11 スノーちゃん
輝石ちゃんの方を見ると、微笑んでいた。
「ありがとう。」と言っているように。
(でも、本当に良かった……輝石ちゃんがもう戻れなくなったらどうしようって思ったから。)
輝石ちゃんをケージ(?)から取り出して腕に抱いた。
輝石ちゃんは、あたしの腕をぎゅっと抱きしめている。
なんて言いたいかは分からないけど。
「ねえ、何で捕まったの?」
あたしはぽつんと言った。
「うーん……何でだろう。急に目の前が真っ暗になってね、気がついたらね、あそこにいたの……多分。」
「そうなの?」
「た……ぶん。」
「ふうん。」
(店長は、何が目的で輝石ちゃんを捕まえたんだろう。そこらへんで拾ったかえるを売るなんて、ひどいわ。利益が全てペットショップに行くじゃないの。……でも、戻ってきたからいいか。)
輝石ちゃんを家に置いた。
(そういえば、粉雪ちゃんもペットショップの方に向かったって言っていたけど、居なかったなぁ……。別のところにいるのかな?)
粉雪ちゃんは、肌が真っ白で、雪みたいだった。
どこにいても、真っ白だったから、見つけやすかった。
かくれんぼは、そのせいでいつも最初に見つかってしまう。
でも、あたしは、それでも微笑む粉雪ちゃんが大好きだった。
(じゃあ、輝石ちゃんに聞いてみればいいんだよ。何か知っているかもしれないし。)
あたしは、家へ引き返した。
「輝石ちゃん。」
「なあに?」
「粉雪ちゃん知らない?」
「うーん……そういえば、見た気がするけど……。」
(あれ……?一緒じゃなかったのかな。)
「うんとね、粉雪ちゃんはね、学校にいきたーい!って言ってた気がするよ。」
「分かった。ありがと。」
(じゃあ、学校にいるのかな。でも、学校は広くて探すのが大変だなぁ……。)
あたしの通っている学校は、全校で千人を超えるから、かなり広い。給食室や、体育館は、特に。
それに、教室数も多いし、階段の数も多い。一人で探すのはかなり困難。
でも、あたしには、考えがあった――。




