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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第7章 『花の城の音姫』
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『花の城の音姫』 ~香奈の章~ 其の五

「花子さん・・・つまり・・・私も・・・」

「・・・『この世のモノ』じゃない。そういう事ですか?」


花子さんは、首を左右に振る。


「わからない。」

「私には香奈ちゃんは人間にしか見えない。『この世のモノ』ならざる気配がしないもん。」


「わからないって・・・」


私は考える。

確かに私には死んだ記憶は無い。いや、そもそも死んだら記憶なってあるのかな?でも、花子さんの様に神様だったら・・・

・・・でも、気配がないらしい。でも・・・


「香奈。」

「そんなに難しく考える必要は無いわ。」


「そうですよ。香奈さん」


「そうだよ。もっかなー」


「え?」


私は皆を見る。


「香奈は香奈よ。」


「そうです。香奈さんは香奈さんです。」


「うんうん、もっかなはもっかなだよ。」


そう・・・なんだね、私は私なんだよね。

別に『この世のモノ』だろうが、なかろうが関係ない。私は私だ。

そんな、不確定な事柄より、大切な事がある。

華音さんの所在・・・花子さんは言った。


『霧島華音』はこの世に存在しない。


きっと此れは、こういう意味だ。

この世じゃない何処かにいる。


そして、改変は誰が行ったのか。

私は早速、花子さんに尋ねた。


「それはね。直接、華音様に聞くといいよ。」


『桜』には少女が眠っている。

そして、その少女は守っている。

『桜』の下に眠るこの世に災厄をもたらす存在をから。


「『桜』の近くに祠があるのをでしょう?」


祠・・・確か、花子さんのチカラで『桜』に行った時に出た所だと思う。

でも、あそこってお店と繋がってるんじゃ?


「分かります。」


「其処に行って、結界を・・・」

「あ〜〜〜〜〜」


何かに気が付いたように大きな声を出す花子さん。


「・・・結界を解けるチカラを持ってる人がいないよ。」


「えっと、花子さんか・・・桜井さんでは駄目なんですか??」


「それなんだけどねぇ・・・子狐ちゃんは、華音様の所を離れられないと思うし・・・」

「・・・私も此処に縛られちゃってるのよ」


どうやら花子さんは、華音さんのチカラで此処から動けるようになり、姿も変えていたらしい。

華音さんがいなければ、このトイレの個室からは出られないって事みたい。


「相変わらず話が見えないけど・・・その結界?を解ける人物を探せばいいのね?」

「香奈。心当たりは??」


「心当たりって・・・そんな知り合いそうそういな・・・」

「・・・イカ娘さんは?」


「なに、その侵略しそうな娘は・・・??」


「まんまですね。」


「・・・コホン。海魔クラーケンちゃんなら、大丈夫だと思うよ。」


「あ、でも・・・陸上でも大丈夫なんですか??」


「あーうん、それも大丈夫だと思うよぉ?完全な人型になれるもん」

「ただ・・・何処にいるか分かんないよ??」


あ、確かに・・・海の何処かにいるんだろうけど・・・


「ま、まあ・・・それはいろいろやってみます。」


「ん、分かった。こっちも何か考えとくよ。困ったら呼んでね?」

「あ、それとね・・・別に夜じゃなくても呼べば出てこれるからね??」


へ?

それじゃあ、わざわざ夜まで待った私達って一体・・・

と、兎に角。明日はイカ娘さんを探さなきゃ。

花子さんに会って、疑問はさらに増えたけど・・・一歩前進した。

・・・と思う。


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