたんだって。

その間、つとむ君のお母さんがえりかの面倒をみていたのだけど、

突然、ギックリ腰になっちゃって、

やんちゃなえりかの面倒を見られなくなってしまった。

 それで、ご主人様に、えりかの面倒を見て欲しいとお願いされたらしい。

だから、えりかを迎えてに行ってきたみたい。


 昼間はえりかとずっと遊んだ。えりかはいつも通り元気いっぱいで、

「ワンワンワンワン」

 

と鳴いて楽しそうだった。


 そして、夜になり、ご主人様とぼくとえりかは同じ部屋で眠ることになった。

 ご主人様はベッドの上だけど、ぼくはえりかの隣に眠った。

「ゴツン」


 痛いにゃん。ぼくは目を覚ました。えりかの手がぼくのお腹に当たっていた。

寝相が悪いらしい。それに、

「ズズウズズー。ズズウズズー」


 えりかのいびきがうるさかった。

「これは離れるしかないにゃん」


ぼくは、部屋のすみっこに行った。

「スピピー。スピピー」

 

ぼくは眠った。しばらくすると、

「肉まん。肉まんー!」


 えりかは突然、ぼくを呼んだ。やっと眠れたと思ったのに~!

今度はなに?

 えりかは悲しそうな顔をしている。

「どうしたの?」


 ぼく、何か悪いことをした? 全く覚えがなかった。むしろぼくが被害者だにゃん。

お腹は叩かれるし、いびきはうるさいし。

でも、えりかの様子を見ると明らかにおかしい。

目をパチクリさせながらおびえている。

もしかして、オバケでも出た?

それとも、暗い部屋は落ち着かないのかなあ。

あっ。分かった。ご主人様のいびきで起きたとか?

人のいびきはうるさいからね。

 と考えていたら、

「こ、怖い夢を見たの。突然、つとむ君もゆいちゃんもお母さんも

私の目の前からいなくなっちゃって、暗い部屋に一人ぼっちになっちゃう夢」


 どうやら、一人にぼっちになる夢を見たらしい。

つとむ君のお姉さんに、弟のさくたろうだけを連れていかれたことを

今でも忘れられないでいる。

自分だけ置いていかれたから。



《続く》


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