3体のモンスター・寝貝加奈絵の視点
私がアクヤさんとプレーヤさんを解放するとぉ、二人は私に杖を向けましたぁ。今にも魔法を発動させそうですぅ。私はいつもの天使姿に戻りましたぁ。
「怖がらせてごめんなさぁい。正体は私でしたぁ」
「何者ですの!」
私のことは覚えてませんかぁ。警戒を解いてもらわないといけませんねぇ。
「私は願望を叶える天使カナエルですぅ。あなたたちの異世界転生を叶えてあげた天使ですぅ。あなたたちと同じぃ、男なら誰でもOKなビッチですぅ」
その瞬間、アクヤさんの杖から雷がぁ!
「んなああああああ!! 痛いですぅ!」
「誰があなたと同じビッチでして!」
「キザーオ王子を脱がせてみたくないですかぁ?」
アクヤさんは顔を赤くして横を向きましたぁ。
「はあ? わたくしがそんなふしだらなこと……」
なんかごにょごにょ言い出しましたぁ。興味はあるようですねぇ。
「私は今、面白い動画を撮ろうとしていたんですぅ。モンスターに変身して人質を取ったらぁ、キザーオ王子が服を全部脱いでくれるんじゃないかとチャレンジしてたんですよぉ。でも逃げられてしまいましたのでぇ、お二人にも協力してもらえませんかねぇ」
するとプレーヤさんが私に詰め寄りましたぁ。
「男の人に無理強いして服を脱がせて動画にするなんて、とてもいけないことです!」
そういう言い方をされるとぉ、確かにイタズラというより犯罪に近い気がしてきましたぁ。
「こんな事がキザーオ先輩に知られたら、こっぴどく叱られてしまいます!」
うーん、動画を公開できなそうですねぇ。
「なのでぜひ私にやらせてください!」
「叱られるのが目的なんですかぁ!」
「たっぷり叱られた後で、編集で裸を隠すことを説明すれば、きっと公開を許してくれるでしょう。脱がせたあとに着せてあげる服も私たちで用意しましょうよ」
プレーヤさんの目がらんらんと輝いていますぅ。
「それでしたら、かわいらしいお召し物を着せてさしあげたいですわね。キザーオ殿下の愛くるしいお姿、ご覧になりたくなくて?」
アクヤさんも乗り気になってますぅ。
3人で街まで転移して服を買いましたぁ。天使の私がお店で服を買うことは今までありませんでしたのでぇ、女の子同士で服を買いに行くのは新鮮な体験でしたぁ。
ダンジョンに戻ってからはお二人もモンスターの姿にさせてもらいましたぁ。アクヤさんはトロールの姿でぇ、プレーヤさんはホブゴブリンの姿ですぅ。
「皆さん男性型モンスターですわね。これでしたらわたくしたちの正体を完璧に隠せましてよ」
「トロールがその口調で話すのは違和感ありすぎですぅ」
「それはあなたも同じでしてよ!」
モンスターらしい話し方の練習が始まりましたぁ。
しばらくしてぇ、アクヤさんは退屈そうにどこかに行ってしまいましたぁ。そのことは大して気に留めていませんでしたがぁ、その後少ししてぇ、遠くから2人の男の人の話し声がしてきましたぁ。私とプレーヤさんはおしゃべりをやめて耳を澄ませましたぁ。かすかに聞こえてきますぅ。
「抱きかかえて部屋を出る」
1人がもう1人を抱きかかえてここから逃げようとしているのでしょうかぁ。男同士の熱い友情ですねぇ。
「着替え中のまま外に出すというのかい!?」
おやぁ、お着替え中でしたかぁ。いいですよぉ、そのまま抱えて出て来てくださぁい。
「だったらもしお風呂に入っていたら君はどうするつもりなんだ!」
もっといいじゃないですかぁ。
「ダンジョンの中でお風呂に入ってる状況がおかしいだろ! お前はそんな事ばっか考えてんのか!」
「そんな事妄想しちゃいますよぉ」
おっとぉ、本音が漏れてしまいましたぁ。プレーヤさんがジト目でこちらを見てますぅ。
するとトロールの声が聞こえてきましたぁ。
「来タゾ! ヤツラダ!」
おやぁ、キザーオ王子が戻ってきたんですねぇ。じゃあ行きますかぁ。
声がしたほうにプレーヤさんと行くとぉ、キザーオ王子とショタン王子のほかに男の人がいましたぁ。地味ですけど悪くはない見た目ですぅ。その男の人が私に言いましたぁ。
「俺は冒険者のネゴシ。お前たちに武器と防具を持ってきてやったぜ。くれてやるから人質を返しな」
なんか自信満々な顔してますけどぉ、こういうのに限ってあっさりやられてぇ、「命だけは勘弁してくれ」なんて言っちゃうんですぅ。
「よく来たのだ。まずお前たちがその防具と武器をすべてよこすのだ。そうすれば望み通り人質は解放してやるのだ」
特に防具を全部ですぅ。武器はどうでもいいですぅ。なんかわくわくしますぅ。
「言っておくがな、俺は気が短いんだ。あまりナメたこと言うとお前の首が飛ぶからな」
あらあらぁ、威勢のいいことでぇ。レベルが低そうですけどぉ、強がっちゃってかわいいですねぇ。
「そっちが先に人質を解放しろ。俺たちが人質の無事を確認したら装備はくれてやる」
脱いでくれるまで人質は返しませんよぉ。何か適当な理由をつけて断りましょう。
「それはできないのだ。先に人質を解放したら、お前たちは全員で襲い掛かってくるのだ。ワシらの安全のために、防具と武器は先に預からせてもらうのだ」
「俺の暗殺術なら素手でもお前の腕をへし折るくらい簡単だがな」
それを聞いてプレーヤさんが言いましたぁ。
「オマエ、ホントニ素手デモ強イノカ確カメテヤル。オレノ腕ヲ素手デ折ッテミロ」
腕を折られたくて言ってますねぇ。
「腕を折ってみせたら要求を聞いてくれるのか?」
「モシデキタラ、ヒトツ情報ヲヤロウ。人質ノ魔法ヲ封ジルタメニ人質ニ沈黙魔法ヲカケテオイタ。ソノ解キカタヲ教エテヤロウ」
そんな魔法などかけていませんのにぃ、何を企んでいるんでしょうねぇ。
「ああ、それでいい。後悔するなよ」
そう言ってネゴシくんはプレーヤさんの腕をつかんで何かしましたぁ。
「グアアアアアアッ!!」
プレーヤさんは叫びながらうずくまりましたぁ。腕の骨を折るような動作には見えませんでしたので不思議ですぅ。プレーヤさんは痛がってますけどぉ、顔は嬉しそうですぅ。
「沈黙魔法の解除方法、教えてくれるか」
「……クチヅケダ」
「口付け? キスって事か?」
「ソウダ」
プレーヤさん、キスしたかったんですねぇ。「誰が」という条件を付けていないということはぁ、やっぱりプレーヤさんも男なら誰でもOKな人なんですねぇ。
ネゴシくんは私に斧を向けてきましたぁ。
「さあオーガさんよお、早く人質を解放してくれ」
その前に脱ぐんですぅ。
「お前の装備を解除するのが先なのだ」
「俺が強すぎるのが困るんなら、俺の斧は先にくれてやるよ」
そんなのいりませぇん。
「その代わり、人質のいる場所まで案内しろ。人質の無事の確認が先だ」
するとアクヤさんが私の後ろから耳打ちしてきましたぁ。
「わたくしも少し楽しませていただきますわ」
そしてアクヤさんはネゴシくんに向かっていきましたぁ。ネゴシさんは斧を構えて後ずさりしていってますぅ。アクヤさんはお構いなしにズンズン迫っていってましてぇ、壁まで追い詰めましたぁ。そして壁ドンですぅ! アクヤさん、自分より小さい男の人に壁ドンしてみたかったんですねぇ。アクヤさんはネゴシくんに上から顔を近づけて言いましたぁ。
「ショボイ斧ダナ。ソッチノ金ピカ小僧ノ剣モクレタラ案内シテヤロウ」
するとネゴシくんは顔をさらに近づけて言い返しましたぁ。
「この斧がしょぼいかどうか、お前で試してみるか?」
トロール姿のアクヤさんがぁ、にやけた顔を手で隠しながら耳まで真っ赤になってますぅ。
「ワカッタ、ソノ斧ダケデイイ。斧ヲ渡シテクレ」
アクヤさんは大満足のようですねぇ。ネゴシくんは斧を投げ捨てましたぁ。
「案内してもらわなければ渡せない。そこに置いておくから、案内後に回収しろ」
譲歩してきましたねぇ。こちらも少し歩み寄ってもよさそうですぅ。
「ワシが人質の所に案内してやるのだ。ついてくるのだ」
私はネゴシくんたち3人を部屋から連れ出してからぁ、アクヤさんとプレーヤさんを元の姿に戻しましたぁ。




