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―19― 生産

「ユレン殿、申し訳ないが、想像以上にゴタついてしまっている。もう少し待っていていただけないだろうか」


 大顎ノ恐竜(ティラノサウリオ)の素材を換金したお金を受け取ろうと冒険者ギルドに来たわけだが、ギルドマスターにそう言われてしまった。

 明日には受け取れると言っていたが、なにかあったのだろうか。


「わかりました。また、出直します」


 文句を言っても仕方がないだろうし、大人しく引き下がる。

 それに、冒険者ギルドにきたのは、なにもお金を受け取るためだけにきたわけではない。モンスターの討伐依頼の確認もかねてきたのだ。


「次はおぬし、なにを狩るのじゃ?」

「そうだな」


 モンスターの情報が張られている掲示板を前に、フィーニャと会話をする。

 今の俺の実力でギリギリ勝てそうなモンスターがいればいいんだけど。


「あ、これとかいいかもな」





「ほら、背中に乗るとよいぞ」


 狐の姿に戻ったフィーニャがそう口にする。


「乗ればいいのか?」

「あぁ、そうだぞ」


 そういうことなので、背中に跨がらせてもらう。

 おっ、座り心地意外といいな。モフモフした毛並みのおかげでお尻が全く痛くない。


「それじゃ、スピード出すから捕まるんじゃぞ」

「ぶっ」


 一瞬で超スピードになる。まずいっ! このままだと振り落とされる。


「ちょ、とまってくれ! 死ぬ!」

「ん?」


 フィーニャが足をとめ、減速する。突然、急ブレーキをかけられるのはそれはそれで耐えられず、前方に吹き飛ばされる。


「ふむ、もう少しスピードを落として走ったほうがよかったか?」

「いや、その必要はない」


 そう言って、俺は〈操糸の指輪〉から糸を出して、フィーニャにうまくくっつける。

 これでうまく固定すれば、振り落とされないはずだ。


「それじゃあ、行くぞ」


 そう言って、フィーニャはスピードをだす。

 うっ、あまりの揺れで酔ってしまいそうだが、これなら振り落とされることはないな。





「まぁ、確かに馬車を使うよりはずっと早く着くな」

「ふふん、そうだろう」


 幼女に戻ったフィーニャが鼻を高くする。

 なんか腹が立つので、軽くデコピンしてやったら「ふぎゃ!」と、奇声をあげていた。


「それで、ここに例のモンスターがいるのか?」

「ギルドの情報が正しければな」


 現在いる場所は山の山頂付近。

 火口が近い、この辺りは木々が生えていないため、身を隠せる場所があまりないため、慎重に進む必要がある。


「いたな」


 視線のはるか先。

 今回の標的のモンスターが居座っていた。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


鋼鱗竜(アセーロドラゴン)

 LV:532

 鋼の鱗を持つ巨大なドラゴン。

 その鱗はあらゆる攻撃をはじくことができる。

 翼が劣化しており、空を飛ぶことはできない。


 △△△△△△△△△△△△△△△


「フィーニャ、このモンスターの臭いを覚えることができるか?」

「可能だが?」

「そうか。それじゃ、一旦引くぞ」

「む? なんだ戦わないのか?」

「この状態で戦っても勝つことは難しいからな」

「なんだ? どんなに無謀でも挑むのがおぬしじゃないのか?」

「俺は勝てる見込みがない戦いはしない主義だぞ」

「むっ、おぬしの言葉とは思えんな」


 俺のことを一体どんな人だと思ってるんだよ。

 あくまでも俺の『縛りプレイ』は、いかに下準備で勝てる確率をあげるのかが重要だ。

 なんの準備もなしに挑んでも死ぬだけだからな。


「それじゃあ、フィーニャ。少し遠くまで移動するぞ。狐の姿に戻れるか?」

「ふむ、そのぐらい聞かずともできるわ」


 そういうことなので、フィーニャの力を借りて再び遠くまで移動する。


「それで、ここでなにをするのじゃ」

「武器の生産だよ」


 来ていた場所は、鉱山だ。

 以前もここで〈灼熱岩〉の採集を行った。

 今回はここで大量の爆弾を作る予定だ。

 ひとまず、生息している子鬼(ゴブリン)の狩猟をしつつ、鉱物の採集をしていく。

 ついでに、SPを消費してスキルを成長させておくか。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


 SP16を消費して〈加工LV5〉にレベルアップさせました。


 △△△△△△△△△△△△△△△


〈加工〉がLV5まであがることで、できることが一気に増える。

 例えば――。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


〈加工〉に成功しました。

〈地雷〉を入手しました。


 △△△△△△△△△△△△△△△


 今までは〈灼熱岩〉と〈固い実〉に対して〈加工〉を用いても〈手投げ爆弾〉しか作れなかったが、レベルを5まであげることで〈地雷〉を作ることに成功する。

 そういうわけで俺は〈地雷〉と〈手投げ爆弾〉を大量に生成する。

 もちろん、他にも生成するものはある。


 大量の〈鉱石〉と大量の〈灼熱岩〉を使うことで、〈巨大爆弾〉ができる。

 これも〈加工〉がレベル5になったことで作れるようになったものだ。


「随分と大きいのー」


〈巨大爆弾〉を見て、フィーニャが感心していた。

 爆弾の大きさはフィーニャの肩に届く程度にはある。威力は強力だが、重いため手で持って投げることはできない。

 使うには、なんらかの工夫が必要ってわけだ。

 その〈巨大爆弾〉を材料があるだけ作っていく。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


〈加工〉に成功しました。

〈猛毒ナイフ〉を入手しました。


 △△△△△△△△△△△△△△△


 さらに、〈鉄鉱石〉と〈猛毒液〉を材料に〈猛毒ナイフ〉を作っておく。

 これもあるだけ作っておこう。

 あと、他にもこんなおもしろいものを作った。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


〈加工〉に成功しました。

〈閃光筒〉を入手しました。


 △△△△△△△△△△△△△△△


〈閃光筒〉は〈雷光石〉と〈固い実〉を材料に作ることができる。

 投げると、目映い光が放たれて相手の目をくらますことができる。

 逃げるときにも使えるし、役に立つ場面は多そうだ。


 さて、ここでできることは一通りやったことだし、次の場所に向かおうか。



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― 新着の感想 ―
[一言] 幼女の背中にまたがって疾走する錬金術師、いろいろアウトですねw
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