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ネコのお買い物(前編)

「スピピ~。スピピ~」

 ぼくはいつものように気持ちよく眠っていた。

すると、

「ペラン」

 と新聞のページをめくる音が聞こえて目が覚めた。

 ご主人様はリビングで、テーブルに新聞紙を広げて読んでいた。

ご主人様は毎日三十分くらいかけて新聞を読んでいる。

事件や事故ニュース。

政治や経済のこと、スポーツや国際情勢などの

動向などのニュースもちゃんと読んでいるらしい。


「パタン」

 新聞を読み終わると新聞をたたみ、よけておいた、

新聞の折り込みチラシを見始めた。

 毎日チラシは何枚も入っているけれど、その中の一枚に、ご主人様がよく行く近所のスーパー『とくとくスーパー』のチラシが入っていた。

どうやら、『とくとくスーパー』が特売をやるらしく、ご主人様は目をキラキラと輝かせていた。

普段からお買い得品のチラシは入っている。

けど、特売は月に一回くらいしかやらない。その一回が今日らしい。


「ご主人様~。ぼくも見たいにゃん」

 テーブルの上に飛び乗り、チラシのそばに行った。

ご主人様はちゃんとぼくにもチラシを見せてくれた。

ぼくはお店には行けないけど、チラシを見て安かったら、

ぼくが欲しいものをご主人様におねだりして買ってもらうことがある。

大トロとか新発売のキャットフードはこうゆうときにしか

買ってもらえない。

ご主人様は、早速、チラシをチェックしだしたにゃん。

赤ペンを持ってきて、欲しいものに、

「キュキュ」

 と赤ペンでまるをつけていた。

チラシの見方はよく分からないのだけど、写真が大きく載っているもの。

赤い色や黄色みたいに目立つ色で書かれているもの。

大きくて太い文字で書かれていて値段を強調しているのは、

普段よりは安いらしい。

 

 ぼくもチラシを見た。

すると、早速気になるものを発見した。

いつも食べているキャットフードの新商品「お魚と高級牛肉」味のキャットフードを見つけた。

たまには別の味のキャットフードも食べてみたい。

 しかも、今なら同じ値段で一缶買ったらもう一缶ついてくるらしい。

絶対にお得に決まっている!

「ご主人様、これ、買って欲しいにゃ!」

 ぼくは「お魚と高級牛肉」味のキャットフードの写真に手を置き、

「にゃ~ん」

 と甘い声で鳴いて猛アピールした。

 すると、ご主人様に通じたみたいで、赤ペンでまるをつけてくれた。


 ご主人様は一通り、まるつけチェックが終わると、

出かける準備をし出した。

 特売の日は、ものすごく混むらしい。

 朝早くに並ばないと買えないものもあるらしいから、

ご主人様はさっさと準備を始めた。

 ぼくも一度でいいから『とくとくスーパー』に行ってみたい。

商品がいっぱいあって面白そう。


 だけど、ぼくが行ったら、お店の中が混んでいてギューギュー詰めにあって苦しい思いをするかもしれない。

 もしかしたら、シッポを誰かに踏まれちゃうかも。

そもそもネコはお店の店内に入れないからダメかもしれない。

う~ん。何とかして『とくとくスーパー』に行く方法はないかなぁ。

一回でいいから行ってみたい。

「あっ。そうだ。ご主人様の車にこっそり乗り込んで、『とくとくスーパー』についたら

こっそり車から降りればいいかもにゃん。これは名案だにゃ!」

と思っていたけど、

「ぼくの身体でこっそりと車に乗りむのは無理だし、こっそりと車を降りるのは無理にゃん」

ぼくは諦めることにした。


 ご主人様は行く準備が整ったみたいで、玄関に向かって行った。

「いってらっしゃい。気をつけてにゃん。ぼくのキャットフード、忘れないでね。うっかり、別なキャットフードを買ってこないでにゃん」

とお見送りした。ご主人様は足早に出かけて行った。


 ご主人様はお出かけしたので、帰ってくるまで、大人しく寝て待っていることにした。ぼくはリビングに戻った。

「あれ?」

 ぼくは、テーブルの上にあるチラシに気がついた。

「ご主人様、チラシを忘れて行ってしまったけど、大丈夫かにゃ?」

 チラシを見ると、まるはいくつもついてある。

「これら全てを覚えられたのかにゃ?」

ぼくは不安になった

 でも、お店に行ったら、チラシが張ってあったり、『特売品』って目立つように書いてあるかもしれないから分かるかもね。

ぼくはそう思い、眠ることにした。

「スピピ~。スピピ~」

ぼくはいつものように眠った。



《続く》


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