挿し絵
飾蓮真。
二十三歳。森羅国鳴口村出身。
主な所持スキル。
自由技能「無様」
同位改変「失格木偶」
幼い頃、飾遺六に騙され、母親の有希と共に崖から転落させられる。しかし、咄嗟に布陣六番の体気煥発を解脱させ、母親の下敷きになり、二人とも命を取り留める。また、蓮真はこのとき源力を手に入れる。
飾蒲生が人殺しの仕事を再開したと聞かされ、もう戻れないと知った二人は北の国へ落ち延び、そこで穏やかに暮らし始める。
蓮真が十歳のとき、一人でも大丈夫だろうと判断した有希は家を出てもう一度、蒲生に会いに行く。しかし、その途上で遺六に見つかり殺されてしまう。
一人になった蓮真は、困窮者向けの補助で何とか生活を凌いでいった。元々病的な気質を受け継ぎ、一人で籠もっていたため、他人と付き合いができない。しかし、そんな蓮真は他者には見られない病気特有の不思議な魅力を持ち、関わった女たちは一人残らず彼に惹かれていった。役場の窓口担当の女やギルドの担当官などは蓮真に惹かれ、個人的にも関わるようになる。
十五歳の頃から外壁を用いて外界の様子を見ることに楽しさを見出した蓮真は、ゲーム感覚で冒険のつもりで沢山の魔物を発見していった。
そして、十八歳の年、ついにその時がやってくる。
人型の魔物を発見したのである。
この世のものとは思えない禍々しいオーラを放ち、居座る彼らに、蓮真の外壁が見つかってしまう。
人里があることを知られてしまった。
遥か遠い地にいた彼らをこのままでは呼び寄せてしまう。
気取られないように注意しながら何度か外壁を広げて様子を探ると、彼らには走査と呼ばれる探査方法があり、それで人間界の有無を調べようという風になっていた。探査距離はラオペアより、外壁の方が遥かに長く優れている。
そして、ついに昨年、ラオペアが届く距離までたどり着き、それが行われた。蓮真は最初にぶつかるであろう北の地を自身の力で壊滅させた。慶一たちが訪れた牙途がそうである。人間界は既にディストピアだと思い込ませたのである。街の中で見えた陰鬱な幻影や叫び声は、bタキオンが街にあふれた結果だった。
何とか事なきを得たが、問題は解決していない。すぐ近くに悪魔を呼んでしまった。蓮真は彼らと戦えるであろう仲間を求めた。「敵同士が戦って仲間になる」。そんなゲームでの台詞にも魅せられ、考え抜いたところで慶一たちがやってきた。ゲームの主人公がヒロインに一度だけ行ったお辞儀がひどく印象に残っており、それを真似た。そして慶一は初めて返した。
悪魔に抗えるだけの戦力。ようやくそれを見つけることができたのだった。