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EP38

結局色々とあったが(ラト絡み)一先ずは心による三人への名づけが終わった。

その後夜も遅くなってきたのでその日は解散することになった。

「お兄ちゃん、また来てね絶対だよ?」

「あぁ、分かってる」

「それと、さっきのお兄ちゃんからのハグはノーカンだからし、私はまだあきらめてないからね。

いつかお兄ちゃんに私を一番愛してるって言葉でも態度でも示させるんだから」

まだ、その話忘れてなかったのか・・・。


「でも、それとは別でさっきはありがとう。

ガラスから私を守ってくれて、あれはあれで物凄く嬉しかったし。

お兄ちゃんが私のことを大切に想ってくれてるのが伝わったよ」

「むしろ、いきなり抱き着いてしまって申し訳ないと思ってたからそう言ってくれて良かったよ」

「え、そうだったの?そんなこと本当に気にしなくていいのに、なんだったら今していいくらい。ほら」

まんざらでもないと言うと心は両腕を開いた。

「い、いや仕方ない状況下ならともかく今は・・・」

「だったらご主人私が!」


俺が躊躇っていると代わりにとマナが心に抱き着き頬をスリスリとし始めた。

人型の姿を見ている時間の方が長いから忘れてたけどそういえば犬だったなこの子も他二人も。

「きゃ、マナったら。もぅ~」

「それじゃあ、近々また来るから心お三方と仲良くするんだぞ」

「あっ、お兄ちゃん待って!絶対だからね!絶対またすぐに来てね!」

心の見せた年相応の元気な別れの挨拶に笑顔で手を振り返しその日はお開きとなった。


ーーーーー


それからしばらくしたある日休日に俺とサタンは家でゆっくりしていた。

授業態度が比較的真面目な俺は休日の間に脳を休ませなきゃいけないからな。

そんな安息の時間の中「ピンポーン」とインターホンの音が聞こえた。

それすなわち何者かの訪問を意味する。宅配を頼んだ覚えはない。

チラっとソファーにくつろぎテレビを見ているサタンに目を向ける。

「・・・え?な、なんだよオレじゃないぞ」

となるとセールスか宗教の勧誘だな。俺はスルーを決め込むことにした。


ピンポーン・・・ピンポーン・・・ピンピンピンポーン


(一体なんなんだよ)

こっちの気も知らないのかドアの向こうの人物はしつこくインターホンを鳴らし続けていた。

ほら、今も。


ピンポーピンッピンッピピピピンポーンピピピピピピンピンポーン!


(インターホンでリズムを取るな!近所迷惑だろうが!)

え、何。外に居るのはDJを生業にされてる方なの?

スクラッチするのと同じ感覚でインターホンを鳴らし続けてるの?


どのみちめんどくさそうだがこれ以上インターホンを鳴らされた結果、

俺の元に苦情が来ても嫌だし重い腰を上げて出ることにした。

もし、外に居る奴が殴っても良さそうな奴だとしたらその頭を木魚の様に叩いてやろう。


ピンポーンピンポーンピンポーン

「はい、はーい、今出まーす」

ドアを開けると訪問者の正体は、

心の家で今は従者をしているケルベロスの右首ラトだった。

以前心宅で見た人間の姿に本格的な物とは程遠いまるでド〇キホーテのコスプレグッズ売り場で

売ってそうなヨレヨレのメイド服を着ていた。


「おっおおおお久ぶりですぅ。けけけけけっ!圭吾様ァ!」

取り合えず来訪者の正体がわかったので、

その頭に一発心地の良い音が鳴る程の勢いでげんこつをかました。

「ぬぇ!?い、痛いじゃないですか。け、圭吾様ぁ」

いきなり殴られたラトは「もぉ~」みたいな感じで頭に両手を当て、

殴られた箇所を労わるように撫でていた。


「・・・殴っといてなんだけど、いきなり殴られたのに動揺しないんだな」

流石というか、やはり元がケルベロスだけあって普通とは違い耐性だったり慣れがあるのだろうか。

「あぁ、それはですね。元居たお店がハードなプレイがOKなお店だったので、

デリバリーにホテルの部屋に入ったらすぐに殴ってくるお客様とか、

急に無理矢理咥えさせるみたいなことがあったので私からしたら慣れたモノですよ」

あ、全然ケルベロスだからとかじゃなかったわ。


「言いたいことは色々とあるけど取り合えず中に入ってくれ。

その格好のまま玄関先に立たれてると、近所の人間に何を思われるか分かったもんじゃないからな。

それこそデリバリーを頼んだと思われる」

「はっ!はひぃ!わたっ私しラトは、いっ今すぐに圭吾様に自宅へ連れ込まれます!」

「そ、その言い方はやめろ!」

これ以上外で変な事を言われ続けたら非常に困るので、ラトの腕を引っ張り

それこそ連れ込むような形で自宅に招き急ぎでドアを閉めた。

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