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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』
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『黒歴史ノート』 其の十

『ベータ大侵略作戦』開始まであと3時間。


4人は、以前、香奈の装備を整えた城下町へと来ていた。

街は『ベータ』の襲撃がある直前とは思えぬほど何時も通りだ。

とりあえず、華音、香織、香奈が拠点としていた宿屋で作戦会議をすることにした。


「5ヶ所同時攻撃っていうのが問題ね・・・」

「4人分かれたとしても、1ヶ所分・・・1人足りないし・・・」


「いや、一人ずつと言うのは、得策ではない。」

「攻略の難易度も当然高くなるし、何より時間がかかる。」


「そうだな、俺は1人で拠点を潰していたが、1日1ヶ所いければ良い方だ。」

「それで、ログアウトせず、攻略を進めていた訳だが・・・」


「私じゃ多分、攻略できないと思います。」

「LV101ですし・・・」


「香奈は盾特化だからね。」

「凍夜兄ぃみたいに大剣特化なら、回復がぶ飲みで押せるんだけどね。」


「でも、『ガーディアンベータ』は香奈が居なくては、攻略できなかった。」


「それが分からないのよ。」

「この世界は、私と凍夜兄ぃの夢・・・『黒歴史ノート』の世界の筈。」

「私達だけで、攻略出来る筈だと思うのよ。」


「確かに。」


元々この世界は、『黒歴史ノート』にそった『二人の夢の世界』である。

『黒歴史ノート』に書かれている通りならば、二人で攻略できる筈なのだ。

先程の『ガーディアンベータ』との戦いにしても、香奈の『フラワーアレンジメント』が無ければ、

『全体攻撃』を回避する事は出来なかっただろう。


「其れに関しては・・・」


がちゃ。


扉が開き、純白の鎧に身を包んだ女騎士が入ってくる。


「華音様。来ましたよ〜」

「あっと・・・〆烈光の騎士〆フロイライン〆花子〆・・・参上!」


「うお、『裂光』か!?」


「花子さんっ!」


「5人揃ったわね。」

「これで、5ヶ所全てに向かうことが出来るようになったけど・・・」


「いや、先程も言ったが、其れは得策ではない。」

「この5人で敵の本体を叩くべきだ。」


「しかし、それじゃ他の4か所の町や城が・・・」


「其れに関しては・・・花子。」

「間に合ったんだな?」


「はい、華音様。」

「皆さん、窓の外を見て下さいな♪」


宿屋の窓を開ける・・・

外には・・・


「『幻影』に『白狼』!?」


「『神羅』に『深海』もいるわ!?」


其処には、かつて・・・ゲームだった頃に共に戦った戦友達・・・

全員がLV200である。

そして、その戦友達のギルドメンバーも確認できる。


「フッ こんな楽しそうな祭り・・・俺達を混ぜないつもりか?」


「そうじゃ、我もこのゲームの結末が見たかったのじゃぞ?」


「みんな・・・」


「でも、何故皆がこの世界に?」


「うむ、それはだな・・・」


華音が、いつも一緒の花子をこの世界に連れてこなかったのには訳があった。

其れは、『リアル』でかつて最前線で戦った者達を集めさせる為だったのである。


「・・・そっか、そういう事・・・なんだ・・・ね。」


「火燐。何がそういう事なんだ?」


「私達だけでは攻略できない訳が分かったのよ。」

「それはね・・・」


「それは?」


「ここはもう、『私達の夢の世界』じゃなくて、『みんなの夢の世界』なのよ。」


「そうか・・・そうだな。」


二人は、眩しそうに戦友達を見ていた。

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