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2 公園のブランコ

(ウザい!あのちびめ。)

 あたしの心は怒りでいっぱいだった。

 かえるたちが、あたしを捨てたことに。

 全ては、ちびのせい。

(ふーんだ。)

 プンプンしているあたしは、かえるたちを探す気はなかった。

 でも、放っておくわけにはいかなかった。

(みんなを探さないと……。これは、大事件。)

「みんな、どこに逃げたのかな……。」

(どーでもいいや。)

 そう思ったあたしは、お腹が空いてきた。

 そうだ、駄菓子屋でゼリーを買おう。


「どれにするんだい?」

 あたしは、かえるたちのことなど頭の中にさえなかった。

 駄菓子に、夢中で。

「これ!2つほしいな。」

 こんにゃくゼリーを二つ買った。

(美味しそう……。)

「おまけに、かえるチョコをあげるよ。」

(かえるチョコか……。どんなのだろう。)

「かえる」その言葉が出てきても、気がつかなかった。

 突然、おばちゃんが聞いてきた。

「かえるって、二本立ちするのか?」

(二本立ち……。もしかして、あたしのかえるたち!?)

 あたしはやっと、かえるたちのことを思い出した。

(かえるたちが……、逃げ出したんだ!)

 あたしは「おばちゃん、じゃあね!」と言って、公園へ行った。


 公園に来ると、誰もいないのに、音が聞こえた。

「キィーコ。キィーコ。」

(ぶ、不気味……。)

 その音は、ずっと続き、リズムも崩れなかった。

(なんの音だろう。)

 あたしは植木の陰からこっそりと覗いてみた。

 鉄棒を覗いてみても、滑り台を覗いてみても、誰もいる様子はなかった。

(ブランコかな?)

 ブランコの様子を伺っていると、笑い声が聞こえた。

「フフフ。」「ハハハ。」

(誰か……、いる!)

 さっきよりもこっそりと覗いてみた。

 誰もいない、と思ったら、かえる二人が乗っていた。

(あ……!あたしの……かえるだ!)

 ブランコに乗っていたのは、(ピンク)ちゃんと、(めばえ)ちゃんだった。

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