3 九人
「桜!芽!どこにいたの?」
あたしはふたりに呼びかけた。
「姫……蘭ちゃん?」
「ふたりとも。お家に戻ってふたりで遊んでて。」
「ふぁーい。」
「わかったよ。」というふうに二人は言った。
「そういえば、他の子たちはどこにいるの?」
桜ちゃんが答えた。
「花ちゃんと、空くんがスーパーの方に向かって行ったわ。」
芽ちゃんも答えた。
「七色ちゃんと海くん、若葉ちゃんもスーパーに行ってたよ。」
「分かった。ありがとう。ちゃんと二人で仲良くやっててよ!」
「はーい!」
今度の返事は二人とも嬉しそうだった。
スーパーに向かってみると、桜ちゃんと、芽ちゃんが言っていた子達がいた。
(七色ちゃんと、空くん……。若葉ちゃんもいる……。海くんと花ちゃんもいるね。この五人はやっぱりここか。)
あたしは、ほかのかえるたちも見つけた。
(春ちゃんと夜空ちゃんもいる……!)
あたしは、このスーパーに七人いることを確認して、かえるたちを捕まえようとした。
「待てー!」
「やだー!」
他の買い物客に迷惑になりそうだったけれど、そんなことはお構いなしだった。
けれど、この子達はなかなか素早くって追いつかなかった。
苦労した結果、スーパーの店員さんに手伝ってもらう始末だ。
(みんな、なんで驚かないんだろう。着ぐるみかと思っているのかな。)
変なことを考えてしまった。
七人をバック入れ、そして手に抱えて家へ持ち帰った。
(これで九人か。あと十五人もいるの!?もうへとへとだよ……。)
心の中でつぶやきながら、かえるたちに「みんなで仲良く遊んでね。」と言った。
(やっぱり一番困るのはちびくんだろうな……。)




