第4話⇔凌SIDE・俺の気持ち。
ヤバイ…間に合わない!!
智との無駄?話のおかげで朝になってるし…
車を脇に停め、携帯に目をやった。携帯のディスプレイは無情にも真っ暗。
充電切れかよ!!
携帯は諦め、亜美の迎えを急いだ。
『おばちゃん!!亜美は????』
着いた時には8時前。岩田家の玄関に乗り込む。
『凌ちゃん!おはよう。亜美は行っちゃったわよ。』
やっぱり....。
『一人でも大丈夫よ!社会人なんだし。』
そうなんだけど…
でも!
『凌ちゃん。朝ごはん食べる?』
『あっ!ゴメン。いいや…ちょっと追い掛けて見るよ!!』
急いで車に向かう。
『もう…駅には着いたと思うわよ!』
玄関ドアの隙間から、申し訳なさそうなおばさんの声がした。
駅に着いた時には、悲しいかな…電車は走り去った後。
仕方無い…今日は帰って眠るか…。
亜美の怒った顔を想像しながら、自宅に向けて車を走らせた。
(ピピピ…)
ん…?!
携帯のアラーム音が鳴り響き携帯を手に取り、ディスプレイを確認。
『やっぱり、返信無しかぁ…。』
はぁ〜。分かってたけど…。
亜美に謝りのメールを入れたけど、仕事中だし返信無し。
ため息をつき、ベッドから起き、熱めのシャワーを頭から浴びた。
『もぅ…来なくていい。』
亜美のこの台詞は痛いよな…。
亜美すぐこれだし。
それでも…離れたくない。俺は亜美が好きだ。
事故の後は責任しか感じて無かったけど…
亜美が告白してる所を目撃した事がある。
振られた理由が『足』の事。
怒った俺はあいつを殴ったけど、俺の中では紛れも無く『嫉妬』を初めて感じた時だった。
それ以来、俺なりに守り、気持ちを抑えてきた。
でも…抑えるのも限界かな。
最近の亜美は俺から離れたがってる。
今は責任を理由に近くに居るけど…。
亜美が最後の決断を降すのも遅く無い。最後の決断…
亜美に彼氏が出来る事。
『亜美ちゃん!可愛くなったよなぁ〜』
智が口にした言葉が頭を過ぎる。
社会人になって元々の可愛さが増した。
確かになぁ…。
短かった髪も長くなり、緩めの巻髪にしてる。
目もクルクルしてて、年上なのに幼い顔。背も低い。
でも、性格はきつい…。
俺にとっては、全部が愛しい。
俺…離れられるんだろうか??
まぁ…今、考えたってなぁ〜。
智でも誘って飯食いに行くか!!
『お前さぁ…大学は??』
智の痛い一言。
『今日は休んだ…。起きたら夕方だったし。』
それに、亜美にも逢って無いのに行く気もしねぇ。
『おじさん、おばさん。泣くぞ!!今は何処に居るんだ??』
親は良いじゃん…
『確か…イギリスだよ。』
最近、連絡とって無いからなぁ…
うちの両親は海外赴任中。俺も連れていかれそうだったのを何とか断った。
亜美の側に居たいから!!
『そっか!お前も大変だなぁ〜。あっ!!明日じゃねぇ〜の??優子さんのお願い?』
げっ…。忘れてた。
『俺も行こうかな…』
『くれば??』
『はぁ!それは…ダメだろ??』
おっ??焦ってやんの。
『離れた所で見てたら?』
『それ良い案だよなぁ〜!!俺も付いてくよ!!』
嬉しそうな智の顔!!
お前は単純で良いよ…
俺にとっては亜美からの連絡の方が気にかかる…
どうにかして亜美の機嫌を取らなくては…。