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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第5章 『学校の七不思議』
33/60

『学校の七不思議』 其の二

「肝試し〜?」


放課後、『霧島華音』に集まった私達。

早速、華音さんに許可を取ろうと話すが、あまり良い感じではない。


「へぇ〜肝試しですかぁ? 楽しそうじゃないですか!」

「ねぇ華音様〜いいじゃないですか〜」


花子さんは乗り気だったけど、華音さんは難しい顔をしていた。


「こちらとしては、親御さんから君達を預かっている身だ。」

「何かあったら申し訳が立たない。」


確かに理事長って立場上、許可できないのは当然だよね。

でも・・・


「え〜いいじゃん!ちょっとだけ、ほんのり?」


空気の読めない双子の赤い方。

何時もなら即座に突っ込みを入れる双子の青い方もツッコミを入れない。

・・・あ、一緒に調べてたからか。

つまり、ここは私が止める所!

と、思った矢先


「まあ、条件付きで許可しよう。」


あ、あれ?OKなの??

きょとんとしていた私を見た華音さん


「香奈。」

「あの双子、許可しなかったら勝手に入るぞ?」

「其れならば条件・・・つまり私が引率して、目の届く所に居てもらった方が幾らかマシだ。」


ああ、なるほど。

確かにあの二人ならやりかねない。


「ありがとう、華音さん。」


素直にお礼を言うと、華音さんは少し照れたような表情をした。


「と、ところで、この『七不思議』だが・・・誰が調べたんだ?」


「私と姉さんです。」


「そそそ、苦労したんだよ〜〜」


「ふむ、そうか・・・」


何やらまた難しい顔をする華音さん。


「何か気になる事でも?」


「いや、割とだなと思ったんだ。」


「正確?」「正確??」「正確???」「正確!!」


声が重なる。

正確・・・って事は、双子達が調べた『七不思議』は本当・・・って事??


「普通は適当なのが殆どで、の『七不思議』なんて入っていても一つ位だな。」

「これは、3つ正解だ。」


「なんだ3つか〜」

「全部合ってないと・・・」


「華音さん。どれが正解なんですか?」


双子達は全部合ってない事を気にしているが、ここはそういう場面ではない。

問題は・・・

3つの正解があるって事。

『不思議』のエキスパートである華音さんが、正解って言ったら本当に正解。


1、トイレの花子さん。

2、誰もいない体育館でボールの音がする。

3、音楽室の肖像画の目が動く。

4、衣装室の大鏡に姿が映らない。

5、階段が増える。

6、開かずの教室がある。

7、咲かない筈の『桜』が夜に花が咲く。


つまり、このうち3つは実際に起こる怪奇現象なのだ。


「ね、ねぇ・・・やっぱりやめない?」


華音さんが居るから大丈夫・・・だとは思う。

だけど、ちょとだけ、嫌な予感っていうか寒気っていうか・・・そんな感じがした。


「大丈夫です。香奈ちゃん」

「華音様は、危険だと思ったら許可しませんよ。」

「それに・・・私も後で合流しますから。」


違う・・・私達じゃない・・・なんていうか・・・今回の事がきっかけになって・・・

華音さん達が危ない目に合うような・・・


「大丈夫だ。」

「それに・・・そろそろ知っておいて欲しい事もある。」

「・・・友達として。」


見透かした様に「大丈夫」と言ってくれる華音さん。

こうして私達は、夜の学校で肝試しと称した『七不思議』の検証を行う事になった。

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