EP17
数多先輩からお小遣いが支給された後サタンはクレーンゲームにハマってしばらく経った今では
既にサタンと数多先輩の二人でトンデモない量の景品を乱獲している。
「くっ、あーもー!後もう少しなのに・・・」
「違う、もっと奥を狙うんだよサタン君。このタイプの台は捻らないといけないんだ」
「こ、こうか?」
ガコンッ!
「そうだそうだ。サタン君上達してきたじゃないか」
初めの方は操作が上手くいかず狙った箇所に降ろすことが出来ずに景品が取れなかったサタンも
師匠の数多先輩のおかげでかなりの腕前になっていた。
「数多先輩。次はあっちのタコヤキ?って台にしましょうよ!」
「あれは駄目だ。実力何て関係無しの完全な運試しだからね、
それよりあっちのタイプの方が楽しいしぞ」
「マジすか!?」
すっかり意気投合しあちらは日が暮れるまでクレーンゲームに熱中する気満々の様だ。
俺も最初の数プレイはやったのだが。
昔からどうもクレーンゲームをやるとつい原価だったり損得を気にしてしまい心から楽しめない。
その為別行動をすることにしたのだ。
しばらく歩くとやっとクレーンゲーム筐体の森から抜けた。
やはり世間一般今一番ゲームセンターで人気があるのはクレーンゲームの様でゲームセンター内の
筐体の数がその風潮を表していた。
次に見えてきたのはメダルゲームのコーナーだった。
メダルを使用して遊ぶすごろくや釣りのゲームといった老若男女楽しめる筐体から。
競馬やパチスロといった大人向けの筐体まで、クレーンゲーム程までとはいかないが
日本で一番と言っても過言じゃないほどの揃え方だった。
ただあまりメダルゲームにも心が惹かれなかったので今回はパスだ。
特に今歩いているメダルを使用して遊技するパチスロコーナーなんかは、
大人向けとだけあって学生の俺には興味が微塵も湧かなかった。
色眼鏡かもしれないがちょっと客層も他筐体と違い恐い。
(さっさと抜けるか・・・)
そんな思いで早歩きで筐体と筐体の間の通路を歩いていると
見覚えのある顔がとある台に座っているのが目に入った。
「お前、勝手に一人どこかへ行ったと思ったらここに居たのか」
「・・・なッ!?け、圭吾貴方いつの間に?」
「ついさっきだけど。お前スゴイ猫背になってるし、それに貧乏ゆすりも凄いぞ」
「え、嘘!?」
俺の指摘でやっと気がついたようで途端に背筋を伸ばし足の揺れも収まった。
姿勢だけ見れば学校でいい子を装っているいつも通りの”境内美香”だ。景色が”アレ”だけど・・・。
「こ、これはあれよ。ちょっと遊んでみたかっただけで今飽きて止めるところだったの」
何を焦っているのかミカエルは急いで台から立ち上がり離れる準備を整え始めた。
ミカエルの座ってた台の持ち玉の表記は「0」になっており飽きたと言うより。
ただ搾取されただけの形だった。
(普通ゲーセンの台って甘い設定だったりじゃないのか?
来た時の様子を見る限り凄いイライラしてたみたいだし滅茶苦茶負けてるんじゃないか?)
要するに、飽きたというのは嘘で持ち玉がただ0になった今ちょうどいいから切り上げただけだ。
「私のことは別にいいでしょ!そ、それより圭吾貴方は何かで遊ばないの?」
「うーん・・・いざ「遊んでいいよ」と言われても。ピンと来るモノが無いんだよな」
悩んでいると、「「ぐぅ~」」と俺とミカエル二人同時に腹が鳴った。
「さっきから店の中ずっと歩いてたから腹が減ったな」
「私もストレスで・・・じゃなくて。座りっぱなしだったから」
自分で言ってておかしいと思わないのか、その誤魔化し方。
でも、二人して腹ペコなら丁度いいな。
「今ちょうど行きたい所思い出したわ、良かったら一緒に行かないか?」




