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能力の数は○○の数でした。  作者: つかさん
6/45

006 成長でした。

ブックマーク登録ありがとうございます!


期待に応えられる様頑張ります!

 森に侵入する前に、装備の確認を行う。


 今装備している武器は長めのサバイバルナイフだ、アウトドア用のゴツい物ではあるが、武器としてのリーチは短く、かなり接近しないと攻撃出来ないだろう。

 そもそも俺には狩の経験なんか無いし、キャンプだって子供の頃に行ったっきりだ。

 つまり、刃物の扱いに慣れてすらいない、いくら頑丈なナイフでも、無闇に振るうだけでは切れないし、刃毀れしてしまう。

 ある程度扱いに慣れ、体ができたら剣術や短剣術と言った能力として取得してしまう事が必要だろう。


 服装は防刃のベストにインナーパンツ、手袋、その上からジーンズを履き厚手の麻生地をカットしてマントの様に羽織っている。 防刃のセットの効果がどれくらいあるか分からないが、無いよりはマシだと思いたい。 後は脛当てとハイカットの安全靴にファールカップ。 安全靴はつま先に鉄板が入った靴で、ファールカップは股間の大切な2つの宝を守る装備だ、格闘技の選手がつけてたりする。


 さて、まずは単独から5つ程度までの少数の気配を探し、慎重に魔物を狩ることにする。

 最初に見つけたのは、単独でいる顔にクシャっと皺が寄った身長が130センチくらいで全身が緑色の二足歩行する魔物、ゴブリンだ。


 背後からゆっくり近づきナイフを突き立てる。 その瞬間、例のシュワっとした音が聞こえる。認識阻害が切れた。


「ギギャ!」


 ナイフを抜き空中に浮かび距離を取る。

 胸のやや左側を狙って突き刺したけど、ゴブリンの心臓はここじゃないのか、そもそも、そういった器官が無いのか、痛そうにはするものの、息絶える様子はない。 ゴブリンが振り向くと、体の前面にも傷口が有り、貫通していた事が分かった、傷口からは血が流れているが、気にする事なく反撃しようと両手をこちらに向けている。


 ナイフを収納し代わりに杭打ち用のハンマーを取出した。 やっぱり軽く感じる。 先端の打撃部分は2キロ、柄の長さは1メートル。 足元で喚くゴブリンに向かって遠心力を効かせ思い切り振り下ろす。


 頭が潰れ、振り回していた腕が下がり膝から崩れ落ちた。

 同時にうっすらと靄が出て俺に絡む。 靄を集中して見ていたせいか、靄が絡んでいる部分に違和感を持った。 こう、眉間に人差し指を近づけられているような、素肌のぎりぎり当たらない所で手を滑らせているような、そんなムズムズ感だ。


 次に見つけたのはオーク、豚顔で2メートル無いくらいの大きさだが全身が太く20メートル程離れているのに威圧感がある。 見た目に少しビビって離れたまま見ていたら、きょろきょろとあたりを見回し始め、少ししたらこちらを向いた。


 認識阻害はかけたままだし、切れた音もしていない、距離もあるし大丈夫だよな?

 そう思いながらも観察していると、オークは足元から人の頭程はある石を拾い、こちらに投げつけてきた。


 なっ!? 石は頭上をかすめていった。 見つかったのか? でも認識阻害が切れた音はしてないし。 


 ん?あれは。

 オークを観察し続けて気がついた、鼻をひくひくさせ周囲を探っていたのだ。


 なるほど、匂いでバレたのか、困ったなこの距離でここまで狙われるなら近づいたら確実に当てられるな。


 何か対策を考えるか。 そう考え上空に避難した。

考えた結果できたのはこれだ。


\\\\\\\\\\//////////


»»発現【完全遮断】

気配、魔力、匂い、音、熱 をすべて遮断する。

光を曲げ、姿を見えなくする、周囲からは反対側の景色が見える。


//////////\\\\\\\\\\


 完全遮断を使い先程のオークの所へ戻る。


 まず隠れて確認、次に近くに落ちていた枝を拾い折る。 かなり音が出たが、何も反応は無い、よし、気づかれていないな。

効果を確認すると、ナイフを装備しオークに向かって駆け出し、すれ違いざまに脚を斬りつける。


「ふんっ!」

「ピギィ!?」


 裂けた脚を気にしながら、周囲を見るオーク。


「ブガッ!」「ンンッ!」


 手当り次第に腕を振り、近くの木々をなぎ倒していく。

 俺は手が届かない位置にはいるが、オークが行動するたび隠れられる障害物は減っていく。 後ろに回り切りつけすぐ離れる。

 それでも、オークには見つからない、その間にまた後ろに回る。 完全遮断が効いているようだ。

 同じ脚を狙い攻撃を重ねていく、やがて片脚が使えなくなり倒れた。 もがいている手を避け首を切り仕留める。


 その後も気配を探しては狩り、狩っては探すを繰り返した。


 倒した魔物は、ゴブリン、オーク、その後に、コボルト、フォレストウルフに大猪も見つけて狩っている。 森の魔物は奥に進むにつれ少しずつ強くなっていた、おかげで順調にレベリングできた。

 その結果、レベル10に届いたので切り上げる事にする。


 現在のステータスはこんな感じだ。


\\\\\\\\\\//////////


中村 勲(なかむらいさむ)


年齢:33

種族:人族

職業:--

LV:10


体力:967/967

魔倉:6650/6650


魔創:5963

筋力:1093

硬度:873

俊敏:942

知力:1028

器用:1018


魔法:--


能力:マルチウィンドウ、アイテムボックス

   認識阻害、空中散歩、空間転移、現在位置把握

   多言語理解、気配探知、詳細鑑定、完全遮断


固有能力:魔力生成、魔力貯蔵、成長補正


//////////\\\\\\\\\\


 レベルが1上がる毎にだいたい100ずつくらいステータスが伸びた感じだった、4桁を超える項目が多くなったな。

 ひとまず10レベルくらい有れば、転移モノのテンプレで絡まれたりしても何とかなるだろう。 ただ残念な事に、森で少女や商人を救出する様なイベントは無かった。

 偽装ステータスについてはそのままでいく、相場?が分からないしな。


「お、あいつちょうどいいな」


 最初に戦ったのと同じ、ゴブリンがいた。


 ステータスもそれぞれ上がったし、それなりには戦える様になってると思い、無手での戦闘を試したかったのだ。


 完全遮断をかけ空中散歩を使い、ゆっくり近づく。


 最初のゴブリンとの違いは右手に持っている太めの木の枝くらいかな。 武器と呼ぶのはためらうが、棍棒としては十分、あれで殴られれば痛いだけでは済まなさそうだ。 


 正面から地上に降りた俺は、遮断を解除し一気に距離を詰める。


「よっ!」

「ギ、ギャッ」


 近づく俺に気づき力任せに棍棒を振り下ろすゴブリン、気持ちゆっくり動いている様に見える。 体を半身ずらし左に躱す、正面を通り過ぎる所で棍棒に手を添え右にながしてやる。


「ガ?グガッ!」


 空振り勢いづいた棍棒に引っ張られ、たたらを踏むゴブリン。 何とか踏み留まりこちらを向くが。 


「グッ、ガァッ!」


 その時俺はすでに回し蹴りの体勢になっている。


「ふっ、せいっ!」


 ゴッ、ボンッ・・・

蹴りが命中した瞬間、聞こえた音はそんな音だった。


「へ? あれ? どうなった?」


 思わぬ結果にあっけにとられていると、頭が無くなったゴブリンがドサッと倒れた。


「蹴っただけで頭が爆発した? なんで?」


 確かに俺は空手をやっていた事はあるが、それはもう10年も前で、期間も2〜3年と、ほぼ素人だ。 それなのにこの威力。 こちらに来て力とか上がってる気がしてはいたし、レベルと一緒に色々ステータスは伸びたけど、流石にこれは普通じゃないよな。


 身体能力の異常な上昇に不安を感じながらも帰路につく。


 今の時間は15時過ぎ、森で狩った獲物を持ち帰るにはちょうどいい時間だろう。 倒した魔物は、そのままアイテムボックスに入れてある、何がどう必要か全く分からないからな。

 そうそう、時間が正確なのは狩の途中「今何時かな?」と考えながらスマホを探していたら、マルチウィンドウに追加された。 その時の通知は……まぁいいか、時間を視界に表示したり、アラームが設定できたりする程度だ。


 早朝から7〜8時間うろうろ飛び回って狩っていた事になるが、現在位置はしっかり把握できてるぞ! 気づいたのは途中だが、現在位置把握の能力で言う『既知の場所』は任意でも決められる様で森に侵入した地点を思い浮かべればバッチリなのだ。

 ここはリブリッチ付近から山脈沿いに西に50キロ程度来たあたりだ。



 さあ、街に向かって出発だ!

お読み頂きありがとうございました。

明日も10時に投稿します。


誤字脱字がありましたら是非教えて下さい。




2019.02.06 一部修正しました。

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