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EP50

無事(サタンを除いてだが)テストを終え俺達学生は夏休みに突入した。

夏休み初日俺が一番初めに向かった先は心宅だった。

インターホンを鳴らすとインターホン越にマナの声が聞こえてきた。

「はーいどちら様・・・って圭吾様じゃないですか!大変!今すぐ心様をお呼びしなきゃ!」

声が聞こえたと思ったらドタバタと大きな足音がインターホンから遠ざかって行ってしまった。


突然訪ねた側が言うのは少々図々しいかもしれないが、

この炎天下だ。心を呼ぶよりも先に室内に居れてはくれないだろうか・・・。


ーーーーー


無事その後心から歓迎の元家に招き入れて貰えた。

「お兄ちゃん、久しぶり!それにしても今日はどうしたの?」

「あぁ、実は今度皆で海に行こうと思っててさ。今の心だと流石に人で溢れる

海水浴場に連れて行くのは危ないと思うからせめて何か欲しいお土産とか聞いておこうかなって思って。

何がいい?海らしい星の砂とかどうかな」


「えー・・・皆、お兄ちゃんと海行けていいなー」

海に行くと聞いて心は普段の大人びた印象とは年相応の反応で頬を膨らませた。

「いや俺自身、心を連れて行けるなら連れて行きたいんだけど。

ただ、色々と難しいだろう?」

「大丈夫だよ!ケルベロスの三人もずっと付いていてくれるし」

「そうですよ圭吾様!ご主人のは私たちが穴が開くほど見ておきますから!

それに圭吾様たちだけ海だなんてズルい・・・じゃなくて心様が可哀想です!」

ん?マナ今途中で何か言いかけてなかったか。


「そ、そそそそそうですよ!心様も私も海にい、行き!行きたいです!」

ラトに至ってはもう自分の意思が介入してきてるじゃん。


「・・・二人が言う通りです。圭吾様。

もし、心様を連れて行くのが危ないと言うなら。

せめて・・・この私だけでもご一緒させてはいただけないでしょうか」

レフに至っては主に仕える者としてダメだろそれ!


「てか、さっきから三人とも単に自分が海に行きたいだけだよね?」

「い、いえ・・・」「んなことあるわけないじゃん」「そ、そそそっそ!そんなことはぁ・・・」

やはり、ケルベロスとはいえ所詮犬なんだな。

海というワードを聞いてからケルベロス三姉妹の尻尾が、

千切れてしまいそうな程ブンブンと暴れまくっている。


「三人がいるとは言え、やっぱり人ごみに心を連れて行くのは・・・」

「ならさ、お兄ちゃん。私たち以外に人が居ない海水浴場があれば一緒に行ってもいい?」

「え・・・まぁ、そんな所が本当にあればいいけど。

それに、まだ最終的にどこの海にするかは決めてないし」

俺がそういうと心は小悪魔みたいにニヤリと笑った。


「じゃあ、決まりだね。お兄ちゃんたちと私たちの行く先の海」

「それって、どういう・・・といかそんな場所あるわけ無い」

「あるよ。私のお父さんとお母さんが持ってるプライベートビーチ!」


ーーーーー


夏休みも半ばに差しかかり夏休みの中で皆それぞれ夏休みらしい青春を謳歌している中。

俺達も夏を代表する場所に来ていた。

ただ、唯一普通と違うところがあった。それは、


「ほぉ・・・これは凄いねぇ。一体この広さいくらするのだろうか?キシシ!」

「圭吾貴方、凄い知り合いが居たのね」

「え、私とお兄ちゃんはただの知り合いじゃないよ!ミカエルお姉ちゃん」

「あ、あらそうなの?じゃあ心ちゃんと圭吾の関係性って?」

「私はお兄ちゃんの妹だよ!」

「・・・圭吾貴方、こんな幼い子になんて教育に悪いことを。そこに座りなさい。

私が介錯を任されてあげるわ」

海に来て早々ミカエルは自慢の槍を手に取り俺へ厳しい視線と共に向けて来た。

さすがのこの綺麗な砂浜を俺の血で汚すわけにはいかないので必死に話を逸らす。


「そ、そんなことよりミカエルお前その水着凄い似合ってるよ」

「ん、あらそう・・・まぁ、貴方の好みだろうと思って選んだのだから当然よ」

少しでも話を逸らせればと思って振った話題だったが。

普段よりも圧倒的に少ない自身の着ている装飾の布面積の少なさも相まって

ミカエルは柄にもなく照れてそっぽを向いてしまった。


そんな空気を察したのか俺は傍に居た心から足を蹴られた。

心よ、もしかしてもう反抗期なのか・・・?

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