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『学校の七不思議』 終 ~ホントウの『七不思議』~
香奈、知真、葉和、香織の4人が帰った後、華音と花子はまだ学校に残っていた。
「華音様っずるいですっ!」
「結局自分の事は何も言わないんですから・・・」
華音は、少し悲しそうな表情をする。
「あ、すみません・・・」
「私とは状況が・・・違います・・・よね。」
「いや、私に勇気がなかっただけだろうな。」
「でも、あの子達は分かってくれてる・・・と思いますよ?」
「・・・ああ。」
「にゃーーー」
「どうしたの?」
『桜』が咲いている。
学校の裏手、咲くはずの無いご神木の『桜』
季節も秋。
時間も夜。
なにより、数十年前より花をつける事は無かった『桜』が咲いていた。
夜の闇に怪しく光り輝く。
しかし、それも一時の事。
『桜』の輝きは失われ、夜の闇にのまれていった。




