表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
霊媒師募集  作者: たまこ
104/1194

第八章 霊媒師弥生-36

回転は30回ほど回ったかどうかくらいだったと思う。

院長は両腕をおろし、至って真面目にこう言った。


『ハァ……ハァ……暴力はいけないと思ったのですが、わかっていただくにはこれしか方法がありませんでした……申し訳ありません。だけどこれでご理解いただけましたか?襲うというのは……こういうことなんですっ……!』


幽霊も息切れするのか?

という疑問は置いておくとして、肩で息する院長は攻撃(?)をやめると諭すような目で社長を見上げた。

その真っ直ぐな視線を受ける社長は、さっきから小さな声で「え?え?えぇ……?」とか漏らしながら狼狽えている。

そりゃそうだろ。

格闘系霊媒師と呼ばれる社長は、今まで生者も死者も、常に己の拳で闘い、闘いを通じて解り合ってきた男だ。

先週の現場、東京都H市で会ったユリちゃんのお爺ちゃんこと、藤田真氏との闘いは血の雨が降る真剣勝負だった。

格闘系の名は伊達じゃない。

なのに今夜、ウチの僧兵は、すこぶるプリティなマルチーズパンチを浴び、ダメージゼロにもかかわらず、その暴力(?)に謝罪を受けたのだ。

社長にしたら、こんなの暴力でもなんでもねぇし、といったところだろう。

だけど院長的には、全力パンチで若い生者をコテンパンにした気になっている。

年長者のプライドを傷つける訳にもいかない社長は……ま、ようはどう返答していいかわからなくなってるみたいだ。

挙動不審な社長の返事を待たず、院長はさらに続ける。


『ここまでは解りましたか?それでは次の説明を。いいですか?襲うんじゃない、我々の言う脅すというのは____さあ!みんな!よろしくお願いしますよ!』


パチンと院長の指が鳴った。

そこから数泊おいて、どこからともなく聞こえてきたのは、


『ヒュゥゥ……ドロドロドロドロ……』


ブフォッ!


僕と社長は同時に吹いた。

2人とも音量は最弱で吹いたので院長には気付かれていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ