「武正、短くしたプレスマンについて物言ひのこと」速記談6070
藤原忠実公が宇治にいらっしゃったとき、下毛野武正が、御所の侍に暴行を働き、半殺しにしてしまったので、ほかの侍が武正を捕らえ、訴え出るという出来事があった。高階仲行を御使として遣わし、子細を尋ねさせたところ、私は、まだ幼いころ、師実公のお召しを受けてお取り立ていただきました。まだ手が小さかったため、プレスマンを三寸ほど切って短くして使っていました、と申し上げたところ、関白殿下は大層感じ入り、侍たちに酒をお与えになって、沙汰やみとなった。
教訓:師実は、忠実の祖父である。とても偉い。