『黒歴史ノート』 終 ~やっぱり黒歴史は繰り返す~
あれから、1週間が経った。
後から聞いたが、あれは『付喪神』の仕業だったらしい。
俺は、『コマンダーベータ』こそが、その『付喪神』だったんじゃないかと思う。
だから夢から覚めたのち、『黒歴史ノート』はその『チカラ』を無くしたんだ。
俺と香織が望んだ夢の世界。そして、みんなが望んだ夢の世界。
あの世界は、どうなったんだろう?
その時、俺の携帯がなった。
「ちょっと、お兄ちゃんっTVつけてっ今すぐ!!」
あれ以来、昔の様に『お兄ちゃん』と呼ぶようになってしまった香織からの電話である。
「なんだ、藪から棒に・・・」
俺は、言われるがままにTVをつける。
そこに映っていたのは・・・
SECA開発、世界初のVRマシン『ドリームプロジェクト』発表!!
専用ソフトは、『ファンタジースターオンライン2』!!
の文字が躍っている。
「この『ドリームプロジェクト』は、まるでそこにいるかのような感覚で・・・」
「・・・兎に角。これはもう一つの世界です。ぜひご体験ください。」
「そして、『ファンタジースターオンライン2』については、新種族として『ベータ』が使用できます。」
「実は『ベータ』は、昔『アース』に住んでいた人間だったんです。」
「それを知ったある冒険者達の活躍により、和解したという設定です。」
「また・・・」
そして、『アース』において、『ベータ』と和解したと発表されていた。
「そう・・・か・・・和解したんだな。」
「だね。平和になったんだ・・・良かった。」
「しかし、新たなる脅威『アルファ』が迫ります!!」
「詳しくは〜発表の・・・」
新たなる脅威『アルファ』・・・
「香織っ!!」
「うん、お兄ちゃん!!」
俺達の新たなる旅立ちの日は近い。




