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88、扇動

 作戦は単純なものだ。

 ウラノスが敵の動きを止め、樹一が無残を最大の出力で叩き込む。それで倒せなければこちら側にできることはない。

 ガイアとヴェリスは後方で控えている。村にいるアリサのそばにはカミラを残している。

 携帯によって釈迦の動きは逐一報告された。丁度日が暮れた頃、釈迦は九番へたどり着く。樹一の無残に全てが懸かっていた。

 残骸となった九番、金剛のそばで身を隠した。釈迦が向かっている。灰論(リザルト)を使えば犯自由技能を表す緑色の光が集まっているのが確認できるはずだ。


 釈迦のエネルギーボールが放たれたのは過去に二度あった。一度目は井黒の中枢部屋で武が受け止めた。武の自由技能、【火神防御(ファンタスティック)(メルト)】で相殺する形となり、武は死んだ。

 二度目は外地を部下と移動中に伽閃が襲われた。しんがりを務めていた伽閃が受け止め、死んだ。それでもエネルギーを殺しきれず、汚染された大地が場に残った。梵天はダークマターと呼ばれる正体不明の物質で構成されており、釈迦のエネルギーボールもその影響を強く受けている正体不明のエネルギーであることがわかっている。汚染された大地は植物を含む生き物を殺すことで少しずつ薄まっている。

 エネルギーボールは太陽光を集め数ヶ月から数年かけて作られる。しかし今度は駆の隕石(アンガーボム)を利用し満タンにしている。これを相殺する手立ても考えなくてはならない。

 もし放たれた場合、ガイアの【我等巣窓(ガラスマド)】がどこまで耐えられるかに懸かっている。


 黒い人影が前方の暗闇から湧き上がってきた。

 釈迦だ。

 上背はそれほどではない。しかし細身のその体には御力を漲らせている。


 ゆっくりと歩いてきた黒い人型を前に緊張が走る。

 それぞれが作戦の為の態勢に合わせ内功を高めていく。

 ここで倒せなければ終わりだ――。


 釈迦が金剛の死骸の前にやってきた。


 周囲の茂みにそれぞれが身を隠し、その様子を見守る。

 釈迦との最後の決戦が間もなく始まろうとしていた。

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