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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』
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『黒歴史ノート』 其の八

「よっ久しぶりだな、火燐・・・それと、『深闇』!?」


「凍夜兄ぃ・・・心配したんだから!」


「ん?、何の事だ?」


「直哉、香織、感動の再開は後だ。」


「助けてーーー」


話の間、香奈はビームを捌いていた。

直哉は、すぐさま香奈の援護に向かう。

盾を持っていない直哉だが、剣スキル『パリィ』で器用にビームを逸らす。


「えっと・・・『聖乙女』」

「メインのガードは任せる。」

「俺は、サポートしつつスキルによる打撃を加える。」


「・・・はいっ」

「あ、でも・・・『聖乙女』はやめてください・・・『香奈』でお願いします。」


「分かった、香奈。」


盾スキルで攻撃を捌く香奈、その隙間に大剣スキルを入れる直哉。

大剣スキルを入れることによって、『ガーディアンベータ』の攻撃間隔を広げ、

香奈のクールタイムも稼げる。


「ふむ、前衛二人がらぶっている様に見えるな。」


「むむむむ〜〜〜〜」

「お兄ちゃんっ!! デレデレしないで!!」


「してねーーよ!」


「ブラコンなのかな?」「ブラコンだな。」


其れは兎も角。


4人になり、連携もしっかりした事により、

徐々に・・・徐々に『ガーディアンベータ』を追い込んでいく。


「そろそろ、来るわね・・・」


HPが30%を切ると使う『全体攻撃』

実際に此処までは、削れるのである。

ただし、この攻撃に耐えれた事がない。

故に攻略が出来なかったのだ。


「『ガーディアンベータ』のHP・・・残り31%・・・」

「タイミングを合わせて、最強の攻撃を全員で叩き込み・・・一気に殲滅する!」


「火燐ッ」


「わかってる!!」


「「封印されし、二つの武器の真の姿を此処に!!」」


二つの武器・・・直哉の『覇皇龍斬剣”戒”』、香織の『華恋鳳凰”結”』

此の武器は二人のオリジナル・・・『黒歴史ノート』に書かれた二人専用の最強武器。

二つの武器は一度一つとなり、封印の解けた二つの武器を生み出す。


「『覇皇龍斬剣”すめらぎ”』ッ!!」


「『華恋鳳凰”結婚マリッジ”』ッ!!」


即座に魔法の詠唱に入る、華音、香織。

直哉、香奈は防御に専念し、機会を窺う。


「ん、おっけ。」


「こちらもだ。」


「次のビームを逸らした後に叩き込むぞ!」

「香奈!」


「了解ですっ! 直哉さん。」

「『ハードシールド』!!」


香奈は攻撃に入りやすいように、前方を覆う『ゾーンシールド』ではなく、

効果範囲が狭く、視界の良い『ハードシールド』を選択する。


「香奈・・・凄い・・・」


効果範囲が『ポイントガード』より少し広いだけの『ハードシールド』で、

『ガーディアンベータ』の大型ビームを逸らす。

LV5から、盾を集中的に使っていた香奈のスキル熟練度は、最高レベルにまで上がっていたのである。


シャーーーーッ

・・・

・・・


「今です!!」


「おうッ!!」「おっけ!!」「うむ。」


「『チャージ』・・・『シールドソーサー』!!」


「・・・深き闇に飲まれるがいい・・・『エクリプス』」


「我が漆黒の一撃を受けよ!! 『オーバーエンド』!!」

「火燐ッ!!」


「とどめよ!! 全てを焼き尽くし・・・灰塵となれ!!『クリムゾン・ノヴァ』!!」


光の弧を描く『アイギス』、収束する深い闇、まるで『ビームソード』の様に巨大な剣撃、巻き起こる炎の渦。

それらは、相乗効果を生み、一つの光となって弾けた。


プシュウウウ・・・


がっくりと膝をつく『ガーディアンベータ』


「勝った・・・?」


しかし・・・


(システム再起動・・・)

(コード『サテライト』起動・・・)


「まだだ!!」


「何で!?」

「HP0になったハズよ!」


「『ガーディアンベータ』のスキルか・・・」

「おそらく、HPが0になっても、1%残して再起動するという事なのだろう。」


「何よそれ!?」

「私達の夢なのに、そんなの知らないわよ!?」


「大丈夫だ、火燐。」

「これが、ゲームであり・・・俺達の夢である以上、勝つ手段はある。」


(『サテライト』発射準備完了。)

(発射10秒前・・・)


「『ダークネスレーザー』」


キィィィィィン


(ハウリングシールド正常稼働・・・)

(発射7秒前・・・)


「バリア・・・」


「『グランドクロス』!!」


キィィィィィン


「物理攻撃も駄目か。」


「・・・『サテライト』・・・上から?」

「香織ちゃんっ私に浮遊魔法!」

「・・・私の下に入ってください!!」


(発射3秒前・・・)


「わ、分かったわ!」

「『レビテーション』!!」


香奈の体が、ふわりと3m程浮上した。


「上からの攻撃をスキルで防ぐつもりか!」


「もう・・・これしかありません。」


「あ、スカートの中が・・・」


「へ? 上見ちゃ・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!」


べしっ


「お兄ちゃん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


(発射1秒前・・・)

(発射。)


そして、コロッセオ風なボスの間全体に、光の柱が降り注いだ。

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