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霊媒師募集  作者: たまこ
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第七章 霊媒師と大福ー大福視点ー5

しばらく疑惑の目で私を見ていた男だったが、仕切り直しのようにニッコリと笑った。

そして、


「シロネコちゃぁん、かわいいねぇ、」


おっ?

なんとかごまかせたか?

私は普通の猫らしく、うにゅん!と鳴いて小首を傾げた。


「ツヤツヤ毛並みもキレイだし、」


やだっ!

また褒め殺し?(だから、もう死んでるけど)

うなーん!

ふふふ、毛並みにはちょっと自信あるのよね。


「だけどお腹はタプタプでオッサンみたいだねぇ、」


そうでしょ、タプタプ……って、オィ!

これはタプタプじゃなくってルーズスキン!

このタプタプは必要枠なんですぅ!

そもそも私、オッサンじゃないわ!メスだわ!

どっちかって言ったら30才のおまえの方がオッサンじゃ!

オアァア゛!?

ニ゛ャッ!!ニ゛ャッ!!

私は怒りにまかせ、自慢の尻尾をビタンビタンと打ち付けて、デスボイスで抗議した……って、しまった!

これじゃあ、人語理解できますって言ってるようなものじゃない!

完全にばれたよ!

これで気持ち悪い猫認定されたな!

お、終わった……!!


ノンノン

終わってなかった。

男の猫馬鹿っぷりは黒帯級だったようで、私が人語を理解できる事に嫌悪感を持たないばかりか、理解できるならコレ幸いとばかり、タプタプオッサン発言の謝罪やら、出逢ったばかりだけれど、どれだけ私に惚れてしまったかを延々と、本当に延々と語られた。

途中、飽きた私に怒られてようやく話を中断した男だったが、反省したのも束の間、「だめだ!もうガマンできないーーー!!」と叫ぶと、突如、ひょいっと私を抱き上げてしまった。


なっ!

いきなりなにを____!

って、いや待てーーーーーーー!!

私、抱っこされとるがなーーーー!!

なんで?なんで?なんで?

なんですり抜けないの!?

もしかしてコヤツも幽体!?

否っ!!

コヤツあったかーーーーい!!

生きてるーーーー!!

生きてる人の子なのに、なんで抱っこできるの?

なんで触れるの?

なんで?なんで?なんで?

……

…………

ああ、ホカホカ……あったかいよぉ。

お姉ちゃん……。


ゴロゴロゴロゴロゴロ……

無意識のうちに喉が鳴る。

気持ちいいなぁ、心地いいなぁ、安心するなぁ。

男の懐の温かさにホワホワと眠くなってくる。


「ハックション!うー!寒っ!」


ん?どうしたの?寒いの?

男のくしゃみに「うなぁん」と声を掛けたが、なにしろあったかくて、眠くって、それどころじゃない。

薄目の私にニコニコと微笑む男は、再び人差し指を私の鼻先に向けた。

さっきは拒否してしまったけど、今度は違う。

なんでかわからないけど、この男は私に触る事ができるのだ。

鼻挨拶だってしちゃいますよ。

私はホカホカで半分寝ぼけながらも、ウニュウンと首を上にのばした。


その時、


バチバチ!


ニャニャ?

なんだ?


寝ぼけまなこの片目を開けると、そこには男の指先と私の鼻を繋ぐ、短い光の橋が見えた。

七色じゃあないけれど、うんと小さなものだけど、それは確かに橋だった。

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