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貴方の隣  作者: 夕月綾乃
10/12

第10話⇔凌SIDE 俺の独り立ち。

何を話せば良いかなぁ…。

やっぱり!!ここはドンっと男らしく…告るか!!


それにしても…よく我慢したよ。キスだけで…


だってさぁ…気持ちも伝えて無いのに、抱くのもね?


今までだって我慢したんだから少しくらいゆっくりでも悪くないだろ?


キスした感じから言って…亜美も俺と同じ気持ちだと思う!!


《両思い!!!!》


本当に好きな子と気持ちが同じって…


《最高に幸せ!!!》


車の窓から叫びたいくらいだよ!!!!


亜美も黙ってる。


でも…イヤな沈黙じゃないから。


きっと亜美も次の言葉を考えてるんだろう。


考えてるうちに…岩田家に到着!!!


車を横付けし、亜美の顔を見る。


よし!!!言うぞ。


本当に長かった…


『亜美!』 『凌!』


言葉が重なる。


『亜美から言って?』


優しい声で彼女を優先。


その間にカッコ良い言葉を考える。


『あの…ね?』


ヤバい…この雰囲気。先に言われるのか?!

優先するんじゃなかった…。

まぁ…亜美に頑張ってもらうか?


(…♪♪♪♪♪)


はぁ?こんな時に携帯かよ!!


焦るな凌…。少し待てば幸せが俺の物!!!


『出たら?』


よし!!(家宝は寝て待て!)って言うし…


『智くん?』


何!!!智?


朝に二人一緒はまだヤバい!!!告っても無いし…


後から話したい…。


彼女に伝えた。


おっ?分かってもらえたみたい…。


黙ってる亜美?


智が話してるみたいだけど俺には聞こえ無い。


あいつ何話してんだ?


亜美の表情が変わってる??


あれ…?


『切るね…。』


亜美は電話を切ったけど…顔が強張ってる。


『気分悪いから』


そう言って早々に車を降りた。


俺の呼びかけにも答えず…


あんなに良い雰囲気だったのに?


家に着いた俺はソファーに座った。


落ち着こう…


どう考えても亜美の態度は変だった。


智の電話の後、急に…


智…。何か話したのか?


すごい気になる…。

絶対に良い雰囲気だったはずなのに。


智に聞くか…


携帯を取り出す。昨日、亜美を迎えに行ってから携帯は切ったままだった。

連絡とれなくて亜美に電話したんだろう。


『もしもし…智?』


『おぅ!お前何してたんだよ!!』


智の声に謝るしかない…。

昨日は何とか乗り切ってくれたらしい。


ありがとう智!!!


でも…


『あっ!さっき亜美ちゃんと話したよ。連絡とれなかったから…』


そう!俺は1番その話が聞きたい。


『そっか〜。で?何話した?』


俺はその時まで簡単に考えてたんだ。


『話?昨日の事だよ。優子さんの両親と食事したってやつ。』


それだ!!!


『お前!それ、頼まれたって事言ったか?!』


『いや…始めは冗談のつもりだったからさぁ…本当の事言おうとしたら切られたんだよ。』


マジかよ…


絶対にそれだ…。


だから電話の後、おかしくなったんだ…。


『お前達、何やってんの?』


暢気に言うな!


『また後でかけるよ!!』


『おい…』



ブチッ…


智…俺の幸せを壊したな。


(あなたのおかけに…)


亜美への電話は繋がらない。


会いに行こう!!


誤解を解かないと…




『おばさん!!亜美は!?』


玄関を開けるなり叫んだ。驚いた顔で出て来るおばさん。


『亜美なら泊まりに行くって出たわよ。朝帰って来たのに…。』


さっき帰ったのに?!


まぁ…明日も休みだろうけど。


何処に行ったのか、おばさんも知らないみたいだし…。


天国から地獄に落とされた。

俺、どうしたら良いんだ?!

さっきまで腕の中に居た亜美の温もりは消えようとしていた。




『一ヶ月かよ…』


今日もバイト中…。


智にはあの後話した。

あれから智は謝ってばっかり…。

智のせいでは無いよ。話しをしてなかった俺が悪い。


『亜美ちゃん連絡まだ取れない?』


あの日以来、着信拒否。家にも帰ってこない…

会社まで行ったけど、中には入れなかった。


『あぁ…』


静かに答えた。


『俺も電話したけど…』


出てくれなかったらしい。


『本当にゴメンな…。』


謝る智に肩を叩く。もう良いよ…。って意味。


『仕事するぞ!智オーダーは?』


『あぁ…』


そう言ってお客さんの所へ。


見届けて溜息をついた。


『大きい溜息ね?』


ん…?


『優子さん…』


あの後、謝って全部話はした。


『まだ彼女連絡取れないの?』


心配そうな彼女。


すみません…まだです。


『時間が解決してくれたら良いわね…。』


優子さんは静かに微笑んだ。


俺自身もそう願いたい。


『凌くん…。今日はビジネスの話に来たの!』


ビジネス?


『うちが来月出すアクセサリーの男性モデルをしてもらえないかしら?』


軽い感じで…。


とも付け加えた。


『少しは気が紛れると思うけど?』


そうだよな…。


今の俺の姿は…亜美に見せられない。


精神的にも弱ってて情けない顔。


亜美が居ない事がこんなに苦しいとは思わなかった。


毎日苦しくて…


苦しくて…


苦しくて…


『大人になりなさい…。』


優子さんの言葉は胸に響きそして決めた。


『宜しくお願いします…』


精神的に強くなって、亜美にもう一度話しに行く。


そう心に決めた。



『引越しまでするのか?』


智の疑問の声。


『あぁ…』


段ボールを空け中身を出す。


『店の2階借りて悪いな…』


謝る俺。俺は店の2階を借りて住む事にした。

自分の家は親のもんだし、そのまま。

俺だけの引越し。


『いつまで使って良いけどさぁ〜。』


智の言いたい事は分かる。

自宅に居れば亜美に会えるかも知れない。

だけど…俺も少し離れないと強くなれない。

それに待つより行動を興せるようにカッコいい俺で居たい…。

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