表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第1章 『願いが叶う壺』
3/60

『願いが叶う壺』 終 ~私のハジマリ~

後日。

私、桃井香奈(ももいかなは『霧島華音』を訪れた。

実質『無料』で『壺』を処分して貰ったのである、お礼に伺うのが筋。

手土産も持参した。


曰く、


「華音様は、『さのや』の今川焼が好き」


らしい。


ちなみに『さのや』とは、有名な今川焼のお店である。

『ココロード』の終点にある『観音様』の裏手に店があり、

餡子がたっぷりと入っているのがウリなのである。


「華音さん、先日はありがとうございました。」

「これ、好物だと聞きました。」


「おお、『さのや』じゃないか!」

「花子、お茶を頼む。」


早速に『さのや』を食べる華音。

喜んでもらえた良かった。


「こちらも商売でやっているんだ。気を使う事もない。」


「商売も何も・・・実質、無料でやって頂いたのに・・・」


「・・・そうでもない。」


指差す先・・・其処には・・・

古ぼけた、黄土色の『壺』に規則性のある『謎の紋様』。

たしか、割れたハズ・・・


値段・・・1000万円(税別)


「その『壺』は、まさか・・・」


「『願いが叶う壺』だ。」

「値段は1000万円に消費税。」


私は血の気が引くのが分かった。

もしかしたら、全ての元凶はこの『一見、小学生にしか見えない女の子』の仕業だったのかも知れない。


「華音さん・・・あなたは・・・」


その時、お茶を入れに行っていた花子が戻ってきた。


「華音様。」

「冗談が過ぎますよ。」


「・・・いっつ、かのんじょーく。」


何時もと変わらぬトーンで、華音は言った。


「へ?」


思わず、変な声が出てしまった。


「大丈夫、あれは抜け殻。」

「『此の手』の『壺』は、悪魔とか妖怪とかを封印するのに使える。」


「つまり商品にするので、代金は問題ないですよって事です。」

「・・・売れる気はしませんけどね。」


「それより、その後はどうだ?」


その後は・・・とはつまり、友達は出来たか?と言った事だろう。


「ええ、香織かおりちゃんに、知真ちるまちゃん葉和はわわちゃんって双子の子に・・・」

「こんな事ならば、もっと早く話しかけていれば良かったです。」


「そうか、良かったな。」

「それとだな・・・たまに・・・たまにだぞ? 此処に遊びに来ても・・・」


「え?」


くすくす笑う花子


「私達も香奈さんの友達ですよ。って言いたいんですよね?」

「華音さまっ」


「な、花子、ち、違う、『さのや』持って来て欲しいだけで、その・・・」


つられて私も笑った。

照れた華音さんは、歳相応の女の子に見えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ