021 みんなの家でした。
017話のフィンの職業を修正しました。
大量の串焼きを受け取った俺達は、冷める前に渡したい、と言うフィンの先導で壁通りの歩道を歩いていた。
もちろん、アイテムボックスに入れてあるので冷める事は無いのだが。
「なあフィン、後どれくらいで着くんだ?」
10分程歩いた所で確認する。
「ああ、もうすぐだよ、ほら、見えて来た」
その言葉と共に見えてきたのは、ここに来てまだ見た事の無かった庭付きの建物だった。
中央公園の周囲にあった物に似た金属製の柵の内側に芝生の庭があり端の方には畑も見て取れた。
「広い所だな」
イサムは少し声のトーンが落ちていた、だがそれはすぐに回復する。
「そうだろ! リブリッチで一番大きな孤児院だからな!」
「そっ、そうなのか」
明るく言うフィンに驚き声が上擦る。 孤児院と言う言葉とそこに居るまだ小さなフィン、無駄な想像をしてしまうのも無理はないだろう。
イサムがかける言葉を迷っていると後ろから元気な声で呼び止められる。
「おーいフィン! どうだった? 今日の出稼ぎ」
その少年は言い終ると、ニシシ、と歯を見せて笑った。 出稼ぎと言う単語もまるでゲームの成績を尋ねる程に気楽な問いかけだった。
「ルーシー! 今日は俺の勝ちだな! 驚くぞ!」
フィンもまたこらえ切れない様に笑みを浮かべる。
「その人か?」
「そう! おっちゃんだ!」
「イサムだよっ! よろしくな、えっと」
「ルーシーだよ、イサムさん」
「おーおー、ルーシーは良い子だなー」
名前を覚えてくれたルーシー、ついついちょうど良い位置に有る頭を撫でる。
はっ、とするが、目を細めて嬉しそうにするルーシーに安心する。
「なんだよおっちゃん、女の方がいいのか?」
フィンの問いかけにすかさず鑑定する。
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名前:ルーシー
年齢:08
職業:ーー
種族:人族
性別:女
LV:06
体力:70/70
魔倉:23/23
魔創:55
筋力:21
硬度:23
俊敏:58
知力:74
器用:72
魔法:ーー
能力:ーー
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おう、確かにルーシーは女の子だ。 やっぱりこのくらいの年齢の子が同じ格好してたら俺には分から無いな。
「ルーシーが女の子だからじゃなくて、名前を覚えられれば男女関係無く嬉しいの」
「うっ・・・」
「ほら、おいで、名前で呼んでくれたら撫でてあげるぞ?」
うわ、流れで言ったけど結構きわどいセリフだったな。
「い、いいよ、ほら行くぞ、入り口だ」
そう言うとフィンは駆け出していった。 おいおい、置いていくなよ。
「待てよーフィン、イサムさん置いていっていいのかー?」
ルーシーが言うと足を止め振り返る。
「・・・イ、おっちゃん、早くこいよ!置いてくぞ!」
あはは、今更恥ずかしくなったのか?
「分かった、分かった、行くよー」
ルーシーは横で笑っている。
「さ、行こうか」
「はい!」
入り口の看板にあった名前は
《すだちの宿》
思っていた孤児院とは違うのかなとイサムは感じた。
お読み頂きありがとうございます。
残業が伸びて時間が取れない、どんどん書いてイサムに無双させたいのに。。。




