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『霧島華音』 ~『不思議』の『何でも屋』~  作者: hermina
第3章 『黒歴史ノート』
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『黒歴史ノート』 其の三

此処は『夢の中』である。

『夢の中』において、時間の概念はあって無い様なものだ。

ある人は一生分の人生をやり終え、最後を迎えたその時に目が覚め・・・

『夢』だったのだと気が付いたという。

『夢』には無限とも言える時間があるのだ。


「えっと・・・それと、私のLV上げと何の関係が?」


香奈は雑魚モンスターである、スライムを倒している。

『ファンタジースターオンライン』において、敵に分類されるのは2種類。

侵攻してきた『ベータ』と原生生物の『モンスター』である。


「香奈は、剣の使い方がぎこちないな」


「そうね、中学生くらいの時に、剣道部でもないのに竹刀で素振りとかしなかったの?」


「そんな子いないよ!!」


「つまり・・・だ。」

「時間はあるから、香奈のレべリングをしながら行こうという訳だ。」


「私のツッコミスルーですか!」

「ちょっと花子さんの気持ちが分かりましたよ・・・」


テレッテー

香奈はLV2になった。


「あ、レベルがあがった。」


「その調子で、LV5まで上げてね?」


1時間程、スライムや大ネズミなどの雑魚モンスターを倒すと香奈のLVは5になった。


「やった、LV5♪」


「さて、LV5になった訳ですが、ここでスキルポイントの説明です。」

「LVが上がるとSPと言うのが加算されていると思います。」


何処から出したのか、眼鏡を掛け、くいっと上げながら香織は続ける。


「メニューからスキルツリーを出してください。」

「実は戦士において、SPが5ポイントから先は重要な分岐になります。」


「香織先生!」

「剣、大剣、槍、斧、盾に分岐してます!」


「この先どの道に進むのか此処で決める事になります。」

「一応、剣と槍とか2つ進めても良いですが、効率は悪くなりますね。」


「汎用性を取るか、特化にするか・・・」

「まあ、この世界では特化推奨だ。」


「できない事は仲間にしてもらい、自分が出来る事を全力でやればいいのよ。」


「この盾って言うのは・・・」


「防御スキルだな、派生に攻撃もあるが防御力重視で仲間を守るスキルが多い。」

「片手武器の補助用に取る事が多い。」


「じゃあ、私・・・盾特化にします。」


「盾特化!?」

「タンク職好きでやる人がたまにいたけど・・・」


「剣のパリィや、槍の受け流しのスキルでタンクも出来るからな。」


「私、剣が下手ですから・・・」

「攻撃は二人に任せて、二人を守るよ!」


「うむ・・・分かった。」


「じゃあ・・・最低LV100にはなって貰わないとね〜」

「LV5じゃ、私や華音さんのが防御力高いわよ〜〜」


「ふぇぇぇぇぇぇ〜〜〜まだ先が長いよ〜〜〜」


「LVがもう少しあがったら、効率良く上げれる場所に連れて行くわよ。」


「っと、スライムはもういいぞ。」

「経験値があまり貰えなくなってるだろう、次は・・・あの狼だ。」


午後には、香奈のレベルは15まで上がっていた。

そして夕方、香奈の武器防具を揃えようという事になった。


「初期装備の皮の盾じゃこの先は厳しい。」


「どうせなら、『いっちゃんええの』にしましょう。」


という訳で、この世界では比較的大きい城下町に来た。

華音の移動系魔法である。

香織も使えるのだが、この城下町が良いとの事であった。

どちらにせよ、魔法で全ての場所に行けるのは大きい。

早速、武器防具の店に行く。


「おっちゃん! この子に・・・」

「『いっちゃんええの』!!」


「おいおい、その子LV15だろう?」

「この店で一番の武器はLV70からだぜ?」

「其の位ならこの・・・バスタードソードがオススメだぜ!」


「あ、武器いらんから・・・」

「この子、盾特化だから。」


「盾特化!?なんつー茨の道を歩んでんだこの子・・・」

「なら、これだな、ラウンドシールド」

「他は・・・そうだな、スチールプレートあたりか?」


「え?、え?え??」


おろおろするだけの香奈。

華音はと言うと・・・何やら奥の方の装備を見ている。


「店主。」

「これを・・・」


「はいよ・・・って」

「これは売りもんじゃないですぜ!」


聖女のライトプレート

そして・・・


「アイギス!?」

「なんで伝説級の盾があるのよ!?」


「これは、前に〆烈光の騎士〆フロイライン〆花子〆様が預けていったものだ。」

「預かり物を譲るわけには・・・」


「店主、其れの所有権を確認してみろ。」


「えっと、所有権・・・《真なる深闇》《華音》・・・あれ?」


「其れは、私が花子に貸していた物だ。」

「・・・聖女のライトプレートもな。」

「これは預け賃だ。」


ごとっと金塊を置く華音。


「ひょっとして・・・華音さんの店にいた人が『烈光』だった訳?」


「うむ、まあ、世の中狭いと言う事だ。」


「あ、でも、装備できないわよね・・・装備条件LV150よ、これ?」

「聖女のライトプレートでも・・・LV100ね。」


「問題無い。」

「私のサブ職業はクラフターだ。」

「装備条件緩和を限界まで行えば・・・何とかなるだろう。」


「あ、私はエンチャンターなのよね。」


「と、言う事は・・・」

「二人でやれば、良い物ができそうだな。」


「ええ。」


「ほほほほほほほほ・・・」

「ふふふふふふふふふふふ・・・」


「えっと・・・何が何だか分かんなーーーい!」


その夜、宿屋にて・・・


「聖女のライトプレートもいいけど、アイギスは凄いわね!」

「エンチャントスロットが4つもあるわ!」


「うむ、それに此れを使う・・・」

「伝説級の素材だ・・・」


「わ、わからない・・・」


「あ、香奈はもう寝てていいぞ。」


「後は、私たちがやっておくから〜」


「う、うん・・・」


訳分かんない・・・と思いながら床につく香奈を後目に・・・

二人の廃人プレイヤーによって徹夜でカスタムが行われた。


・聖女のライトプレート+99(全属性耐性、装備条件緩和LV制限無し)

・アイギス+99(全属性耐性、盾攻撃力UP、盾防御力UP、装備条件緩和LV制限無し)


こうして、伝説を超えた装備が完成したのだった。

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