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高鳴りといえば、わたしの髪型について詳しくお話しましょう。わたしのモチベーションに髪型は切っても切り離せないところにあるのですから……もうまもなくあなたから見て左半顔が消えてしまいそうなのです。その前に、話し切れるといいのですが。
わたしにとって、ツインテールは魔法の契約です。バカにされるかもしれませんが、わたしにとっては本気です。可愛くなろうという意思の表れ。ツインテールをしているということは、少なからず可愛さへの執着があるというわけだとわたしは思うのです。ですからそれがまもなく片方消え失せるのはかなり残念なことではあるのですが、もう仕方の無いことだと受け入れざるを得ません。わたしが殺しと死を確信したあの時と、同じような気持ちが蘇ってきました。そのくらい、わたしにとってこの髪型は大事なものなのです……だから、お願いします。どうか、どうか消えないで。消えたくない。あの時だって、本当はそう思ってた。その気持ちでさえも、また再放送させる気なのですか!
――ピコン
ああ、ああ……ああ、ああ!やっぱり、ダメだと言うのですね!あの時と、やはり、同じだ!わたしを陥れるための状況って、いつだって滑稽だ!しかも今回はあなたという傍観者がいる!余計に惨めな気持ちになる!このように、羞恥を大声で誤魔化さないといけなくなる!…………………………少し、落ち着きました。なぜ、こんなにも取り乱してしまうのでしょう。原因は、ありました。過去にトラウマがまだあったのです。今思うと友達とも言えない関係のヒトにひとりは嫌だと縋って生きていた頃……からかい、いじりの範疇だと言って左のツインテールを突然解かれたことがあったんです。それがフラッシュバックしてしまって……取り乱してしまいました。やはり、屑というのは最低ですね。わたしに死してなおも傷をつけてくるのですから……!もう大丈夫なのに。もうあいつはいないのに。あなたも、こういう思いをしたことってありませんか。もしあるのなら……あなたは悪くないですよ。悪いのはいつだって悪人の方なのだから…………って、わたしは、わたしに言って欲しかった。誰からもそんなこと言われなかった!ひとりでただ、泣いていただけ……もう、涙も出ない。片目もない。こんな、わたしなんですけれど、あなたって本当に優しいんですね。見てくれてるってだけで、わたし、こんなにも嬉しいんですよ。でも、もうすぐ、終わってしまうね。




