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ネコと毛むくじゃら2

以前、登場した、わたあめみたいにフワフワしている毛並みをした犬。毛むくじゃら犬が登場します。

詳しくは「ネコと毛むくじゃら」参照 https://ncode.syosetu.com/n2168cy/35/


「う~。サムサムにゃん」


 あまりの寒さに起きたにゃん。


 さっきまでお日様が出ていたからポカポカしていたからお庭に出て

つい、お昼寝をしてしまったらけど

今はお日様が隠れちゃっているし、


「ピューピュー」


 風も吹いている。

周りを見渡すと、少し暗くなっている。

そろそろおうちに入ろう。

ストーブがぼくを待っているにゃん♪


と思っていたら……


「んにゃ? 見たことある毛並みの犬が歩いているにゃん!」


 わたあめみたいにフワフワしていてあったかそうな毛は

もしかして毛むくじゃら犬かにゃ?

ずいぶん前だけど見たことがある犬で、毛がこぼれそうなくら長くて、たくさん生えている犬。


 確認するために近くで見た。

するとやっぱり間違いない。あのとき見た毛むくじゃら犬にゃん!

確信を得たぼくは、走って行って、

フワフワの毛に思いっきり飛びついてスリスリした。

その行動に毛むくじゃら犬はビックリして、


「何をする!!」


 毛むくじゃらの犬は素早くぼくを振り払い、こう言った。


「またお前か!!」


どうやら毛むくじゃら犬は、ぼくのことを覚えていたみたい。


※毛むくじゃら犬はわたあめみたいにフワフワしている毛並みをした犬。

詳しくは「ネコと毛むくじゃら」参照 https://ncode.syosetu.com/n2168cy/35/


「久しぶりにゃん。毛むくじゃら犬~」


 ぼくは挨拶した。

それにしてもこの前スリスリしたときはあったかくて気持ちよかったにゃん。

触り心地もよかったし。今日もあやかるにゃん。


「毛むくじゃら~」


 ぼくは再び近づいてスリスリした。


 毛むくじゃらはぼくを振り払ったけど、

懲りることなく何度も何度も近づいてスリスリした。


「フワフワはあったかいにゃん~♪ さすが毛むくじゃらにゃん」


 スリスリするたびにあったかくなり、すっかりぼくの身体はポカポカしてきた。

いい感じだにゃん。


「おい、おれの名前はジャスミンだ。この前も言ったけど、毛むくじゃらじゃない! ちゃーんと見ろ。この毛並みを。どう見たって手入れをしている毛並みじゃないか」


 毛むくじゃら犬は毛並みを整えてもらったみたいだけど、この前見たときと

同じ。相変わらずの毛むくじゃら。コレを毛むくじゃら以外のなにものでもないにゃん。


「名前はあるみたいだけど、毛むくじゃらだから毛むくじゃらでいいにゃん」


 毛むくじゃらにしか見えないからこの名前は合っているにゃ。



「肉まん。なにをやっているにゃんよ」


 ぼくを呼ぶ声がした。振り向くと、クロキョロが

いつものように、大きな目をキョロキョロさせながら、

不思議そうにこっち見ている。


 確かにそんな目で見るのは仕方ないことにゃん。

犬と遊んでいるなんて、そうないことだから。

どうやら危害を加えるようすがないことが分かったらしく、

クロキョロはぼくたちに近づいてきた。


「毛むくじゃら~。ぼくの友だちのクロキョロだよ。クロキョロは全身が黒い毛並みで目が大きく、キョロキョロとよくまばたきをするネコだからそう呼ばれているんだにゃん」


 ぼくは、毛むくじゃらにクロキョロを紹介した。


「よろしくにゃんよ。毛むくじゃら」


 クロキョロも挨拶した。


「おれの名前は毛むくじゃらない。ジャスミンだ!」


 毛むくじゃらは強い口調で言ったけど、そんなことはぼくにとってはどうでもいい。

けれど、「クロキョロは、どっちが正しい名前なの?」と困惑した顔をしていたから思わずぼくは言った。


「気にしないでクロキョロ。毛むくじゃらんでいいにゃん。それよりもクロキョロ、毛むくじゃらをスリスリするとあったかくなるから、一緒にスリスリするにゃん」


「そうなの?」


 黒キョロは目をキョロキョロさせながら言った。

戸惑ってはいたけれど、


「ピョーン」


 ぼくが毛むくじゃらに飛びつき、スリスリしていると、この光景を見ていたクロキョロも安心したようで、飛びついてスリスリした。


「おい、お前ら。二匹そろって同じことするな!」


 素早くぼくらを振り払った。

振り払われたものの再度、


「ピョーン」


 ぼくとクロキョロは毛むくじゃらに飛びつき、


「あったかにゃ~」


 ぼくはあったかさと毛のフワフワに思わず声を上げた。

クロキョロも、


「あったかいにゃんよ~」


満足げな顔をしている。


 こんなことをするたびに毛むくじゃらはぼくたちを振り払ったけど、

ぼくらは懲りることなく何度も何度も近づいてスリスリした。



そんなときだった。


ぼくを呼ぶ声が聞こえた。あの声はご主人様にゃん。


「ご主人様が帰ってきたにゃ~」


 振り向くとご主人様が帰ってきたらしく、おうちに向かって歩いている。


「お主人様がぼくを呼んでいるから帰るね。じゃあね、クロキョロに

毛むくじゃら~。あ、そうそう。毛むくじゃら、またスリスリさせてにゃん」


 そう言うと、二匹に背を向け歩いて行った。


「いいか? おれの名前は、ジャスミンだ。次に会う時までにはちゃんと覚えておくんだぞ! あと、スリスリは禁止だ!!」


 毛むくじゃらが叫んでいる声が遠くで聞こえてくる。


「なにかを叫んでいるけど気にしないにゃん。またフワフワの毛並みをスリスリさせて」


 に限るにゃん。



《終わり》


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