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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第6章 『千重の桜』
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『千重の桜』 其の一

「最近、『桜』が咲いている所を見たと言う生徒が多いんです。」


「やっぱり、あの『七不思議』は本当だったんだよ!!」


朝、私が教室に入り、席に着くとすぐ双子がやって来た。

先週、私と華音さん、香織ちゃん、双子の4人は肝試しと称した『七不思議』の検証を行った。

途中、花子さんが本当に花子さんだったという事実が発覚して、私達は其処で検証を切り上げたのだ。

・・・とは言っても、元々『桜』の所までは行く予定ではなかったのだが。


「実はねぇ、私も見たわ。」


と、香織ちゃんもやって来て、いつものメンバーが揃う。


「おはよう、香織ちゃん・・・って、見たの!?」


「ええ、この間ちょっと帰りが遅くなったのよ。」

「そして、何げなーく校舎の奥・・・『桜』の方を見たら、山の上の方がぼーっと光ってるのよ。」

「それは正にあの『桜』の辺りで、まるで『桜』が咲いているように見えたわ。」


「校門から、見えたって事ですか?」


「ええ。」


「他の皆と意見が一致するね。」

「つまりこれは・・・」


「これは?」


「『七不思議』けってーい!」


あはは、まだ『七不思議』探してたんだ。

でもこれは、そんな安易に考えていい事なんだろうか??

放課後、華音さんに相談しよう。


「ほら、席に着けホームルーム始めるぞ。」


そんな事を考えていたら、いつの間にかホームルームの時間になっていた。

集まっていた3人も、それぞれの席に戻る。


「始めに、転校生を紹介するぞ〜」


今は10月だから、ちょっと珍しい気もする。

こういうのって、学期の始めとかに合わせることが多い気がしたからだ。

それにこんなニュースだったら、双子が事前に調査済みになっていそうなものだけど・・・


「入りなさい。」


扉を開け、入ってきたのは背の低い・・・金髪のツインテールの・・・”女の子”だ。

・・・だって、見た目が小学生位にしか見えなかったんだもの。

華音さんといい勝負ね。

と心の中で思う。


「其処の女子! 儂は小学生ではないのじゃ!!」


転校生の女の子は、私を指さして言った。

え?私?口に出てたのかな??


「言わんでも分かるっ!そんな顔をしていたのじゃ!!」


そんな顔って・・・

まあ、心に思っちゃってましたケド・・・


「ごめんなさい。あまりにも可愛かったから・・・」


と、私は正直に謝った。

世の中には『不思議』な事が多い。

ひょっとしたら、そういう事に敏感な子がいても『不思議』ではない。

なんて、華音さんの影響を受けまくってるなぁ私。


「あやまれば、良し、じゃ。」


「こほん、そろそろ自己紹介をしてくれないかな?」


「おお、これは師よ、すまなかった。」

「儂は、桜井千重さくらい ちえじゃ。」

「諸事情により、この学校に転校する事となった。よろしく頼むのじゃ!」


桜井千重ちゃん・・・やっぱり『不思議』な感じの子。

ちょっとだけ・・・華音さんに似ている。

そんな気がした。



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