表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』
9/60

『黒歴史ノート』 其の一

「つまり、この『ノートの異世界』に行ったまま、兄が帰ってこないという訳だな?」


此処は『ココロード』にある『霧島華音』

香奈が、香織、知真、葉和を伴って訪れている。


香織の話はこうである。


1週間前の週末の夜、何時ものように寝た。

気が付いたら、『異世界』だった。

しかも其処は、10年前に熱中したゲームの世界だった。

魔王を倒し、光に包まれると・・・目が覚めた。


「夢オチ?」


と思ったが、その内容が『黒歴史ノート』・・・

・・・昔、自分達・・・兄妹が考えた設定だったので、『黒歴史ノート』を確認に実家に行った。

その時は何でもなかったのだが、夜、寝ると『異世界』に行くようになった。

しかし『異世界』で、兄と再会できない。

すると実家の両親より、『直哉=兄』が目を覚まさない。

と連絡があった。

きっと兄は、『異世界』から帰れなくなったんだと思う。


との事だ。


「かおりんは帰ってこれるんだねぇ♪」


「あ、うん、ログアウトってメニューがあるの」


「???」


「まるで、オンラインゲームですね。」


「うん、実際オンラインゲームなの。」


「????」


華音以外の全員は首をかしげている。


「なら、実際に行ってみるとしよう。」


華音は2冊のノートを見ながら言う。


「実際にって華音様?」

「原因は?そもそも、ノートの世界って・・・」


「原因は付喪神つくもがみだ。」


付喪神つくもがみって、長い間大事にされた物につく神様ですよね?」

「神様なのに、悪さをするんですか?」


「よく知ってるじゃないか、香奈。」

「確かに神様だ。」

「荒ぶれば禍をもたらし、和ぎれば幸をもたらす。」

「それが、付喪神つくもがみだ。」

「しかし・・・」

「今回の場合は、悪さをしている訳じゃない。」

「だろう?香織。」


「はい、これは私と兄が望んだ世界です。」

「私達は、このノートに理想の世界を描いたんです。」

「終わることの無い、もう一つの世界オンラインゲームを・・・」


こうして、大事に・・・厳重に箱に保管されていた『黒歴史ノート』に、『付喪神つくもがみ』が宿った。

付喪神つくもがみ』は二人の望みを叶える為に、夢の世界に二人の理想の世界を作り上げた。


「えっと、この場でノートの『付喪神つくもがみ』を祓ったら?」


「馬鹿かお前は」


はうっ

っと、頭ごなしに馬鹿といわれる花子。


「そんな事をしたら、直哉が帰れなくなるだろう。」

「だから実際に行くと言ったのだ。」

「花子・・・『姫薙ひめなぎ』」


「はい、華音様!」


「『夢』の『精霊』のチカラを借りて、夢の中の『異世界』に直哉を迎えに行く!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ