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貴方の隣  作者: 夕月綾乃
11/12

第11話⇔偶然の再会。

凌が居なくなって早二ヶ月。周りはクリスマスモード一色。


2ケ月かぁ…。


イルミネーションとカップルを横目に呟く。


ふと意識が遠退くと思い出すのは二回のキスと凌の胸の温もり…。


凌を捜そうと思えば出来る。

でも…私は何もしてない。

あの時の彼女とどうなってるか?


その話題を笑って話せる自信が無いから…。


最近は涙も枯れて、時間を生かせなかった後悔だけが胸を過ぎり、痛みに胸を押さえる日々。


凌…今何してる?


元気?


彼女とは?


胸の中でいつも質問。


でも…私ってバカだよね?


凌にそんな人居たのに気付かないなんて…。



『亜美!お待たせ…』


小走りで駆け寄る砂耶。


『大丈夫。今、着いた所。』


今日は砂耶のお願い?で男の人と逢う事になってる。

まだ、気分的には厳しいんだけど…


砂耶の《前向き》に行かないと!!


って言葉に促されちゃった。最近の私を心配してくれたんだろうけど…。


『どんな人なの?』


私を知ってる人…って聞いたけど?


『あぁ〜一度会ってるよ♪♪』


ふ〜ん…。


『あっ!!居た。あの人よ!!!』



佐藤さん??


一度だけ行ったコンパに居た人。


『そうよ!!亜美の事気にいってたの!!』


砂耶さん…そんなに力説しないで


『ほら!!さっさと行く!!後は自分で頑張って♪♪』


ポンッ。


押さないでよ…薄情者!


砂耶を睨み、一人彼の方へ歩く。


『こんばんは…』


緊張…


『こんばんは!!今日はゴメンね。』


本当に良い人だなぁ…。前もそう思ったけど…。


『いえ!前回は助けてもらって…ありがとうございました。』


『大丈夫だったの?』


あの時…凌が助けてくれたっけ。


『亜美ちゃん?』


『あっ…すみません。ぼーっとしちゃって。』


また凌の事考えちゃった。ダメね…私。これで前向きになれるのかなぁ…。


『腹減ったし、食事でもする?』


佐藤さんの問い掛けに元気よく頷いた。




食事は美味しいイタリアン。


少しだけワインを飲んじゃって、ほろ酔い気分♪♪♪


そして二人で恋愛についての話題。


『毎日逢うと飽き無い?少し時間開ける方が新鮮な気持ちになれるじゃない。』


佐藤さんとの恋愛感の違いに驚く。


私は凌とほぼ毎日会ってたけど…飽きた事ない。まぁ…ムカつく事はあったけど…。

佐藤さんの考え方って大人の考えなのかなぁ…?


『まぁ〜この話は終わりにして…この後、時間ある?いい店あるんだ!』


明日休みだし…行っちゃいますか!!




佐藤さんに連れられ行きつけのBarに到着!!


暗めの店内でジャズとか流れてる。


『良い雰囲気ですね!』


こんな所には縁無かったから、すごい新鮮!!!


『最近、よく来るんだ。』


二人でカウンターに座る。


へぇ…。やっぱり大人だなぁ〜。


一人感心。


『あれ?今日は作る人、違うんだね。』


佐藤さんはカウンターでお酒を作ってる人に話かけてる。


『あぁ…少し遅れてるみたいですね。』


バーテンさんは静かに答えた。


『亜美ちゃん。いつもの子カッコ良いんだよ!!』


微笑んで一口お酒を含んだ。


『そうなんですか…。』


カッコ良いのは…


もう嫌!


平凡が一番。


でも…考え込む自分が一番嫌!!


『亜美ちゃん?次は何飲む?』


また…私、別世界に行ってたみたい。


でも?お酒ってこんなに美味しかった?


日頃、飲まないけど!


何かいい気分♪♪


嫌な事とかも忘れられそう…。


『同じ物で!!』


ピンク色の甘目のカクテルが気にいった私。


『少しペース落とさないと、後にくるからね?』


もぅ…佐藤さんも心配性なんだから。


『大丈夫です♪♪』


と言ったけど…


あれ?


何か…目が?


霞んでる…?


下を向く私。


酔っちゃったのかな…。


『こんばんは…』


ん…?



『こんばんは。今日は今から?』



バーテンさん代わったみたい。


二人で話してる。


私は眠い…。


頭が起き上がら無いし。やっぱり帰った方が良いかな…


『佐藤さん…お連れの方、大丈夫ですか?』


バーテンさんの心配そうな声。私の事?


『大丈夫ですよ♪♪』


下を向いてた私は頭をゆっくり上げた。


『…あ…亜美!!!』


目の前に凌が見えるんだけど…。


目を擦って見る。


凌が居るわけ無いじゃない!!


私って救いようの無いバカ?!


凌が見えるなんて…


酔っ払い?


これは…飲まないと!!私、幻覚が見えるなんて…


病気だわ…


『佐藤さん…お酒はまだですかぁ?』


お酒を催促する。困惑顔の佐藤さんを横目に止まらない私。


『亜美ちゃん…少し酔い冷ました方が…』


もぅ…心配しすぎ。


『だい…じょ…』


『いい加減にしろよ…亜美!』


ビクッ!!!


この声…


やっぱり…


『りょ…う?』


『ちょっと来い…』


カウンターから出て来た凌は私を抱き抱えるように外に連れ出す。


何でここに居るの…。


本物?


思考回路…私可笑しくなってる?


私は店の外に連れ出された。


真っ直ぐ見つめる凌の目が恥ずかしくて見れない…。


『亜美…お前飲めないだろ?』


怒ってた声が心配そうな声に変化する。


その声は私の中で何かを弾け飛ばした。



『…じゃない』


今さら何よ…


『亜美?何?』


『凌には関係ないじゃない!!!』


そう言って、抱き抱えられてた凌の胸を突き飛ばした。


本当はこんな事を言いたかったんじゃない…。


でも…お酒の力?口が止まってくれない…。


『私がどうなろうと…。今さら心配しないでよ!!!』


彼女居るくせに…


私の前から居なくなったくせに…


心の中も目もグルグル回る。


『ゴメン…』


やっぱり謝るんだ…。


『話しはそれだけよ。じゃあ…佐藤さんが待ってるから』


凌に背を向けた。


フワッ…


『…!!!』


『嫌だ…』


抱きしめ…られてる?!


『ゴメン…佐藤さんには悪いけど、もう限界。』


耳元で響く甘い声。


『げ…ん…かい?』


抱きしめられた腕の中で聞き返す。


『そう…逢いたかった。』


逢いたかった??


『そんな事言わないで!!彼女が居るじゃない。』


凌の顔を見上げ一番聞きたかった事を聞く。


『居ないよ…』


微笑ながら呟く。



『でもっ!ん…っ』


優しいキス…。


始めは啄む(ついば)ように…。そして深く…。巧みに私の口内を荒らされ、頭の中が真っ白になる。


通り過ぎる人達の視線を感じ…


『凌…みんなが見てる』


少し唇を外し伝える私。


『いいよ…見てもらおう。』


『でも…』


『亜美…黙って』


そしてまた深いキス…。


『凌…苦しいよ』


また唇を離し


ふぅ…。一息。


私慣れて無いんだから…。


『ダメ…』


そして、また私にキスの雨。


『うっ…ん』


言葉にならない私の声。


恥ずかしい///


チュッ


最後に軽くキス。


『亜美…マジ可愛い。』


強く抱きしめる。


『もう…凌!ヤラしい…』


酔いも冷めるよ!!!


『今頃、気付いた?』


////…。私は無言。


『顔、真っ赤!!』


覗き込まないで!!


『亜美…』


急に凌が真剣な顔になり


『なに…?』


私も真剣に答えた。


そして、凌は強く私を抱きしめ


『ずっと…好きだった。二度と離れたくない…。』


一言呟く。


そして…


『私も絶対に離れない…』


そう呟いて、彼の胸に顔を埋めた。

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