表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/26

地図の向こうにいるもの──代理接触と「他者」の影

 陽が沈み、森に夜の帳が降りる。

 焚き火は炭だけを残し、煙はわずか。虫の音すら警戒して鳴りを潜めたそのとき――


 「……北東の気配が“変わった”。誰かが、何かを始めている」


 魔物使いレーネの低い声が、主人公の背筋を冷やした。


「動きが?」


「はい。気配の質が変わりました。あれは……集団の動きです」


 主人公は地図を開き、斥候たちの報告で埋まった北東領域を見る。

 先ほどの探索では“安全”とされていた範囲だ。

 ――そこに、別の“存在”が入り込んだのか。それとも、元から“そこにいた”のか。


【行動フェーズ:代理交渉部隊の派遣】


接触は回避できない

だが、主人公は動かない。

「会う」のは、作成キャラたちだ。

「交渉」「対応」「観察」――すべては“彼ら”に任せる。

 主人公は指を走らせ、地図上に矢印を描いた。

 「まずは“話す”準備を整えろ。だが、不用意に近づくな。危険なら即撤退」


 そして、レーネと斥候D、斥候Eの三人に命じた。


【交渉・接触班】


魔物使い:レーネ(意思疎通・言語系統の解析)

斥候D(無音歩行・自然交感による接近と気配察知)

斥候E(採取効率化・逃走専念)

任務:

北東の気配の正体を探る

可能であれば“非敵対的”に接触する

「交渉材料」は香り草・食料・未鑑定の種子

 日が落ちきる直前、三人は音もなく林を抜けていった。

 主人公は拠点に残り、ノートに時刻と方位、メンバー、目的を記録する。

 いつものように自らは一歩も動かず、ただ火を守り、戻ってくる者たちの「報告」を待つ。


――約三時間後


【接触リザルト】


地点:北東林境、傾斜地の下に“人為的な見張り小屋”を発見

存在:装備を持った現地人(2名)との視認接触に成功

言語:こちらの言葉は通じず、レーネが単語レベルで意味を受信

態度:警戒だが即攻撃ではない/視線は明らかに探索的

物々交換:香り草×1 ⇄ 干し肉らしき保存食×2(試行)

備考:

現地人は「同じ場所に戻る」というジェスチャーを残し撤退

所持していた装備は粗末だが鍛造品(石混じり鉄刃)

現地語の断片:「ガンザ」「リヒェン」など地名or固有名詞か?

 焚き火の前で、主人公は報告を聞いていた。

 レーネが淡々と状況を説明し、斥候Dが細かく地形を補足し、斥候Eが得た物品を手渡す。


 手元に置かれた干し肉を見ながら、主人公はつぶやく。


 「……“文明”がある。鍛冶、見張り、言葉、取引の概念……それに、攻撃より観察を選んだ」


 彼らはこちらに興味を持っている。

 敵ではないが、味方でもない。


 そして、主人公自身は――

 あくまでも“姿を見せない存在”であり続ける。


【追加解析:魔物使いレーネによる感応】


現地人の態度の裏には「恐れ」ではなく「警戒と興味」


「接触は続ける。ただし、こちらからは出向かない。彼らに“こちらを観察させる”形で会話を進めてくれ」


 主人公はノートの端に新しい単語をメモした。

 “ガンザ”と“リヒェン”――

 それが地名か人名かもわからないが、確実にこの世界の“地図の外側”へとつながる鍵だ。

▶ 次章:「影を観る者──“来訪者”としての立場」へ続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ