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EP25

入学からしばらく経ったことでこの街に引っ越して来たばかりの頃と違い土地勘も多少鍛えられてきた。

遊び盛りでもあり学業が仕事である学生にとって良いか悪いのかは分からないが、

学校の付近には缶詰め状態の商業施設が溢れているので放課後の暇潰しにも困らない。

そのおかげか、

他の生徒共同じ時間を過ごせ距離が縮まった。

だがそのせいかここ数日はサタンとの付き合いが減ったのでサタンが拗ねてしまっている。


と、いうことで今日の放課後は久しぶりにサタンと放課後ショッピングモールへ行くことになった。

「ちょっと圭吾”君”いい?」

その寒気のする覚えのある声の違和感ありまくりの呼び方に振り向くと、

普段は見せない様な笑顔をしたミカエルが背筋を伸ばし立っていた。

「ど、どうしたの?境内さん」


俺の方も普段とは違う呼び名で呼ぶ。

ちなみに今の俺の顔はかなり

引きつった状態になっている。

「今日の放課後、

良かったら一緒にショッピングモールへ

遊びに行きませんか?」

一見他の人からすれば学校イチの美少女からの放課後デートのお誘いという、羨ましさで

憤死してしまいそうな状況かもしれないが。

コイツの本性を知っている俺のフィルターを通して、改めて解釈すると

「放課後顔貸せ拒否権は無い」へと変わる。

が、俺にも人権という物があるし個人の意思もある。


「また急だね、どうかしたの?」

別に断る理由もないけど、

このまま大人しく二つ返事で誘いを受けるのも尺だから理由を聞いてからにしてやる。

「・・・今日の放課後良かったら

一緒にショッピングモールへ遊びに行きませんか?」


・・・嘘だろコイツ。

端から理由というモノを答えるつもりがないみたいで全く同じ文言を繰り返して来たぞ。

RPGゲームのNPCかコイツは。

「ちょうど放課後行こうかと思ってたから

別に構わないけど・・・」

「それじゃあ放課後楽しみにしてますね」

自分の要件が終わるとミカエルは結局何一つ

手がかりになることを漏らさず自分の席へと戻り

クラスの女子たちと喋り始めた。


ーーーーー


「ねぇ、圭吾なんでコイツが居るの?」

放課後になり俺とサタンの二人でミカエルを迎えに行くと予想通り嫌な顔をし始めた。

「別にいいだろ。

それにそもそも今日俺は先にサタンと二人で

ショッピングモールに行く予定を立ててたんだよ。

そこにお前が後から入って来た形なんだから

文句言うなよ」

「・・・仕方ないわね」

「えー、良いじゃんかよミカエル!

オレはお前とのショッピング楽しみだぞ!」

「貴方はそうかもしれないけど私は嫌なのよ!

・・・はぁ、手短に用を済ませてとっとと帰るわ」

「おいおい、なんでそんな寂しいこと言うんだよー」

「ちょ、やめて!

肩をそんな気持ち悪く揉まないで!」


二人と出会って気づいたことがある。それはミカエル→サタンは嫌悪を露わにしているが。

サタン→ミカエルはむしろ

仲のいい印象に見えるのだ。

何故こうも両者からの印象が違うのかと気になり以前ミカエルに聞いてみたことがあったのだが、

「アイツは悪魔の中でも頭がおかしいのよ。

自分が「面白い」「最高だ」なんて思えることなら

なんだって気にしないのよ。

それこそ種の違いすらもね。

アイツがあんなんだからって

他の悪魔には期待しない事ね、

そんなんじゃ簡単に殺されちゃうわよ」


ミカエル曰くサタンが例外なだけで普通天使と悪魔は忌み嫌い合う存在らしい。

俺はそんな傍から見れば仲のいい女子高生二人組のじゃれ合いを見ながら目的地へと向かった。


ーーーーー


「はぁはぁ・・・まだ目的地に着いただけなのにもう既に疲れたわ」

目的地へと向かってる最中ずっとサタンからのダル絡みに付き合わされたミカエルは

元気盛りのお子さんを育てる親御さんみたいなことを言い出した。

小さい子って車に乗せるだけでも大変だし、その車中でも元気だからな・・・。


「一旦休憩でも挟むか?」

「い、良いの?だったら一度フードコートで休みたいわ」

そんなミカエルを見てられず、

俺は早く予定を済ませたいハズのミカエルにそんな提案をし、

最初の目的地はフードコートへ決まった。


ーーーーー


お昼時や夕食時ともいえない今の時間、

フードコートの席はイメージの中のフードコートとは違い簡単に席を確保することが出来た。

息を切らせ喉を乾かせていたミカエルに気を使い、

ウォーターサーバーから二人分の水(ミカエルとサタンの分)を汲み

自分たちの席へ持っていきミカエルへと渡す。


「気が利くじゃない、ありがとう圭吾・・・」

その水を受け取るとミカエルは上を向き「グビグビ」と水を仰いだ。

「ぷはぁっー!・・・美味しい・・・」

まるでペットボトル水のCMの様な爽快な飲み方を披露して見せた。

その様子からよっぽど喉が渇いてたんだなと伝わってくる。

しかし、周りが皆食事を食べている中無料の水だけで席に居座るのは少し申し訳ないな。


「せっかく来たんだし、何か食べて行かないか?この時間だし軽食や、少し早めな夕ご飯として」

「そうね、お腹も丁度空いてたしそれに・・・甘いモノもあるみたいだしね」

以前ゲームセンター内に併設されていたお店でクレープを食べてから、

ミカエルは大の甘いモノ好きになったらしく放課後この辺りに詳しい数多先輩に案内役をさせ

食べ歩きをしているらしい。と、数多先輩から聞いた。


ただ数多先輩も天使であるミカエル興味があるらしくその状況を楽しんでいるようだった。

結局サタンはラーメン屋の

ラーメンチャーハンセット、

ミカエルはアイスクリーム屋で三段のアイス、俺は単品でハンバーガーをそれぞれ選んだ。


「ん~♪」

三段アイスを頬張るミカエルの姿は天使の名の通り見ていてとても可愛らしかった。

「ズルズル!ず、ズルルルル!」

ラーメンをそれもチャーハンセットに食らいつくサタンの姿は、

まるで昼間のラーメン屋に居る肉体労働者の様で

ワイルドさが隠しきれていなかった。


「ズルル!」

「わ、汚ねぇ!おい、サタンお前俺の所にまでラーメンの汁が飛んで来たぞ」

「うぇ?まひかそへはふまん!

(マジかそれはスマン!)」

食べながら謝るサタンの口から噛み切った麺の切れ端が飛び出し俺の手の甲へと飛来した。

「お前な、せめて嚙み切ってから喋れ

「ズルル・・・はっはは!(分かった!)」

どうやらコイツの知能はシベリアンハスキー

並みしかないらしい。

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