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ネコとぬいぐるみ

「ガチャ」

 と玄関が開く音がしてぼくは目を覚ました。

「ご主人様が帰って来たっぽいにゃん」

ご主人様を迎えに行くと、


「にゃん!? ご、ご主人様が何かを持っている。大きくてかなり重そうなものにゃ!」

 近づいてみると、手に持っているのは大きな大きなウサギだった。

ぼくより三倍くらいはありそうな、巨大なウサギ……。


 けど、なんだか、このウサギは変な感じがする。

ご主人様は、ウサギの長い耳を持っているのに、ニヤニヤした顔をしたままぼくを見ている。

「痛くないのかにゃ~。なんだか気味が悪いにゃん。

しかも異常なくらい大きいし……」

ぼくはウサギをまじまじと見た。

「それにしても、ウサギっておとなしい動物なのかにゃ? さっきから手も足もまったく動いていない気がする」

 ぼくはウサギを不思議に思った。

ご主人様はウサギをカーペットの上に置いて、座布団の上に座った。

ウサギは、相変わらずニヤニヤした顔をしてぼくを見ている。


「怪しいにゃん……。でも、気になるにゃ!」

 ぼくは少しずつ、ウサギに近づいた。

相変わらずウサギはニヤニヤしたまま少しも動かない。

「もしかしてこのウサギ、動くことができないのかにゃ!?」

 ぼくは勇気を出して、恐る恐るウサギに触れてみた。


「ドテン……」

 ウサギはテーブルの上にゆっくり倒れて、横になった。

どうやら、動くことができないらしい。


「それなら怖くないにゃ!」

 ぼくは触ったり、飛びついたりしてじゃれた。

「おもしろいにゃん♪」

 その様子を見て、ご主人様はぼくにこう教えてくれた。

このウサギは、“ぬいぐるみ”というもので、本物のウサギではないらしい。

本物のウサギじゃないなら、ぼくのやりたい放題できる。

大きくたって、耳が長くたって、ぜんぜん怖くない!


「にゃん♪ にゃん♪」

大きいくせに、ぼくに歯向かってこない。これなら安心。

ぼくはすっかり気に入ってしまい、ぼくは夢中でじゃれた。


 ところが、じゃれているときにウサギのぬいぐるみが

倒れてきてぼくの上にのしかかってきた。

「うっ! 重いにゃん……。この重さは尋常じゃないにゃん。

苦しい……! 助けて~ご主人様~!!」

 ぼくは必死にご主人様に助けを求めた。

その様子を見ていたご主人様は、大笑いをしている。


「笑いごとじゃないにゃ! ひどいにゃ~!!」

 もがきにもがいて、やっとウサギのぬいぐるみの隙間から顔を出すことができた。

 ぼくだけの力ではウサギのぬいぐるみをどけることができないと思ったみたいで、

「パッ」

 ご主人様がウサギのぬいぐるみを持ち上げて、元の位置に戻した。

「ふ~。苦しかったにゃ……」

ふとぬいぐるみを見ると、相変わらずぼくを見てニヤニヤしている。

「ぬいぐるみのくせに、ぼくをバカにして~。にゃ~!!」

 ぼくは、ウサギのぬいぐるみを引っかこうとしたら、

「ドテン」

またウサギのぬいぐるみが倒れてきてぼくの上にのしかかってきた。

「にゃー。これじゃぁさっきと同じにゃん。 助けて~ご主人様~!!」

 この様子を見たご主人様はまた大笑いしている。

「ご主人様~。笑っていないで助けてにゃ~」

 なになに。

「よっぽどきみは、このウサギのぬいぐるみが気に入ったんだね。でも倒れてくるから気をつけないといけないよ」

 だって。

 ぼくはジタバタもがきながら、

「きっと、このウサギのぬいるぐみはただのぬいぐるみじゃないにゃん。デカウサギという強敵に違いないにゃん」 

デカウサギは相変わらずニヤニヤしていた。


《終わり》


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