第一話
ここはユーフラ中央広場。
「きゃ!」
誰かとぶつかった。
「ご、ごめんなさい!お怪我はありませんか……?」
「あ、ああ、平気だ。こちらこそすまない……」
「見ない……顔ですけど、お名前は?」
「スレィと言う。そなたは?」
「わ、私はシグリィ。よろしくね、スレィ」
スレィは、よく見ると目が漆黒で、ピアスの穴が開いていた。
「珍しい特徴の種族なんだね?」
「えっ、あっ、その……」
反応がおかしい。
「ごめん、故郷の話は嫌いだった?」
「いや、いいんだ。その、種族が滅んでしまって、残ったのは我だけだ」
「あ、なるほど、それで見ないな〜って思ったんだ。スレィ、泊まるところは?」
「ない」
ここはユーフラ、見ない顔の幻種族の末裔など、泊めてくれるところがあるとは思えない。
「それじゃ良かったら私の家おいでよ」
「い、いいのか?」
「もちろん!」
私の家は中央広場のすぐ近くにある、商店街の路地にある。
スレィの事をお母さんに相談したところ、快くOKを貰えた。
「はい、ここスレィの部屋ね。私の部屋は隣だから、なにかあったら聞いて。じゃあね〜」
ユーフラ族は学校には行かずとも親のお店の手伝いをするのが一般的。まあ地方では、中央部に出てもやっていけるように勉強するところもあるようだが。
「おい、シグリィ」
「ん?どうしたの?」
「その……学校は、どうしたらいい」
「学校?スレィの種族の村では学校があったの?」
「無いのか!?」
「え、ええまあ、無いわ。基本的に、親の仕事のお手伝いをするの」
「手伝いか……我は何をしたらいい?」
「えっ、いいよ。長くいるんでしょ?そしたら、慣れたらでいいよ」
「長く?」
「あれ、違った?」
話の様子から、長く滞在するのかと思っていた。
「あ、いや、悪いだろ?」
「いいのいいの!部屋なんて余ってるし〜」
「そうか……ではお言葉に甘えて、そうさせて頂く。ちなみにシグリィには、夢とかないのか?」
「あ、シグって呼んで!んー、夢かぁ。光姫様が目標かな」
「光姫様か……偉いのか?」
「スレィ、光姫様を知らないの!?」
光姫様とは実は私の元実姉で(シスターや司祭などは家族との縁を切るのがこの世界の決まり)、名前はチルスという。この世界にはシスターと牧師がそれぞれ全六協会に五人ずついる。司祭様はその各協会のシスターで一番トップの人の事であり、その司祭を統括するのがチルス、つまりは光姫様なのである。17歳の誕生日に家族との縁を切って近くの協会にシスター見習いとして入り、シスターになり司祭になり、その時代の王に選ばれると光姫様になれる。
「うん。超偉いよ」
「凄いな、シグには夢があって」
「そんな事ないよ。だって私も、光姫様がお姉ちゃんってだけだから」
「姉なのか?」
「そう。……あ、そうだ!ねぇスレィ、良かったらだけど、星読様目指さない?」
「星読様?」
「牧師様のリーダー、まあ光姫様の男版、って感じかな?」
「我がなれると思うか?」
「大丈夫だよ!私だって、今全く術式使えないもん」
「それ、威張れる事なのか……?」
「さあ、分かんない。でもま、一応それを目標に頑張っていこう!」
メールでやってみたら案外楽w
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