表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

盗賊の〇〇〇には負けない!

 (ここは本当に何ためにあるんだ?)一息ついて冷静になったおっさんは、周囲を見渡しそう思う。一見キャンプ場のようにも見えるが、どうにも違和感がぬぐえない。(休憩拠点だとしても間隔がおかしい。アホみたいな速度で走って、1日半もかかった。なのに、拠点と思われる場所がここしか見つかっていない)車が通るというなら無理やりにも納得はできるかもしれない。だが、車はおろか、何者かがこの道を使ったという痕跡が見つからない。土を踏み固めただけの道。何者かがこの道を使ったのであれば痕跡くらいは残るだろう。


 (怖い)


 自分以外、この世界には誰も存在しないのではないか。そう思えるほどに何もない世界。「進もう…」これ以上考えることが怖かった。それ以外の選択が思いつかない。喉の渇きは癒えたが依然空腹であることに変わりわない。いずれ活動限界を迎えるだろう。そう思い、一歩を踏み出した瞬間、唐突に視界が変わる。


 「…え?」この世界に放り出された時のように、休息所が突然木々が生い茂る森に変わる。(いったい何なんだよ!)理不尽の連続に怒りを覚える。だが、あの何もない草原よりマシかもしれない。濃厚な生命の息吹を感じる。ここならば探せば食べ物くらい見つかりそうである。野性動物に襲われても、今の自分なら素手でも熊くらい相手にできるだろう。そんなことを考えていると、背後から強引に植物を押し分ける音した。(え、本当に熊が出たとか…?)恐る恐る振り返るおっさん。


 「へっへっへっへ、お嬢さんこんな森の中で何をしているのかな?」振り返った先には下卑た笑みを浮かべた汚らしい盗賊風の男が立っていた。


 「えっと、道に迷ってしまいまして、街がどの方角か教えていただけませんか?」唐突に話しかけられ、素で返してしまうおっさん。


 「そうかそうか、道に迷っちゃったんだね。うんうん可哀そうにね。お嬢さんはね、もう街には戻れないんだ。」そう言いながら距離を詰めてくる男。

 

「それはどういうことですか?後、それ以上近づかないでください」一歩下がり、腰の大剣に手をかけるおっさん。

 

「それはね、おじさん達(・・・・・)につかまっちゃうからだよ!」男が叫んだ瞬間におっさんの左右の茂みから同じ風体をした男たちが飛び出した。おっさんの両腕を拘束し、そのまま押し倒そうとしたが失敗。おっさんの脅威的な筋力が体を支え、大の男2人に対抗する。


 「「なんだこの女!?」」両腕を拘束こそしたが、ビクともしない。おっさんを拘束した男たちは驚愕を隠すことができなかった。驚愕する男二人。(仲間いたのかよ!?ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!)だがそれ以上におっさんは焦っていた。


 「へっへっへっへ、そのまま拘束しておけよ?見回りとか貧乏くじを引いたが、思わぬ拾い物をしたぜ。ボスに渡す前に楽しんでも罰は当たるまい」その言葉におっさんはさらに焦る。(如何する?如何する如何する如何する如何する如何する如何する如何する!?)一連の流れに思考が付いていかないおっさん。平和な日本で、長らくデスクワークをしてきたおっさんにとって、この状況下での適切な対応など思い付くはずもなかった。


 故に、拘束を解いて逃走するという選択をする。だがこの選択が結果的に正しかった。「あああああああ!!!」雄叫びを上げ、力任せに両腕振り回すと、おっさんを拘束していた2人の男は冗談のように宙を舞う。


 「はぁ!?」その光景を見た男の驚愕は如何程だろうか。そして、宙を舞った男たちは物理法則に従い落下する。鈍いを音を立てて地面に激突する。それっきり動かなくなるが、おっさんからは生きているかどうかは判断が付かなかった。


 「そういえばすごく強いんだっけ、今。慌てて損した」(さて、どうしよう)多少落ち着いたが、この状況に対する正しい対応などおっさんは知らない。「さて、どうしたらいいかな?」思わず訪ねてしまうおっさん。


 「な、何をした!」だが盗賊の男には恫喝に聞こえた。抵抗しても無駄だぞ?大人しく投降しろ。そう聞こえていた。












あれ、おっさん強すぎない…?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ