第4話 手を尽くす
シュタインズ・ゲートぱねぇ。神だー!
森に行った日から6年が過ぎようとしていた。
―――――――――――
俺は、15歳になりあれから何度もみんなに内緒で森で狩りをしていたせいか
今では、森にいるほとんどの魔物を倒せるようになった。
いかに楽に効率よく倒せるかを考えていたらいつの間にかかなりの数を討伐していたのだ。
だいぶ、力を付けてきたことに我ながらにうれしい。今なら姉とタイマン張ってもかなりいい勝負ができる。
姉や、家族より上を目指すために今まで頑張ってきたことが実につながっていることに気が付くと夢中だった。
そして、姉や、母のように身体力がハイスペックではないので他のほうで攻めようと考え、蔵書に篭っていた……。
「う~ん、これも微妙だな……こんなもんじゃ母さんの妖気なら簡単に弾けるし………だからといってあんまり複雑なのだと放つのに時間がかかるからなぁ」
と、ぶつぶつ呟きながら、あちこちひっぱりだしては、読みふける。
はたから見たらあぶないやつである。……と余計なことは置いといて、
「他にないかな………。」
と様子を調べてみると奥に1か所だけ隙間が空いている場所を発見した。
おそるおそる周りの様子を見てみると隙間の奥にボタンらしきものがある。つい、押してみると
「ゴゴゴゴゴゴゴッ」とボタンを押した本棚が横にずれ隠し扉があった。
♢ ♢ ♢ ♢
中にあったのは、日記のようなもの1冊しかなかったが、中身を読んで驚いた。
中身全部が鬼頭家の型である陽の反対、陰と禁術なのだ。内心どきどきなのを抑えてすかさず懐に入れ
自分の部屋へ持ち帰る。
これは、慎重に慎重を重ねた方がいいと思って今まで夜やっていた狩りをやめ
この本を読むことに専念した。
まず、やめて本を元に戻すつもりが毛頭なかった俺は、
その日から毎晩陰の型を何回も練習し、禁術の仕組みの理解について勉強した。
日中は、姉や、弟が訪ねてきて
「一緒に、稽古しましょ~?」
って誘ってきたので、もちろん弟の誘いを断るはずがないので
行くが、用事がないときは、ずっと自分の部屋に引きこもって解析に取り組んだのだ。
そして、数週間後ようやく1つの禁術を覚えることができた。
♢ ♢ ♢ ♢
名称は「身体強化(禁ver永久)」
これは、普通に妖気を体に纏わせるのを極限まで上げた状態である。
俺ら鬼頭家の人体に構成されている妖気を生み出す丹に別からの濃い妖気を与えることで
圧力をかけ妖気の噴出量を上げるのだ。
これは、数回やっていれば妖気が底から上がり使わなくても済むようになるが、もちろん禁術なだけあって危険もある。
体に無理をさせていることから、早死にの可能性も浮かび上がってくるし、術に失敗すると体を壊す可能性が大だからだ。
だが、俺はこの賭けに乗ろうと考えていた。
今のままじゃ微々たる成長しか望めない………。
ここで、躓いていたらここから先進めないだろう!
と自分に激を入れ今まで自分で貯めていた妖気の結晶を口に含んだ。
「ガリッ…………うぐっ」
心臓からちょうど真下が焼けるように熱い。
立っていることもままならなくなってうつ伏せになってしまった。
♢ ♢ ♢ ♢
数刻立ち……ようやく息が整ってきた。必死に唇を噛んだせいで口内が血だらけだ。だが、そのおかげで気を失わずに済んだから行幸だろう。こういうのは、意志を強く持ってないとやられるものだから。
おもむろに、生まれたばかりのような馬のようにプルプル膝を震わせながら立つ俺。今の俺を見タラ…イヤ、気にするな………
余計な考えは、俺の昔からの癖なのでなかなか治しがたい。
必死に体外からの拒絶反応を受け入れ、軽く力を入れてみたら
ボンッ――――――
「…………………………………っえ?」
なんと、妖気が白いオーラみたいになって発現したのだ。
どうやら、一定の基準を超えて放出するとこういう現象が起きるようだ。
軽く、見積もっても数倍は上がっている自分の力に驚いた。
けれど、これで酔っているようだとそれで終わりだ……と自分に言い聞かせ、次の目標を新たに定める。打倒母さんだ!!
ただ、この分だと妖気の方は十分だろうからこれっきりにした。
禁術は、ハイリスクハイリターンな分返ってきたときには大きいが
万が一を頭の隅で考えていたせいか緊張していたらしい。今日はいつもより早いが泥のように眠り込んでしまったのであった。