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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』
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『黒歴史ノート』 其の十三

勢いよく減っていく香奈のHPゲージ。

・・・そして、残り数%の所でHPの減少は、辛うじて止まった。


「回復は私にお任せくださいな〜」

「華音様と香織ちゃんは詠唱の終わってる魔法を!」

「『ハイ・ヒーリング』」


花子は前衛にして、回復魔法もこなせる。

花子は自分の持っている回復魔法で最上級のものを使用した。

じわり・・・じわり・・・とHPゲージが回復する。が、全快までは暫くかかりそうである。


「『エクリプス』」


「『クリムゾン・ノヴァ』!」


再びの極大魔法の競演で、砲塔は破壊された。

砲塔を失った『コマンダーベータ『キャノン』』は、金色から、銀色へとその色を変化させる。

そして、要塞とも思えるその巨体が展開し、中から別の『ベータ』が現れた。


『コマンダーベータ『ブレイド』』


巨大な剣を構え、大きさ的には『サイクロベータ』位の銀色に輝く『ベータ』


「香奈ちゃんの回復には、まだ時間がかかるわ〜」

「暫く3人で持たせてくださいな」


「簡単に言ってくれるっ」


直哉は『コマンダーベータ『ブレイド』』の大剣を自らの大剣で『パリィ』する。


「っと、おいおい・・・『パリィ』しても、HP削られるぜ?」


「『シャドウバインド』」


華音のスキルが動きを止める・・・が、其れも一瞬だった。

強引に引きちぎり、目標を華音へと変える。


ブゥゥゥゥゥン


風切り音を上げ、振り下ろされる大剣。

華音は、回避用スキル『ミラージュエスケープ』で回避する。


「こやつ、直接的な攻撃魔法でなくてもヘイトが上がるようだな。」


「後衛にとっては厄介ね・・・」


今は直哉の『プロヴォーグ』により、ヘイトは直哉に向いている。


「しかし、逆に言えば”攻撃を加えない限り攻撃は来ない”という事でもあるな。」


「お兄ちゃ〜ん♪ お・と・り・・・よろしくね♪」


ぱちんとウィンク。


「無茶言うんじゃねーーーー!!」


言いながらも、囮に徹する直哉。

回避重視に戦うが、『パリィ』をしてもHPが減るのである。

じわりじわりと追い込まれていく。


二人の魔法詠唱が完成した。


「必殺必中っ『ホーミング・レイ』!!」


香織の魔法はお得意の炎系ではなく、無属性『エネルギーボルト』の上位にあたり、必中効果のある魔法である。


「動き回る敵には、こっちの方が確実なのよね!」


この時点で、ヘイトは香織に向く。


「我が手に、全てを斬り裂く漆黒の刃を!『シャドウ・ブレイド』」


華音は漆黒の剣を生み出し、斬り込む。

斬りつけられた箇所に漆黒の闇が生まれ、炸裂する。


「『漆黒』・・・暫く変わろう。」

「回復しつつ、攻撃の準備を・・・」


華音の回避は『ミラージュエスケープ』頼みである。

クールタイムがある以上連発は出来ず、前衛職ではない華音は『パリィ』も出来ない為、受けることも出来ない。

避けながら何とか、ヘイトを稼ぐのが精一杯であった。


こんな綱渡りの様な戦いが5分程続く。


「回復完了・・・お待たせしましたっ『シールドバッシュ』」


手早くヘイトを取りつつダメージを与える香奈。


ブォォォォン


振り下ろされる大剣の攻撃も、盾スキルで完全に防御する。


「『フラワーアレンジメント』はまだ使えませんが、単調な攻撃ばかりの様なので、大丈夫です。」

「皆さんは攻撃に専念してください。」


『コマンダーベータ『ブレイド』』の攻撃を完全に無効化できる香奈が加わると、状況は一変した。

攻撃を連続で加えた後、香奈がヘイトを取り攻撃を無効化。そしてまた、攻撃を連続で加える。

何回か繰り返すと、『コマンダーベータ『ブレイド』』は動きを止めた。

銀色だった色が赤銅へと変わり・・・展開する。

中から現れたのは・・・

・・・人型。

背丈は1m80cm程だろうか、おおよそ人と変わらぬ姿の『ベータ』が現れる。


『コマンダーベータ』


人の姿の『ベータ』は、人と同じ言葉を発した。


「我らは、過去にこの星を出て、新たな星を目指した者。」

「だが、我らの新天地は見つからず、数千年の時を経て、この星へと帰還した。」

「我らの文明は既に滅び、新たな生態系の元に再生した我らが星。」

「我らが故郷を返してもらおう。」


『ベータ』とは、元々はこの星・・・『アース』に住む人間だったのであった。

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