EP15
「なぁケイゴ身体測定ってのはなんだ?」
自分で着替えたはずの体操着の上から着たジャージを摘まんだり引っ張たりして、
不思議そうな声色でサタンは訪ねてきた。
「学生の発達途中の問題や特徴だったり。身体の異常を見つける為、かな?」
正直身体測定に関してそんな深く考えたことなんかないから俺もよくわからない。
時期が来たら受ける、そういうモノだ。
「それじゃ」
「ん、これから身体測定だろ?どこに行くんだケイゴ?」
俺が教室から先に出ようとするとサタンが裾を掴んできた。
普通だったら裾を掴んだだけでは足は止まらないがサタンの力が強く身体が
「グッ」と止められてしまった。
「お、おい引っ張るなよ!このジャージ高いんだからさ」
「だってこれからその身体測定があるのにオマエが勝手に離れるからだろ?」
「いいんだよ。身体測定は男子、女子別々に受けるんだから」
「そうか、それだと俺は女子の方に行くのはちょっと気まずいし申し訳ないから男子の方に行こうかな」
「アホ言うな、お前の胸囲の数値が出た瞬間その場が変に盛り上がるからやめろ」
ーーーーー
「・・・サタン貴方どこに行ってたの?」
「いや、男子の方の身体測定に行こうかなって」
「なっ・・・バカじゃないの?」
「まさにさっきケイゴにも「アホ」呼ばわりされた」
「全く、貴方ね。この学校での三年間は多くのもの天使や悪魔たちの運命がかかっているんだから、
もう少し目立たないように過ごせないの?」
「おやぁ?これはこれはサタン君と美香君じゃないか?二人仲良くこれから身体測定かい?」
「おー!数多じゃん。今日も、ちっこいな!」
「数多、貴方・・・白衣じゃないと貧相な身体目立ってより酷いわね」
「・・・出会い頭になんてことを言うんだい君たち二人は」
「事実でしょう?」
「そうかもしれないが。今の世、身体的特徴を用いてのご挨拶は感心できないな。
それに君たち二人共僕より優れた存在としても、
一般生徒から見た場合先輩後輩の関係なんだからせめて「さん」や「先輩」を付けないか?」
「分かったぞ、数多先輩!」
「おー偉いじゃないかサタン君。頭を撫でてやろうしゃがみたまえ。キシシ」
「~♪」
「私は結構。貴方が他一般生徒たち同様なら、人間に紛れる為仕方なく呼ぶけど。
状況を知ってる貴方にはする必要がないわ」
「美香君は何というかツンデレの良くない所を煮詰めた様なキャラクター性をしているな」
「何か言ったかしら?」
「い、いいや。なんでもないぞ。ごほんごほん・・・」
「そう、ならいいけど。忘れないでいることね。
貴方は首の皮一枚何とか繋がって生きていられているってことを」
「あぁ心に刻んでおくよ」
「それよりも数多先輩たち二年生はさっきの時間が身体測定だったんだろ、結果はどうだったんだ?」
「あ、あぁ・・・」
「ん、どうしたのよ貴方そんな顔をして。まさか去年から身長が変わって無くてショックなのかしら?
見た目だけじゃなくて中身も幼稚で可愛らしいじゃない」
「そ、それが去年から背が・・・5cm縮んでしまっていてな」
「・・・は?な、何よそれ。どういうことなの?」
「もしかして数多先輩は身長を自由に変えられるのか?」
「いや私の身体にはそんな外れ特殊能力もアレルギーもない。
医者曰く「極度の猫背が成長期の身体に悪影響を与えた」らしい」
「そ、そんな馬鹿なことがありえるの?ちょ、ちょっと貴方の診断書見せてみなさい」
ーーーーー
身体検査を終え使用した教室から自分の教室に戻る。
どうやら次は女子の番の様でクラスの女子何名かとすれ違った。
「ん?あれは・・・」
先の方で見覚えのある顔が見えるそれも三つ。
ちなみに知り合いにケルベロスは居ない。
「おーい、三人ともそんな所に突っ立て何をしてるんだ」
三人は何か一つの本の様な物を覗き込んでいた様子だった。
近づくと俺も「何々?」とその本を覗き込んだ。
「んー、ん?これってスリーサイズか?高校生にしては貧相すぎるだr」
言い切る前に顔を真っ赤にした数多先輩からアッパーを喰らいその場にダウンしてしまった。
意識はあるがあまりの一撃に身体が「ピクピク」と痙攣をしてしまっている。
数多先輩は駆け足でその場から走り去ってしまった。
「おー!数多先輩の奴意外と武闘派なんだな、気に入ったぞ!」
「圭吾、貴方馬鹿ね・・・。それにしても数多にも乙女心というものがあったのね、ご愁傷様」
な、何を言っているのか分からないが取り合えず・・・。
「ふ、二人共起こしてくれ・・・」
「ごめんなさい。そろそろ私たち身体検査が始まるから行かなきゃいけないの」
「ケイゴこれも先輩からの修行の一つなんだと思うぞ、ガンバレ!」
二人はそう言って俺が来た道に行ってしまった。
俺よりも身体検査大事なのかよ!?




