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EP36

「う・・・うぅん・・・ハッ!?ここは、私の家。

そうだ、私あの後お兄ちゃんに、は、ハグをされて倒れて・・・。

てことは今、私が頭を敷いてるこの膝はお兄ちゃんの膝枕!?」

「残念オレだ、ガキ」

「ちょわッー!?」


ーーーーー


催したので心宅のお手洗いを借り戻ると同時にリビングから悲鳴が聞こえた。

前もってサタンには面倒ごとを起こさぬようにと口酸っぱく伝えてから

リビングを離れたのに、これでは意味がまるでないじゃないか。


リビングへと急いで戻ると広い豪邸の室内でサタンが心を執拗に追いかけまわしていた。

「おい、オレの膝の上から逃げるな!」

「こ、こないでっ!」

「ガキ大人しく俺に甘やかされろ!」

泣きそうな顔で室内を全速力で逃げ回る心と手をワキワキとさせ笑顔で追いかけるサタンを見て

取り合えずは大丈夫だなと感じ俺は腰を下ろした。

「お兄ちゃんゆっくりくつろいでないで助けてよ!?」

「でも、心家に入れてくれた時自分の実家の様にくつろいでいいって言ってくれたじゃないか」

「時と場合もあるでしょう!?今この状況の中くつろげるのは色々と違うと思うけど!!!」

「ッ!隙ありー!」

一瞬逃げること以外に気を向けた心が減速しその一瞬を突いたサタンに捕まってしまった。


「きゃっ」

「おらおら、オマエちんちくりんで持ち帰りしたくなるほど可愛いなー!」

「やめてください~」

「やめないぞ?悪魔だからな!いっぱい撫でて愛でてやる!」

悲鳴を聞いた時は何事かとも思ったが現状は微笑ましいだけのことだ。

恐らくサタンからしたら心は小動物みたいなものなんだろう。

「あっ、そんなところまで撫でちゃ、やだぁ・・・。汚いですよ・・・」

「おい、サタンてめぇこの野郎人の妹に何てことしてんだぁ!!!」

「エ?何でだ?人間の女は”ココ”撫でられると気持ちよくて喜ぶんだろ?」

「そうだけど違う、それは悦ぶ方だ」


「えー、それならこのガキがもっと喜ぶ面白いモノを見せてやろう」

サタンが空に禍々しく光る魔法陣を描き終えるとその魔法陣から首が三つある子犬が飛び出した。

それれぞれの顔についている牙が見える口から「・・・わん」「ワン!」「わ、わぅ~ん・・・」

計三回の個性溢れる鳴き声で挨拶をしてくれた。

「コイツは三つの首を持つのが特徴的な魔界の生き物ケルベロスだ」

「その名前や姿を聞いたりイラストで見た事はあったけど、現物は随分とちんまりとしてるな」

「ガキはペットが好きだって聞いたからな、ピッタリだろ?」

まぁ、確かにピッタリかもしれない。実際心はというと・・・。

「ほわぁぁあああ!か、可愛い・・・。ね、ねぇこれ撫でていいの?えぇ、と・・・」

「サタンだ」

「この子撫でてもいい?サタンお姉ちゃん」

「撫でてもいいし、何ならソイツらをオマエにやるよ」

「か、飼ってもいいの!?」

ついさっきまでハイライトが消えていた瞳とは思えないほど心の瞳は歳相応の子供の様に輝いていた。


「あ、でも。私今お母さんとお父さんが居なくて、家留守にすることが多いから飼えない・・・うぅ」

確かに、ペットを飼う上で付きまとう問題の一つだな。

それにケルベロスを犬にカテゴライズしていいのなら散歩問題も出てくる。

心のような小さい子供が毎日十分な距離を散歩に連れて行くことなんて出来ないはずだし。

だが、心の悲しそうな声を聞いたサタンは残念がるどころかニンマリと笑い

「チッチッチ」と言いながら指を振った。

「それについては問題要らないぞ、ガキ。おい、オマエらもう一つの姿を見てやれ」

サタンが足元に居るケルベロスに投げかけると、

ケルベロスは大きくジャンプしクルンと宙で器用に回った。

すると一瞬の内に形が変わり始めいつの間にか目の前には三人の女性が姿を現していた。


「な、サタンこれって・・・」

「あぁ、コイツらは姿を自由自在に変えられるし面倒な世話は自分たちでこなせるから問題はないぜ。

ほら、その姿でガキに挨拶してやってくれ今日からオマエたちのご主人様になる人間だぞ」

サタンがそう言うと位置的に左の首の子から挨拶をし始めた。

「・・・じゃ、そういうことみたいだから。よろしく」

一人目は素っ気ない態度であまり心と目を合わせず簡素的に挨拶を済ませた。

ただ、その子のお尻の上あたりに付いている尻尾は物凄い勢いでブンブンと振り回っており。

尻尾もピコピコさせていた。様子を見る限り別に悪い子じゃないみたいだ。


「オッス!ご主人様ー!これからあたしたちの事よろしくなっ!」

二人目の子は態度も尻尾の動きからも分かりやすいぐらい読み取れた。

一人目の子ほどではないとはいえ派手に尻尾と耳を動かしニッコリ笑い

頭の位置で敬礼のポーズを取っていた。

その姿はまるで一日署長をするアイドルの様なそんな可愛らしい敬礼だった。

「・・・」


(あれ?)

流れ的に三番目の子が挨拶をするはずだと思っていたがピッタと止まった。

「・・・あなた、早く挨拶しなさいよ。失礼でしょう」

一人目の子が苛立ちを表情と言葉に表しながら最後三番目の子を睨みつけた。

「ひぃっ・・・う、うぅ・・・こわい・・・」

「ま、まあまあ。落ち着いて、皆それぞれに自分のペースっていうモノがあるんだからさ。

だから待ってあげようよ。でも、ご主人様に当たる人に挨拶をしないのは確かに失礼になっちゃうね」

「うぅ・・・よ、よろ・・・よろしく、おねがっ・・・」

怯えているのかなかなか言葉に出来ていない様子だった。

「・・・よろしく、よろしく・・・よろしくおねがいしま・・・せん・・・」

「しないのかよ!?」

いや、おかしいだろこの流れ的に。


「だ、だって・・・人間みたいな下等で下劣な存在に屈したくないんですよ。うぅ・・・」

気の弱い子だと思ってたらトンデモない人格破綻者だった!?


「あなた、なんてことを言っているの?

これ以上ご主人様をガッカリさせるようなことをするつもりなら、

同じ首の仲間だとしても嚙み殺すわよ?ガルルルル・・・」

「う、嘘です!嘘ですっ!!!よ、よろしくお願いしま・・・す。はい・・・」


一人目の子に睨まれ唸られた結果、その場で座り込み耳を両手で隠しながら

さっきの発言を勢いよく否定しながらやっと挨拶を済ませた。

だが尻尾は隠しきれておらず。飛び出している尻尾はとんでもなくブルブルと震えていた。

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