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EP3

「圭吾さん、放課後ちょっとよろしいでしょうか?」

境内さん呼び止められたのは

二時限目後の小休憩の時だった。

クラス全体の自己紹介が終わり。

それぞれ仲良くなれそうなクラスメイトや、

気になる人へ話を掛けに教室中で

皆が動き回っていた。


当然境内さんほどの美少女ならクラスの男子から

早速アプローチを仕掛けられていたはずだが。

それらを交わしお手洗いの為に

教室を出た俺の元にわざわざ来たらしい。

当然腫れ切った膀胱を緩める事しか考えてなかった

俺は油断しきっていていたので特別要件も

聞かずに了承してしまった。


「え、あ、ああ勿論大丈夫だよ?」

境内さんは俺の返事に深く礼をし感謝をした。

「ありがとうございます。では放課後に・・・」

境内さんは待ち合わせ場所として

指定の空き教室を伝えると、

「それでは、お待ちしてますね。

・・・絶対に来てくださいね?」

と、恥ずかしそうに

(俺のフィルターを通してからだが)

足早に去っていった。


-----


「あ~・・・やっと学校終わったか。

面白そうと思って来てみたけど結構つまんないんだな。お前んち帰ろうぜケイゴ」

「スマン、家の鍵渡すから先に帰っててくれ」

「え?なんでだよ」

「・・・耳貸せ。実はなさっき境内さんに「放課後二人っきりで話がしたい」って言われたんだ」

「へぇ、あの女”あんなん”なのに結構大胆なことするじゃんか。それも学校でなんて」

「そう思うよな。俺も正直びっくりした。だから悪いんだけど一人で下校してくれないか」

「なるほど事情は把握した。

了解、面白そうだから頑張れよ!」


そうしてサタンには先に帰ってもらうことになった。

しかしアイツ悪魔なのに俺の恋路の展開に期待して応援までしてくれるなんて、

実は悪魔って結構いい奴なんじゃ?でも、もしそうなるとしたら悪魔の反対の天使は?


ーーーーー


(手汗ヤバいな。口乾いて口臭臭くないよな?)

緊張してきて普段よりも過敏に身の回りが気になってきてしまう。

一人約束場所の、普段生徒や教師すら立ち寄らない空き教室でソワソワと立っていると。

コツコツと遠くから一つの足音が聞こえてきた。

その音が近づいてくるのに比例して俺の心拍が上がっていく、そして、


「あれ、圭吾くんもう来てたんだ。待たせちゃったかな?ごめんなさい」

「い、いや!俺が勝手に早く来すぎちゃっただけだから気にしないで」

「ホント?圭吾くん優しいんだね。ありがとう」

「「・・・」」

沈黙が流れる。けどとても心地が良いというか、

境内さんと二人っきりの空間でならもっと続いても苦に感じない。

「ご、ごめんね私が呼び出したのに話を切り出せなくて」

「全然ッ!大丈夫だから言い出せる雰囲気になったらでいいよ」


境内さんは教室に入ってからというもの、

顔を真っ赤にしながら足をパタパタ手をソワソワと

させ落ち着きが一切ない。

これはもう告白に決まっている。

境内さんは俺に告白をするためにこんな人が

寄り付かない空き教室に呼び出したんだ。

それ以外にこんな所に呼び出す理由なんて

ないだろう。


再び沈黙が流れた後境内さんと口を開いた。

「やっぱり恥ずかしくて言えないから。

目、瞑って・・・」

(き、来たぁ!)

内心ドキドキだが男として落ち着いて焦りを見せずに目を閉じた。

目の前が真っ暗だが離れた位置に居た境内さんが近づいてくる音が聞こえてくる。

恐らく流れ的にキスをしてくれるのだろうなと考え気持ちをワクワクさせているとその気持ちに

水を差すような勢いで「その女から離れろ!」という声が突然頭に流れてきた。


耳からではなく頭に直接。

それもその声色がサタンだったので

つい反射的に言うことを聞いてしまう。

すると目の前に「シュッ」と何か

鋭利な物が過ぎ去る様な音が聞こえ目を開けると。


短剣を持ち頭の上に光る輪っかを浮かべ、

悔しそうな表情で綺麗な顔を歪ませる

境内さんの姿がそこにはあった。

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