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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第7章 『花の城の音姫』
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『花の城の音姫』 ~香奈の章~ 其の四

PM9:00


私達は部室を出て、花子さんのトイレへと向かう。目的のトイレは教室一つ分先と直ぐ近くにある。

夜の静まり返った旧校舎は、それだけで恐怖を感じさせるのには十分。全員が無言で歩く。


「このトイレ・・・ですよね?」


「じゃ、じゃあ、手順通りに・・・もっかな〜宜しくね?」


前回と同じく私が花子さんを呼ぶ事となった。

香織ちゃんは兎も角、双子達に至っては、トイレから出ていたりする。

ま、いいんだけどさ。


コンコン・・・


「花子さんいますか?」


コンコン・・・


「花子さんいますか?」


コンコン・・・


「はな・・・」


がちゃっ


「おそーーーーいっ!!遅いですよ香奈ちゃん!!」


「ひゃぁぁぁぁぁぁ」


私は、食い気味に扉から出てきた女の子に驚いて飛び退く。

後ろを見ると、3人は固まっている。

って、あれ??


「花子・・・さん??」


其処にいるのは、小学生位の女の子。


「この子が・・・花子さん??」


復活した香織ちゃん。

香織ちゃんが言うのは、容姿の事だろう。

おかっぱ頭に赤い服といった”いかにも”な感じではなく、今風のお洒落な小学生って感じなのだ。

って、小学生位!?私の知っている花子さんはお洒落な大学生風・・・な筈なんだけど・・・


「香織ちゃんに双子ちゃんもいるね?」

「『黒歴史ノート』以来かなぁ??」


『黒歴史ノート』!!

花子さんからでた言葉で確信する。この事実を知っているって事は、私の記憶にある花子って事。

でも、本人に一応確認してみる。


「花子さんは、私の知っている花子さん何ですね?」


うーんと暫く考え込む花子さん。


「そうなると思うよ。でも、実際何処まで改変されているか分からないからねぇ。」


そしてまた、うーんと考え込む。


「あの〜私達、大分に置いてかれてるんですけど・・・」


「説明してくれないかしら?」


「おk。ちょーっと訳のわからない話になるよ?」


花子さんによると、この世は改変されたらしい。と言っても、生活すべて天と地がひっくり返るような改変ではない。


『霧島華音』はこの世に存在しない。


改変された事項は此れに関する事。華音さんに対する記憶や出来事全てが別の事に改変された。

だから記憶にない。関係した事は別の事柄に改変される。

説明を聞いてもなお、私達には理解できない。特に香織ちゃんと双子達は華音さんや桜井さん・・・まして、花子さんに対する正確な記憶すらない。

理解出来なくて当たり前。記憶が残る私でも、良くわかっていない。

そもそも、一体誰が改変をしたの?そして、何故私には記憶が残っているの??


「香奈ちゃんに何故記憶が残っているのか、それは私にもわからない。」

「逆に私に何故記憶が残っているかは説明できるよ。」


「教えて下さい。花子さん。」


「私が華音様の事を覚えている理由は・・・」


『この世のモノ』じゃないからだよ。


花子さんの言った言葉。『この世のモノ』じゃない。火事で死んじゃって、幽霊に・・・いや、神様になったから。

この世と言うカテゴリーから外れた存在なのだそうだ。

・・・

・・・

・・・

じゃあ、私は?

私は?何時??・・・何時???















『この世のモノ』じゃなくなったのだろう??

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