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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第7章 『花の城の音姫』
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『花の城の音姫』 ~香奈の章~ 其の十

「香奈に頼みがある。」


私に頼み?


「私に出来る事なら、何でもするよ。」


「ありがとう。香奈。それで何だが・・・」

「・・・黒猫を探して欲しい。」


「え?黒猫??」


さっきの話から、どうやったら猫探しに繋がるんだろう?

私は疑問をそのまま口にする。


「華音さん。なんで猫探しなんですか?」


「あーその・・・なんだ・・・」

「うむ。やはりこの事も話すか・・・」


(華音様。往生際が悪いですよ?)

(香奈の事も話さないと、その猫探しは成立せんですよ?)


「本当じゃぞ、姫よ。」

「覚悟を決めい。」


クラーケンさんと桜井さんもまくしたてる。


「え?私の事??」


そう、華音さんの話が衝撃的過ぎて、私の事なんてすっかり忘れていた。

そもそも、私は何故、華音さんの事を忘れなかったのだろう??他の皆も華音さんと友達だったのに、すっかり忘れている。


「・・・私が華音さんを覚えている理由ですね?」


「そうだ。」

「もう・・・単刀直入に言う。」

「香奈は・・・」


「私の生まれ変わりだ。」


え?私が華音さんの生まれ変わり!?ってだって華音さん・・・目の前にいるんですけど??(獣だけど。)

余りにもストレートに言われ、混乱する。


「え、えーーと・・・どういう事なんですか?」


「正確には、体の生まれ変わりって事になる。」

「魂の方は・・・私がまだ存在しているから、輪廻の輪には入っていないが、体は喰われてしまったのでな。」


「つまり・・・体だけ輪廻転生??して、それが私という事ですか??」


「まあ、そういう事だ。」

「だから、私の事も忘れていない。私の瘴気に対しても耐性がある。」

夜魅やみが見えたりするのも、私の体にその資質があったのだろう・・・私は強大な夜魅になったのだからな。」


むむむ〜〜分かったような、分かんないような・・・

でも、私が『この世のモノ』だったという事は確かみたい・・・

って。

そもそもまだ、猫探しに繋がらないよ?


「ああ〜分かっている。まだ猫探しの理由にならないな。」

「私は近々再封印される。その前に新たな憑代が必要だ。しかし、適合する人形はもう無い。」

「・・・本来ならば、香奈を憑代にするのが一番だ。なんたって私の転生体だからな。」

「勿論、それは却下。親友の体を乗っ取ってまで現世にいようとは思わん。そこでだ・・・」


華音さん自身、ちょっと焦ってるのかもしれない。大分早口で一気に話す。

私の体を憑代にするのが一番とか、さらっと凄い事言った所為だと思う。


「そこで、黒猫の『かのん』だ。あやつはそもそも生物じゃない。」

「私の瘴気で生み出した使い魔の様なモノだ。故に・・・私のチカラの一部・・・まあ、記憶と僅かばかりの能力・・・と言った所か・・・位なら移せる。」

「はれて私も現世に戻れると言う訳だ。」


つまり、華音さんが私達と暮らせるようになる為には、黒猫の『かのん』ちゃんを探さなければならないって事ね。

漸く私は理解する。


「それで、心当たりは?」


「アイツは時々ふらっと居なくなるからなぁ・・」

「でも、てうしから出る事は無い。店の辺りか・・・学校・・・漁港辺りも怪しい。」


「つまり、分からないって事じゃろ?姫。」

「扉も開いた事じゃ、儂も手伝おう。」


(勿論、うちも手伝うよ?香奈。)


「ありがとうございます。桜井さん。クラーケンさん。」

「それでは、行って来ます。華音さん。」


私達は、祠を後にする。

表で待っていてくれた、香織ちゃん、知真ちゃん、葉和ちゃんに事情を話手伝って貰える事になった。


こうして、私達の猫探しが始まった。




「・・・あれ?・・・私一人此処から出られないんだけど・・・?」

「お〜〜い・・・」

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