EP12 天才VS天使1
「って、君は。一年の境内美香じゃないか。まさか”可能性”が自分から来てくれるなんて
どうやら私は神に愛されているみたいだねぇ・・・キシシ!」
「いいえ、神の加護いつだって私たち側にあるものです。
貴方みたいな下卑た存在に神が微笑むわけがありません」
「え、何もしかして新入生一番の美少女って、宗教とかカルト大好きっ子?」
「言うなら・・・そのものですかね」
「うげ~、一気に興味冷めちゃったかも。宗教とか政治の話って僕大っ嫌いなんだよね。
ま、いいやカルト信者の美少女もまとめて電流攻めにしちゃうよ。行け!助手君6号!!!」
女がポケットから投げたのはルービックキューブで地面に「コツン」と触れると同時に
大きく形を変えあっという間に2mもの大きな金属性のゴーレムに変わっていた。
「この子は僕の現在の発明品の中での一番の最高傑作でね戦闘分野に関してはピカイチなんだ。
さぁやっちゃいな助手君6号!」
その掛け声と同時に助手君6号は大きく腕を上げ抱きしめる形でミカエルに向かって
ドスドスと走った。
大きな隙を見せ向かってくる助手君6号を軽く避けミカエルは短剣を勢いよく突き刺す。
だが見るからに硬い素材で出来ている助手君6号には傷一つ付いておらず、
ゆっくりながらも重い腕でミカエルを吹き飛ばしミカエルは俺の横を勢いよく転がり壁に突撃していた。
「ミカエル!」
「流石に気絶、最悪死んじゃってるかもねぇ・・・て、あれ?」
余裕の表情をしてい女だったが、立ち上がるミカエルを見て女はその表情を少し歪ませる。
「マッドサイエンティストを語るくせに全く知性の感じられない戦い方を選ぶのね」
「な!?僕をバカにするのか・・・この天才の僕を!!!」
そんな挑発じみた発言に自称天才は簡単に顔を真っ赤にさせその場で子供の様に地団駄を踏む。
「学生、それも人間という下位種で天才を語るなんてその時点で矛盾しているわ。
本当に人間種の天才として生まれたのなら、
赤子の時点で己の種としての限界を感じはいはいで地面を這いずり自殺を選び転生を繰り返すはずよ。
つまり貴方が今生きていること自体が貴方を天才じゃないと証拠付ける証明よ」
凄い、以前に襲ってきた天使とは違いミカエルはどうやらペラが回るようで先ほどまで
調子よく喋ていた自称天才を黙らせてしまった。
「・・・違う」
「何か言ったかしら?」
「違う、違う違う!僕は天才なんだ他の奴らとは違う選ばれた人間なんだ!
神すらも凌駕する選ばれた、この世で一番の崇高な人間なんだッ!
だから他人の可能性を潰すのも、奪うのも自由なんだッ!!!僕の邪魔をするなら境内美香!
もうお前は要らない!ここで死ね!!!」
叫び、目に血をほとぼらせた”自称”天才は、
乱雑にポケットから先ほどゴーレムを生んだルービックキューブに似た物を地面にばら撒き。
「お前ら加減は要らない!目の前のソイツを殺せ!!!」
と、自分が上司から言われたら困るような大雑把な命令を下し仁王立ちをした。
命令通り生み出されたゴーレムたちの中には失敗作なのか足が無かったり、
既に内部から「ジジジ・・・」と
爆発前のカウントダウンの様な不吉な音を鳴き声代わりに鳴くゴーレムも居た。
「圭吾、何を呆けているの貴方も早く手伝いなさい」
「い、いや俺は見ての通り拘束されてて」
「何を言ってるのそれはもう既に解けているでしょう」
気が付くと先ほどまであったはずのロープは無く手足にはロープの跡だけが残っていた。
どうやら既に隙を見て開放していてくれたらしい。
「けど、俺にどうしろと?」
弱虫みたいなことを言って情けないが事実、
さっきロープから抜け出すことすら出来なかった俺なんかに出来ることがあるだろうか?
「自分の背中に手を当ててみて」
「は?何で・・・」
「いいから!貴方は今の自分を知る必要があるわ!」
少し強い語気に促され取り合えず優しく背中を擦る・・・あれ?何か異物感がある。
「え?ナニコレナニコレ!?」
俺の背中には謙虚な片翼が生えていた。




