ネコとカミナリ(前編)
お外で気持ちよく眠っていたら、
「ポツン。ポツン」
ぼく身体に当たってきた。
「雨かにゃ?」
お空を見上げると、黒い雲がいっぱい出ている。
そう言えば、ちょっと寒くなってきたかも……。
通り雨くらいだったら、まだおうちに戻らなくても大丈夫。
この前、あわてて戻ったら、すぐによいお天気になっちゃって、
またお外へ出たら、雨が降ってきて、また慌てておうちに戻って……。
と言うのを三回~四回も繰り返していた。
しまいにめんどくさくなって、その日は、お天気になってもお外には出ず、おうちで寝ていた。
「こんなちょっとしたおマヌケはもうしないにゃん」
そう思い、ひと眠りを始めたら、
「ポツン。ポツン。ポツン」
身体に当たる雨が増えてきた。
「でも、まだ大丈夫。どうせすぐにやむにゃん。きっとすぐに晴れるはず」
と心の中で思った。
「ポツポツポツポツポツポツポツポツ」
雨音が少し大きくなり、さっきよりも寒くなってきた。
雲はまっ黒くなっていたけど、目を閉じているぼくは気づかなかった。
そのとき、
「ザーザーザーザーザーザー」
いきなりたくさん降って来た。
「にゃー!」
大雨の大きさと身体に当たる雨の量の多さに
ビックリして慌てて目を開けた。
今日はこの前の通り雨とは違うみたい。
「ザクッザクッザクッザクッ」
雨は次第に大粒となり、
「痛いにゃ!」
ぼくは急いで開いている窓からおうちに入った。
リビングに入ると、
「ブルブルブルブル~」
雨にぬれた体を思いっきり振った。
すると、ご主人様がタオルを持ってきてくれて優しく拭いてくれた。
「ありがとう。ご主人様~」
ぼくはご主人様にお礼を言った。
「雨の日と言えば、こんなことがあったにゃん」
ぼくは雨の日に起こったできごとを思い出していた。
ご主人様は以前、突然、雨が降ってきたから
近くのお店で傘を買ってさしていた。
けど、すぐに晴れてきちゃって、
すぐに傘がいらなくなってしまったことがあった。
それから雨が降っても傘を持っていないときは我慢して「傘は買わない」ことにしたらしい。
それから数日後、突然雨が降ってきちゃった。
でも、ご主人様は「傘を買わない」って決めたから走って帰ってきた。
大雨だったからおうちに着いたときはびしょぬれで
「クシュン。クシュン」
とブルブルと震えながらクシャミばかりしていた。
その結果、風邪を引いた。ご主人様も意外といじっぱりだったりする。
《続く》