第四章 霊媒師OJT1
“どう頑張っても依頼現場に辿り着けない”と、まだ会った事のない先輩霊媒師からの連絡で、急遽東京都H市のアパートに向かう事になった僕達。
社長は出る前に大事なものを取りに行く、すぐに戻ると別室へと出て行った。
大事な物ってなんだろう?
やっぱりお祓いアイテムかな?
数珠とか聖水とか、あとは木の棒にひし形の紙がいっぱいついてて巫女さんが悪霊退散ってやるお祓いで使う紙付きの棒とか。
そういえばあれってなんて名前なんだろう?
テレビや漫画でよく見るけど、あんなの一般の人にはわからないよ。
神社の方とか、それこそ霊媒師でもなければわからないんじゃないかな……って、あっ、、霊媒師って僕もか(見習いだけど)。
はぁ……僕は本当に何も知らないド素人なんだなぁ。
社長は僕が現場で足を引っ張ってもなんとかしてやるって言ってくれて……だけど僕のせいで社長や依頼者にの方に迷惑がかかってしまったらどうしたらいいんだろう。
僕は今日やっと“霊”と“生きた人間”の区別がつくようになったばかりの低レベルっぷりで、お祓いの手順すら知らないんだ。
確実に足を引っ張る事になるのだろうな……情けない……早く仕事を覚えたい……。
キリ…キリキリキリ……
痛…痛たたたた。
そんな事を考えていたら急に胃が痛くなってきた。
昔からストレスに弱いのだ。
痛…痛たたたたたたたたたた。
たまらず身体をくの字に曲げて、刺すような痛みに耐えていると、そんな僕に気が付いた先代が心配そうに声をかけてくれた。
「岡村君?大丈夫?おなか痛いの?顔色も……えぇ!?真っ青だよ?昔、私が息を引き取った時くらい真っ青!」
「だ、大丈夫です。これから現場入りするのかと思ったら、なんていうか緊張のあまりネガティブスイッチがオンされちゃいまして……で、胃がですね……キリキリキリキリ痛くなってきて……でも少ししたら治りますから、心配かけてすみません……」
「岡村君、これ大丈夫じゃないよ。すごい汗だよ?無理しないで今日は早退しなさいよ」
オロオロと僕を心配する先代は、懸命に僕のおなかをさすってくれる。
先代……とてもありがたいけど幽霊である先代の手は氷のように冷たいので、その、、冷えちゃって余計に痛くなってきちゃいましたよ。
ああ、でも、こんなに心配してくれる先代に手をどけてくれとは言えない……。
ガチャリ!
ドアが乱暴に開けられた。
入ってきたのは、ただの先入観だけどストレスとは無縁っぽい社長だ。
「待たせたな!出かける準備はできたぞ!それからエイミー、これ!」
そう言って僕に投げてよこしたのはプラスチックの小さな箱だった。
なんだろうと思って開けてみると、
株式会社おくりび
東京都T市××町5-6-2日暮ビル
℡×××-×××-××××
霊媒師
岡村 英海
E‐mail amy_okamura@okuribi.xxx.com
「うわぁ、これって僕の名刺だっ!」
僕はさっきまでの胃の痛みも忘れ、渡された名刺をまじまじと見た。
僕の名前の上には“霊媒師”の三文字。
まだまだ全然“霊媒師”とは言えないし、さっきまでネガティブスイッチにメンタルやられてたけど、それでも真新しい名刺を見ると単純に嬉しいし気持ちも上がる。
「エイミーが面接に来た次の日に発注しといたのが昨日届いたんだ。初現場の時に渡そうと思ってたけど、まさかこんな早くに渡すとはな」
社長はすぐに発注してくれたのか……名刺を作るのだってタダじゃないのに。
社長は僕が見込み違いで霊媒師として使えない可能性とか、挫けてすぐに辞めてしまう可能性とか、そういうネガティブな事は想定してかったのだろうか?
……
………
いや、そんな事考える人じゃないのだろう。
なんたって“男は拳と拳をぶつけ合えば大抵の事は解決”、な、人なのだから。
良い意味でシンプルな思考の人なんだ。
だから、きっと単純に真っ直ぐに僕を信じてくれたのだろうって……ん?……あれ?なんだこりゃ?
眺めてた名刺の最下段、僕のものと思われるメアドに違和感を感じ改めて凝視する。
なんかおかしい。
会社のメアドのユーザー名は大抵、本人のフルネームを使うよなぁ。
前の会社でもそうだったし。
だけどなんだこれ?
E‐mail amy_okamura@okuribi.xxx.com
…このアドレス間違ってないか?
僕ならユーザー名『hidemi_okamura』でしょ?
なのに『amy_okamura』ってなに?印刷ミス?
ん?amy?あ……これってまさかエイミー!?
もしかして『エイミー オカムラ』でアカウント取っちゃったの!?
うそでしょ??
「社長!このメアドって……!」
「ははっ!やっと気が付いたか!ユーザー名が“amy_okamura”なんてすっげーカッコイイだろ?エイミーはもはや“英海”じゃなくてエイミーだからな!なに、俺からのささやかなサプライズだ!」
「サプライズはともかく、もはや“英海”じゃないって意味がわからないですよ!社長、一体これは、」
「あ、やべ!マジでもう出なくちゃ!行くぞエイミー!依頼内容は車の中で話す!」
「え!あ!はい!あれ?社長手ぶらですか?大事な物取りに行ったんじゃないんですか?」
「取りに行ったよ!で、今、エイミーに渡しただろう?」
「ええ!大事な物って僕の名刺だったんですか!」
「そりゃそうだ、エイミーの初現場だからな!」
「あ、ありがとうございます」
細かい事はどうあれ、こんな事言われちゃこれ以上文句は言えないじゃないか、くそー。
でも、まあ、一応氏名は“岡村 英海”になってるし、メアドくらいなら、いっか。
それに、いつの間にか胃の痛みが完全に消えてるし。
ははは……これも結果オーライって事かな。
◆
なんだこのシート。
包まれる感がすごい。
後ろから抱きかかえられている、というのがピッタリくる感覚だ。
とはいっても、僕は男だから誰かに抱きかかえられた事はないけど。
あ、小さい頃は家族の誰かしら膝の上に乗せられてたから、その時の感じに似てるかな。
僕は今、社長の車の助手席にいる。
社用車ではなく通勤にも使っている社長個人の車なんだそうだ。
スポーツセダンの3ナンバーで、銀色の車体は滑らかな曲線を残しつつ、それでいてゴツゴツと骨太い。
「これ元々親父の車だったんだ。俺が免許を取った時に拝み倒して譲ってもらったランサーエボリューションⅤ。もう15年一緒に走ってて、だいぶガタもきてるけど手をかけてやりゃまだまだ走る良い車だ。去年は思い切ってシートを変えた。レカロ製だからクソ高かったけど、どうだ?エイミー座った感じサイコーだろ!」
レカロってなんだ?シートのメーカー名?とか思いつつも座り心地の良さには賛同した僕に延々と車談義が続く。
やれ正面から見た顔(?)がガ○ンダムっぽいとか、ギアチェンジはエンジンの音を聞いて判断しろとか(僕はオートマ限定だからマニュアル車の事はわからないし)ケツのリアウィングは美しいだけじゃなく高い機能性を兼ね備えているとか……ほっとくと現場に着くまで止まらなそうな勢いだったのを制してくれたのは、後部座席からぬぅっと顔を出す先代だった。
「清水君、車の話はもういいから岡村君に依頼内容と現場に着いた時の流れを教えてあげて。大体清水君は車の話になると長いんだよ。先月だっけ?せっかく女の子とドライブに行ったのに、ずーーーーーーっと車自慢しちゃって、それ以降連絡取れなくなっちゃったのは」
「なっ!ジジィ!覗きやがったな!違うぞ!あれは連絡取れなくなったんじゃなくて、こっちからしてないだだけだからなっ!つーか霊視すんな!」
「別に意識して霊視した訳じゃないよ。ただ一時すごーーーーーーく落ち込んでたでしょ?その時、清水君の気持ちがダダ漏れになってたからねぇ。見たくなくても見えちゃったんだよぉ」
先代、見えちゃったとしても今ここでそれ言っちゃだめでしょ。
ぎゃいぎゃいと不毛な言い争いを収束させるには話題を変えるしかない。
「お話し中すみません。先代、社長、僕に依頼内容と現場に行ったらどうしたらいいか教えていただけませんか?僕、何もわからないので……」
「おぅ、そうだな!ジジィのくだらない話なぞ聞いてる暇はないんだよ!」
僕は社長の車の話も同等ですよ、とは言わずに話の先を促してみる。
「これから行くのは東京都H市のアパートで依頼主はアパートのオーナー。依頼内容はお祓いだ。11年前アパートの一室で起こった殺人事件の被害女性が成仏できずに部屋に縛られているんだ。以来この部屋には女の幽霊が出る。殺人事件のあった部屋という事で家賃も下げて貸し出すようになったが、幽霊のせいで住人はすぐに出て行ってしまうらしく困っているそうだ」
「うわぁ……僕もアパートに一人暮らしですけど、殺人現場だったなんて聞かされたら絶対入居しないですよ。まして幽霊が出るんでしょ?」
「まぁ、そうは言っても、新入居者に殺人事件があった事を話さなくちゃいけないのは最初だけだからな。一回でも誰か入居してその後また空き部屋になった場合、次の入居者にわざわざ殺人現場だった事を話なくちゃいけないという義務はないんだ」
「えぇ!そんなのってないですよ!」
「だけどな、告知義務はなくなってもかつての居者全員が幽霊を見ているんだ。人の口に戸はたてられん。その元入居者達が当時の恐怖体験をツイッターに上げたり、訳あり物件サイトなんて所にもアパート情報が出回っているから、結局告知しなくてもちょっと調べればすぐにばれてしまう。なんならエイミー“東京都H市 事故物件 幽霊”で検索してみろ。ゴロゴロでてくるぜ?」
僕はすぐに自分のスマホで検索を始めた。
ヒット件数11000件。
本当だ……すごい。
僕は上から順にリンクを開いていく。
中には詳細な住所付きでアパートの外観画像まで貼ってあるのだからオーナーさんはたまったものではないだろう。
僕はサイトからいくつかリンクで飛んでいくうちに当時の事件概要が載ったページへと辿り着いた。
そこにはこう記されていた。
__2007年8月。
東京都H市のアパートの一室で、酒に酔って暴力をふるう夫(33)から娘(7)を助けようとした妻(28)が、夫により絞殺された。
妻は夫に蹴られ気を失った娘の為に119番通報をしたものの、救急車到着までの約30分の間に事件は起きた。
遺体の第一発見者である救急隊員らの通報で夫は殺人容疑で逮捕。
娘は病院に運ばれたものの命に別状はないという。
夫は無職で普段から酒を飲んでは暴力をふるっていて……__
「社長……当時の記事があって今読んだのですが、これから行く現場には娘さんを助けようとしたお母さんがいるんですね?」
「ああ、そうだ」
「ひどい話ですね……無職の旦那さんの酒と暴力じゃどんなに辛くて怖かっただろう。挙句娘さん庇って殺されてしまうなんて、それじゃあ成仏できなくて当たり前だ!オーナーさんもかわいそうだけど、このお母さんが気の毒すぎる!犯人は絶対に許せないな!」
「旦那の方は無期懲役で服役中だ。娘の方は殺された被害女性の実家に引き取られたらしいって話だ」
「そうですか。両親をこんな形で失って……今、娘さんが幸せだといいのだけど……」
「被害女性の名前は田所貴子さん当時28歳。今、生きてりゃ39歳で俺らより年上だ。向こうで会ったらそれなりの敬意を払えよ。あとなエイミー、殺された田所さんに過剰な感情移入をしちゃ駄目だ。引っ張られる可能性がある」
「引っ張られる?」
「そうだ。“もっと生きたかった”“殺されたくなかった”“子供が心配”そういった強い鎖で縛られた霊ってのは、生前どんなにいい人だったとしても、生きた人間に……いや、命のそものに強烈な羨望を持っている」
「そりゃあそうかもしれませんけど……」
「一度死んでしまったらもう二度と生き返る事はできないんだ。不本意で無くしてしまった命、身体、ぬくもり、そういったものを当たり前に持っている生きた人間に大なり小なり嫉妬の念が生まれるのは当然だ。そんな霊に感情移入しすぎるとどうなると思う?“かわいそうに”“大変でしたね”“泣かないでください”そんな優しい言葉をかけてくれる生きた人間、この人はわかってくれる、この人にしがみつきたい、助けてほしい、そばにいてほしい、だけど自分がそっちに行く事はできない。それならこっちに引きずり込めばいい、って。そうなりがちだ」
「…………」
「それにな、依頼主の気持ちも考えなくちゃならん。いくらウチの会社の料金設定が他社より安いからって、それでもそれなりの料金はかかる。霊障に悩む依頼主が安くない金を払ってでもなんとかしてほしいとウチに依頼をかけるのは相当切羽詰った時だ。今回のアパートオーナーもネットで拡散された事故情報に苦労してきたんだと思うよ?現実的な事言えば収入も減るだろうし、興味本位でアパート周辺をうろつくヤツもいるだろうし、そのせいで近所から苦情が入る事もあるだろうし、さ」
「そうか……そうですよね」
「そう言う事。だから俺ら霊媒師は腹ん中で何を思おうが構わないが、現場ではフラットにならないといかんのよ、霊にも依頼主にもな」
「少しだけわかった気がします」
「少しでもわかってくれりゃOKだ、って、ガッテム!なんだよコレ!!」
と、社長が怒鳴ったのは僕に対してではない。
平日のお昼前という時間帯は道路も空いていて、順調にH市に向かい走っていたのだが、目の前には車、車、車……どの車もハザードランプを点滅させたままで長蛇の列になっている。
「ちっ!渋滞かよ!」
僕は素早くこの近辺の情報を検索すると、この先で事故があったらしい事がわかった。
「社長、これ事故渋滞ですよ。……あ!もしかして、これって田所さんの霊が僕らが現場に行けないように妨害してるんじゃないですか!?」
「いや、これは違うと思う。本来行くはずだった霊媒師には引き続き現場に向かうように言ってある。その方が田所さんの妨害がそっちに向いたままになるからな。それに、この車にはジジィがいるだろ?田所さんの念がこっちに向かっていればすぐにわかるはずだ。なっ?ジジィ!」
「…うぅ?あぁ?」
後方からなんとも間抜けな声がした。
僕が後ろを振り返ると先代は後部座席でヨダレを垂らさんばかりに居眠りをしている……って、へえ、幽霊って眠るんだ。
「あ!ジジィ寝てやがったな!まったく呑気なジジィだ!まぁ、寝てられるってのはやっぱり田所さんの妨害は入ってない証拠だから、本当にただの事故渋滞だろ。だけどマジどうしよっかな……」
社長のイライラが直に伝わってくる。
ノロノロと少し進んでは止まる、また少し進んではの繰り返し。
そのたび社長は忙しそうにギアチェンジをしていた。
渋滞でのマニュアル車は大変だなぁ、なんてぼんやりとその手元を見ていると、
「これじゃあ、いつまでたっても現場につかないな……クソッ!」
さらにイライラ度が増す社長。
なんとなく気まずくて俯く僕。
重い空気の中20分かけて3m程前進したその時、
社長のイライラが徐々に引いていくのがわかった。
あれ?どうして?道は相変わらず渋滞なのに?
不思議に思った僕は顔を上げて運転席を見る、視線がぶつかった。
ハンパない目力で僕を見つめつつゴツゴツと大きな手でクシャリと髪を撫でてくる社長。
え?なに?どうしたの?と思った次の瞬間、
「なぁ、エイミー。俺に抱かれる気はあるか?」
へ……?ダカレルキ……?抱かれる……気…??
なんですとーーーーーーーーーーっ!!
だだだだだ抱かれるって一体どういう意味ですかーーーーーーっ!!
この時僕は世界で一番間抜けな顔で口をパクパクさせていたんだと思うけど、衝撃すぎて声が、言葉が出てこない!
社長はそんな僕を熱を帯びた瞳でロックオン。
そしてこの一週間見た事のない情熱的な表情で、
「かわいいな、エイミー……じゃ、行くぞ!」
行くって何処へーーーーーーーーっ???
現場に行くんでしょーーーーーーっ???
なぜここでウィンカーーーーーッ???
僕はウィンカーの出された左方向に目線を移す。
するとそこには、そこには、そこにはーーーーーーっ!?
国道沿い、中古車販売店とかファミレスといった健全なお店が並ぶ中、一際目立ついかがわしい雰囲気の建物が。
これはいわゆる愛の宿泊施設!
__HOTEL TRUE☆LOVE
平日12時間フリータイム__
ちょっと待ってください!社長!僕は、僕は___!
社長の左足がクラッチを踏みギアが入る。
右足がゆっくりとアクセルを踏み、同時にハンドルが左にきられ、社長のソウルカーであるランサーエボリューションⅤは滑らかにラブホの中に吸い込まれていった。
「だめぇぇっ!!Uターンしてぇぇっ!」
ラブホ敷地内に進入した助手席で、僕は乙女のような悲鳴をあげた。
社長の事は嫌いじゃない、でも、でも、恋愛感情じゃないんですぅ!
後部座席の先代も寝てないで僕を助けてぇ!
「ぶはっ!悪いなエイミー、俺、Uターンはしないから」
ハンドルを握る社長は狼狽える僕を横目にゲラゲラとアクセルを踏み込んで、そのまま敷地内を突っ切って反対側の出入り口から右折でラブホをあとにした。
そして車二台すれ違うのがやっとのギリギリ細い道を、社長の鼻歌をBGMにスイスイと進んでいく。
僕は前方と後方を交互に見ながら間抜けな声を出した。
「えっと……社長?僕をどうこうするってドセクハラな話は……?」
「あれは冗談だ。もしかしてガッカリしたか?あぁ?そんな事ない?あ、そう。いやさー、国道が渋滞であんまりにも動かないから、さっきのラブホ通らせてもらって一本こっち側の裏道に出たんだ。道は狭いけど国道と並走してるから方向的には一緒だしな。ははっ!エイミー、マジでびびってただろ!」
テッテレー!大成功ー!なんてはしゃぐ社長に僕は脱力し長ーーーい溜息をついた。
「なんだ、エイミー。溜息つくと幸せが逃げるぞ?でもまあ、今これだけびっくりしとけば現場着いても多少の事じゃ驚かないよ。良かったな!俺のおかげだ!」
はぁ……社長の悪ふざけに毎回騙される僕だけど、さっきの騒ぎで初現場に対する緊張のうち半分はどこかに消えてしまった。
そこは多少感謝するべきかもしれない。
だけど……。
__俺に抱かれる気はあるか?
まったく、社長はふざけ過ぎだ。
なんで普通にラブホの中を通り抜けするからって言えないんだよっ。
ある意味ドキドキしたわっ!
あーなんかこれって、お祓いするのと社長に振り回されるの、下手すりゃ社長の方が大変なんじゃないだろうか?
こうなりゃ初現場でも幽霊でもドンと来いだ。
そのとき僕は、結局は笑ってしまう社長の悪ふざけにごまかされ、変なテンションになっていたのかもしれない。
後にそれがどんなに浅はかなだったかを思い知らされる事になるのだが、それは現場に着いてからの話なのだ……。




