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第1話 伝説の勇者が生まれ変わったら

ここはグリーン王国。名前の通り緑豊かな国。

ただし、大きな大陸にある国なので、その暖かい気候ほど平和な歴史ではなかった。

様々な国に攻められ、また必要に迫られれば攻めに行き。その繰り返し。


1人の王の御代で戦争のない時はなかったと言う。


しかし100年前、このグリーン王国に伝説の勇者が現れた。

名前はダグラス。鬼神のような強さ、圧倒的な力で敵を倒し、城を攻め落とし、グリーン王国の領土を広げ、長い平穏をもたらした。

彼をたたえる像が国中に建ち、その英雄談が唄われている。



そして100年後の現在。

グリーン王国には、めでたいことに6人の王子が生まれた。しかも6人が6人とも、強くたくましく頭が良い。

1つ問題があるとすれば、6人の母親がすべて違うことなのだが、6人の王妃はそれぞれ優秀な人物だったのでうまくやっているようだった。


王様は、見かけは温厚なインテリのくせに無類の女好き。

40を過ぎた今では、女がらみのことは随分おとなしくなったのだが、最近1つのなやみがあった。


「娘が欲しい・・・・!!」

小さくて可愛くて、愛らしい娘が無性に欲しくなったのだ。

王として、6人もの立派な跡取り王子が出来たのは誇るべきことなのだが、なにせそろいもそろってデカくてむさくるしかった。

ごっついのだ。


「なんというか、こう・・・。ふわふわでやわらかくて、花みたいな存在が欲しいのだ・・・。」

「じゃあ、子犬でもおそばにおいてはいかが?」

6人の王妃はそんな王様にあきれ返って相手にしてくれない。なにせ優秀な女性を集めたので、王子を産んで子育てと言う大任を果たしてからは、各々自分のことで忙しいのだ。


「まあ、誰かが産んでくれたら可愛がるけど・・・。孫みたいな気分で」皆そう思っていた。



そこで王様は、城の礼拝堂の中にある、国で一番立派な、英雄ダグラスの像に毎日祈った。

「娘・・・!可愛い娘が授かりますように・・・!」


まあ、祈るだけではどうにもならないので、召使の中で一番可愛い女の子に手を出したりしていた。

召使と言っても、地方の騎士の娘が行儀見習いに来ていただけなので、手を出した後はちゃんと7番目の王妃に迎えてやった。


果たして果たして、7番目の王妃は無事に懐妊した。

いっそう毎日毎日ダグラスの像に祈る王様・・・。

「娘、娘、可愛い可愛いむすめ~~~~~~!!!」



そして9か月後。7番目の王妃が産気づいた。


ここぞとばかりに祈る王様。「娘~娘~」

実は、言いこそしなかったが、6人の王子たちも、むさい男より可愛い妹が欲しかったし、6人の王妃たちも、孫みたいな可愛い女の子を抱っこしたかったし、7番目の王妃さえも、王の望みに答えてあげたかったので女の子を切望していた。



そして。


「おにゃあ」


可愛い小さな声で生まれたのは、可愛い可愛い女の子だった・・・・!!


「やった~!娘だ娘だ~~~!」

王様の狂喜乱舞ぶりは周りが引くほどだった。


生まれて数時間の、小さくてふわふわして、いい匂いのする姫は、もう絶対一生結婚させないと宣言し、自分の部屋の隣を姫の部屋にするように命令した。

さらには望みをかなえてくれたとして、礼拝堂のダグラスの像を金でコーティングするように命じた。


挙句の果てには興奮しすぎて倒れてしまったのだ。その顔は幸せに満ちていたという・・・。


王様が静かになっている隙に、6人の王子たちも妹の様子を見に来た。

上から15歳、13歳、12歳、12歳、11歳、10歳の王子たち。


「・・・か、可愛いな・・・・。」

「すごくやわらかい・・・」

「フワフワで壊れそうです!」

「なんかいい匂いがするよ」

「あ、笑った!ボクを見て笑ったよ!」

「ボクを見たんですよ、兄上!」


王様に負けず劣らずの大騒ぎ&メロメロっぷりである。

しかし、6人の王妃たちにかわるがわる抱っこされていたので、妹が王子たちの腕の中にやって来ることはなかなかなかった。


こうして、グリーン王国のディノ姫が誕生したのである。

しかしこの姫が、伝説の勇者ダグラスの生まれ変わりであることをまだ誰も知らない・・・。



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