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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』
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『黒歴史ノート』 其の五

ズドン。


振り下ろされる巨大な棍棒(の様なモノ)を香奈はステップで回避する。


「こんなの受けたら潰れちゃいますよ!」


『サイクロベータ』はゆっくりとした動きで棍棒を持ち上げ・・・

・・・振り下ろす。


ズドン。


「『サイクロベータ』に遠距離攻撃は無いわ。」


棍棒による振り下ろし、振り払い、突き上げに、足による踏みつけ。

主な攻撃はそれだけである。

しかし、HPが減ると取り巻きの『ベータ』を呼ぶ。

そうなると厄介である。


「えーいっ 『シールドバッシュ』!!」


ごんっ


「え?」

「吹き飛ばな・・・きゃっ」


ブゥゥゥゥン


棍棒の振り払いを受け吹き飛ぶ香奈。


「香奈!」


「ん・・・大丈夫・・・一応・・・間に合ったから・・・」


「『ポイントガード』か。」


盾スキル『ポイントガード』、集中した一点のみの防御を高めるスキルである。

発生が早く、クールタイムも短いが、効果範囲も狭い。


「でも、背中打っちゃった・・・いてて・・・」


「香奈、体の大きい敵に吹き飛ばしは無効なのよ。」

「とりあえず、アイツを引き付けて!」

「私と華音さんの魔法で倒すわ。」


「引き付ける・・・」

「あ、あれね!」

「えっと・・・私の歌を聞けぇぇぇぇぇ!!『プロヴォーグ』!!」


「いや、歌じゃないと思うんだけどね?」


「なかなかに、香奈も毒されてきたようだな。」


兎に角、ヘイト値を上げるスキル『プロヴォーグ』で『サイクロベータ』の気を引き付ける。

大ぶりな攻撃が香奈に繰り返される。

香奈はステップ、『ポイントガード』などで、それを回避する。


その間に、香織、華音はそれぞれ詠唱に入る。

先に魔法が完成したのは、香織。


「香奈っ距離を取って!!」

「私の最強の杖・・・『華恋鳳凰”結”』の力・・・見せてあげる!!」

「全てを焼き尽くし・・・灰塵となれっ『クリムゾン・ノヴァ』!!」


『クリムゾン』をさらに強化した香織の必殺魔法。

巻き起こる炎の渦は立ち上り・・・やがて収束する。

そして・・・大爆発。


「浅いっ」


「ちいっ 流石HP”だけ”は『ガーディアンベータ』並みね!」


黒焦げになり、なおも棍棒を振りかざし・・・


「・・・しまったっ『ベータ』を呼ぶわ!」


「させるかぁ!『シールドソーサー』」


盾をそのまま放り投げる盾スキルである。

当然戻ってくるのだが、戻るまで盾スキルが使えなくなると言う微妙スキルである。

しかし、香奈にとっては唯一の遠距離攻撃でもある。


グモォ・・・


『ベータ』を呼ぼうとする『サイクロベータ』の顔面に『アイギス』が直撃する。

ガクッと膝を落とす『サイクロベータ』


「やるじゃん!キャップ!!」


「え?キャップって何!?」


そして、華音の魔法が漸く完成する。


「ふっふっふ・・・待たせたな・・・」

「深き闇に飲まれるがいい・・・『エクリプス』」


闇、闇、闇、何処まで深く暗い闇。

それは、『サイクロベータ』を包み込み・・・

・・・やがて、何もかも消えた。


パパパパーン


(『ベータ前線基地』を攻略しました。)


機械的な音声がクエストの終了を知らせる。

其れと共に・・・


(『香奈』さんに、レアアイテムがドロップしました。おめでとうございます。)


レアアイテム取得のアナウンスが流れる。


「へ?」


「私は素材のようだ・・・NPCだな。」


「私もね・・・」

「ビギナーズラック・・・恐るべし・・・」


「香奈には物欲センサーが付いてないからな・・・」


「え、え、え??」

「コレ・・・凄いんですか?」


「ところで、何が出たの?」


「えっと・・・『聖女のロングソード』・・・カテゴリーは片手剣ですね。」


「ほう、セット装備だな。」


「セット装備?」


「香奈の鎧・・・聖女のライトプレートと同じく”聖女”って頭に付いているでしょ?」

「こういう装備を複数装備するとセット効果が貰えるのよ。」

「聖女は確か・・・防御力アップだった気がするわ」


「どちらにせよ、街に戻ってからにしよう。」

「もう夕方だ。」


「また、カスタムしましょう。」


「そうだな」


「ほほほほほほ・・・・」

「ふふふふふふふふふ・・・」


「またこの展開ですかぁぁぁぁぁぁぁ〜」


今日もまた叫ぶ事になった、香奈だった・・・

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