002 依頼でした。
早速のブックマーク登録を頂きました!
ありがとうございます!
『『いえ、問題有りません、それどころか助かりますよ』
「えっと、それはどういう事?」
『はい、実は最近停滞していた仕事が進展しそうだからです』
「仕事?」
なんだ? 中高生くらいに見えるけど、実は成人してるとかなのか?
『はい、転生する方に差し上げる、能力や魔法の一覧:《スキルリスト》に載せる候補の調査です』
「へ? なんだって?」
転生? 能力? 魔法?
『えーっと、能力や魔法等、スキルについては解りますか?』
「ラノベとか、ゲームとかに出てくる、特殊な能力の事?」
『そうです、そういった能力の事です。
それを、この世界の方々が私共の世界へ転生して来られる際、特典として差し上げているんですが、ご希望される能力にも流行り等が有ります。
なので、今回はその更新の為の調査をしていたのです』
「ふうん、調査ねえ」
何を言い出すかと思えば、特殊能力の流行調査とは、最近の厨二病はそっちサイドに目覚める者もいる訳か。
そうか、その設定上の仕事である調査が上手くいってなかったんだな。
と考えつつ出勤前だった事を思い出す。
自分の世界に夢中な子供の話をのんびり聞いている時間はないし、さっさと切り上げて仕事に行くか。
『あ、時間なら大丈夫ですよ、私とぶつかった時点で止めていますから、それに私は子供ではありません』
「ん!?」
慌てて周囲を見回すと、道路向かいの団地のオバチャンが布団叩きを振り上げたまま固まっている
『と、言う事で順に説明しますね!』
「あ、ああ」
あれ?さっき俺、声出していたかな?
『やだなぁ、それだけ表情に出してくれたら私でも思考を読めちゃいますよ〜』
あれ、口調が変わった、しかもまた読まれた。
もしかして本当にただの子供じゃないのか?
『それで、転生特典の能力とかって、基本その世界の人が想像出来る物しか差し上げられないのです。 なのでこちらの方がより多く取得されている物を記録しようと考えていたのですが、こちらの方はスキルを認識している方が少なく、魔力をほとんど持っていないせいか、能力として発現している方はさらに少ないのです。 なのでスキルを意識する方が多いこちらの国で、適性が有りそうな方に魔力を与えて顕れ易くしたうえで、発現した能力を記録していたのです』
少し照れつつ一気に話す所を見て、ついつい返事をしてしまう。
「へ〜そんな事ができるんだ」
『ただ、こちらは世界そのものに魔力が少なすぎるせいか、魔力との相性がいい人すら全然見つからなくて、それで、魔素自体の生成は問題ないので、その箱をもってきたんです』
「この、ガラスのサイコロみたいな?」
『はい。それは、魔素を魔力に変換する魔石と魔力を貯め込む魔石を組み合わせて能力発現補助を付与した特殊な魔石でした』
「でした?」
『はい、先程それらの能力は貴方に吸収されました』
「吸収?俺に?なんで?」
『魔力との相性がよかったのでしょうね、今までに無い勢いで魔力が吸い寄せられていましたし』
「それで、どうするのこれ?」
『どうぞ、そのままお使い下さい』
「いいの?貴重な物じゃないの?」
『問題有りません、貴方がその力を使って能力を作って頂ければそのままこちらで記録されるので、その方が助かりますし』
「使うって言っても、何をどうしたら……」
『適当でいいですよ、実現可能なら能力として発現しますし不可能なら何も起きないだけですから』
「適当ねぇ」
何にするか考えたが、とりあえずファンタジーの定番で、アレだな
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»»発現【マルチウィンドウ】
各種情報を視界内に表示する。他者からは見えない。
表示物により視界認識を妨げることはない。
ポップアップ、アラート他通知方法は要選択。
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「おお、出た出た、本当に想像するだけで出来るんだな」
『無事出来たみたいですね、この調子で今後も「そしたら、次は〜」新しく……え?』
「よし、決定!」
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»»発現【アイテムボックス】
容量、重量の制限は無い。
対象ごとに時間経過を設定可能。
収納は対象を認識することで発動可能。
取出しは思考による。
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「おーいいねいいね、表示も見やすいし」
早速表示されたポップアップを見ながら感想をもらした。
『え? 2つ目? もうですか? さすがあの魔石の力を丸々受け入れられるだけありますね』
「まあ、こんな内容の小説とかよく読むからね」
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【アイテムボックス】»»連携【マルチウィンドウ】
保存区画が設定可能になりました。
保存区画ごとに時間経過が設定可能になりました。
リスト表示、ソート、検索が可能になりました。
リスト、検索結果からの取出しが可能になりました。
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ん? ・・・へぇ、連携とかするのか。
新しい通知を見ながら発展のさせがいに思いを巡らせる。
『それでは、改めまして。 『スキルリスト』作成、お願い出来ますか?』
「・・・ん?」
『先程の様に新しく創って貰えれば、登録は自動ですのでお手間はかかりませんよ』
確かに色々楽しめそうだし、手間でもないし、請けてもいいかな。
「わかりました、お引き受けしますよ」
『ありがとうございます。それでは何かご質問はありますか?』
「あー、とりあえず、名前聞いてもいい?」
『そういえば、まだ名乗っていませんでしたね。失礼しました。私、こことは別の世界『アストラス』から来ました『アリサ』と申します。』
別の世界から・・・・・・もうこの人が何者なのかとかはいいか、そのアストラスって世界の事、詳しく聞こう。
「アリサさん、ですね。その、アストラスと言う世界はどんな所なのですか?」
『そうですね、あちらは地球と違って魔法があるせいで、科学とか医療とかはあまり発達してないですね〜、魔法以外の基本条件は同じなので同じ事が出来るはずなんですけど』
なるほど、最初にも言っていたがやっぱり魔法があるのか、行きたいな。 その為には
「その世界は、どんな国があるの?」
『地球とは違って人族だけではありませんので、たくさんありますよ』
「気に入ってる国とか、好きな物とかある?」
『特定の国を意識したりはしませんが、ヴァーレン王国の街には海、山、川、草原、と食材の宝庫で色々な料理が楽しめました。 特にフライングラビットの串焼きは美味しかったですね、あの辺りの草原で採れる魔獣なんですが比較的捕獲し易いので周辺の街や村にはほぼ必ず屋台がありますし、特定の香草を好むのでそのまま焼いてもスパイシーで・・・』
「・・・」
お、おう!? 串焼きについては語る勢いが違うな。
『失礼しました』
「いや、うん、好きな物があるのはいい事だよ……」
なんだろう、ものすごく親しみやすい雰囲気がでたな。
『そ、そうですよね。ありがとうございます……で、では、私はこれで失礼しますので!』
「あ!おい、ちょっと!」
行っちゃったよ、まあ、国の名前とか聞けたしコレもあるから何とかなるかな? 結局、返す事なくずっと持っていた、透明な魔石を見ながらそう考えていた。
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『さぁ、厄介事も押し付けたし手羽先食べに行こ〜』
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やたらいい笑顔でそう口にするアリサに勲は気がつくことはなかった。
お読み頂きありがとうございました。
明日も10時に投稿します。
誤字脱字がありましたら是非教えて下さい。
2017,05,14 句読点の位置を修正しました。
2019.02.06 一部修正しました。




